表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦隊ピンクは素直でいたい〜頼むから私に振り向いてくれ〜  作者: 仮面大将G


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/39

第29話 憧れのボディビル

 橋田と一緒に虹色の空間を抜けると、何かのステージの上に出た。見渡すと、屈強な男たちが倒れている中、真っ黒な筋肉を見せつける怪人の姿があった。ロボットみたいな見た目のくせに筋肉があるんだな……。なんかちくはぐで気持ち悪いな。


「ふんっ!」


「はあーっ!」


「ほおっ!」


 怪人がポーズを決める。おお、見事なものだな。あんなロボットみたいな見た目でも、ボディビルへの熱意が感じられるぞ!

 ……ん? ステージの袖に紅希くんと黄花くんの姿が見えるな。まさか、2人もボディビルを!? それはズルいぞ! 私だって普段から鍛えてるんだ! 今こそ私の肉体美を見せつける時!


 私は橋田から離れ、紅希くんと黄花くんがいるステージの袖まで移動した。


「あら桃子さん。ここに来たってことは、ボディビルね?」


「その通りだ! 私は普段からジムに通って鍛えてるからな! 君たちには負けないぞ!」


「言ったな桃子ー! 俺だって負けねーから見てろよー!」


「桃子さん、そこにボディビル用の衣装がいくつかあるわ。好きなのを選んで着替えるといいわよ」


「おおそうか! ならこの肉襦袢を」


「やれやれにもほどがあるわね。素肌を見せないでどうするの。ちゃんと肌が見える衣装にしないと」


「で、でも! 橋田が見てるんだぞ! 恥ずかしいだろ!」


「いいから着替えて来て。すぐ出番は回ってくるわよ」


 黄花くんがそう言うと、紅希くんがステージに歩み出る。もうすぐ順番が回ってくるじゃないか! 急がないと!


 適当にピンクのタンクトップとピンクのショートパンツを手に取り、更衣室へ急ぐ。着替えながら耳を澄ますと、紅希くんの掛け声が聞こえてくる。


「きょ、きょえええええ!!」


「どんな掛け声だ! おい何してるんだ紅希!」


「何って、ボビー・ビルだよ!」


「誰だそれは!? 変なアメリカ人を捏造するな!」


「ボビーは3食豆の煮物を食うナイスガイだぜ!」


「修行僧か! そんなやつがボディビルの大会に出るな!」


「でもボビーは」


「ボビーはどうでもいい! 降りてこいバカ!」


 橋田の声の方が大きいじゃないか……。普段はそんなに声が大きい印象が無いのに、ツッコミになると橋田の声はよく響くんだ。不思議なものだな。


 着替え終わってステージ袖に戻ると、今度は黄花くんがステージに歩き出すところだった。黄花くんはステージの真ん中まで歩くと、ポーズを決めて掛け声を発した。


「はんむらびほうてんっ!」


「だからどんな掛け声だ! やり返されそうな声を出すな!」


「マナーがなっていないにもほどがあるわね。ボディビルは静かに見るものよ。ポージング中の撮影・録音は10年以下の懲役、または1000万円以下の罰金が科せられるわ」


「映画か! ボディビルの大会なんてむしろうるさいものだと思っていたが!?」


「NO MORE泥棒よ」


「ただの犯罪撲滅キャンペーンじゃないか! いいからお前も降りて来い!」


 い、いよいよ次は私の番だな……。なんか緊張してきたぞ! いやいや、私は普段から鍛えてるんだ。こんなことで怯んでたら、怪人なんか倒せやしない! さあ、行くぞ!


 緊張しながらステージに向かって歩き出し、中央に到達すると、私は思い切ってポーズを決めた。


「間もなく2番線に電車が参ります。危ないですから黄色い線までお下がりくださいっ!」


「長すぎますよ掛け声が! なんで前回から電車に拘ってるんですか!?」


「見てみろ橋田、私のこの美しい溶連菌を!」


「それは筋肉じゃなくウイルスです! 早く病院に行ってください!」


「ぬうう、怪人めやるな。私ももっとウキウキになりたいものだぞ!」


「ムキムキでしょう!? 楽しみにしてどうするんですか! ちょ、いいから早く降りて来てください!」


 むう、橋田のやつめ。私がこんなに際どい格好をしているのに、ツッコミに集中とは……。筋肉もいいが、もっと色気を磨かないとな。


 私たちが橋田の横に並ぶと、橋田が怪人に向かって声を張り上げた。


「待たせたな怪人。今から俺たちハシレンジャーがお前を倒す!」


「いや待たせすぎじゃん? だらだらしないでさっさと戦ってくんね?」


「お前ムキムキのクセにそんなギャル男みたいな喋り方なのか!?」


「吾輩だってそんなに暇じゃないじゃん? お前らみたいなのと戦ってる暇があったら筋トレしたいし?」


「一人称は吾輩なのか!? その感じで!?」


「吾輩はボディビルマンだし。代謝アゲアゲの筋肉見ておくんなまし?」


「もうそれはギャル語でもないぞ!? おくんなましってなんだ! 花魁か!」


 うん、誰の筋肉よりも橋田のツッコミが鍛えられてるな。花魁なんてパッと出るワードじゃない。大したものだ。


 そんなことを考えていると、紅希くんが大きな声を上げた。


「おめーみてーな自分の筋肉しか見えてねーやつは、俺たちがぶっ潰す! もし俺たちが勝ったら、今日からおめーの食事はキクラゲだけだ!」


「2食目で飽きそうなチョイス!」


「へえー迎え撃ってやろうじゃん? キクラゲだけでも筋肉には十分だし?」


「十分なわけあるか! お前負けたら生涯キクラゲしか食べられないんだぞ!? もっと危機感を持て!」


「行くぜおめーら!」


「ハシレチェンジ!」


 私たちの周りを4色のタイヤが回り出し、私たちはハシレンジャーへとチェンジした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ