表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦隊ピンクは素直でいたい〜頼むから私に振り向いてくれ〜  作者: 仮面大将G


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/39

第28話 そわそわの2人

 橋田と栞のお見合いが終わった翌日——。私は橋田の隣でいつものようにパソコンのキーボードを叩いていた。栞の『お姉ちゃんをよろしくね』発言があったから、今朝出社するまでは私もかなり緊張していたが、橋田はどうやら私より重症のようだ。やけにそわそわしながら、チラチラと私の顔を見てくる。


 栞の発言で私のことを意識してくれたのか……? だとしたら栞、グッジョブすぎるぞ! 

 ……でも私はどう接したらいいんだ? 異性として意識されてしまったら、逆にどうしていいか分からなくなったぞ。でもとりあえず、私は平静を装っているのがいいんだろうなあ。本音は今すぐにでも橋田に告白したいが、橋田はまだ私を少し意識し始めたぐらいの段階。そんなことをしたら間違い無く引かれてしまう。

 よし、ここはやはり、いつも通りに接してみよう!


「どうした橋田? さっきから全然進んでないじゃないか。進まないと言えば、私は電車の中を進行方向とは逆向きに走るのが好きでな」


「何が目的なんですかそれは! 相対的に自分がいる位置は進んでないかもしれないですけど!」


「車掌と目が合う時はちょっとだけ気まずいな」

 

「一番後ろの車両まで行ってるじゃないですか! 車内を駆け抜けないでもらえます!?」


「最近は側宙で車両を跳び回るのが好きだぞ」


「めちゃくちゃなことしますね!? 非常停止ボタン押されますよそんなことしてたら!」


「どうだ? 橋田も好きか?」


「……え? あ、ああ、そんなわけないじゃないですか! 俺は電車で暴れません!」


 ん? なんで今橋田は戸惑ったんだ? ……あ、私が『橋田も好きか?』と聞いたからか……。そういう意味じゃなかったんだが、今思うとかなりギリギリの聞き方をしてないか!? 私、やらかしてないか!? なんか思わせぶりな上司みたいになってるじゃないか!


 ……いやいや落ち着け。私の発言に他意が無いことは、橋田自身がよく分かっているはずだ。私はあくまで上司として橋田と接しなければならないんだぞ! 

 ……でも流石にこんな明らさまな反応をされたらつつきたくなるな。もう少しつついてみよう。


「具合でも悪いのか橋田? ツッコミの間が悪かった気がするが」


「い、いえ。体調は問題ありません。少し戸惑ってしまっただけで……」


「橋田が戸惑うなんて珍しいな。カモノハシが筆ペンで換気扇を描くぐらい珍しいぞ」


「そんなやつ人間でもいませんよ!? いつどんな時に換気扇を描こうと思うんですか!」


「うーん、ツッコミは正常か。さっきのがたまたま戸惑うような発言だったのか? 本当に体調は大丈夫なのか? 熱があるか測ってやろう。ほら、おでこを出せ。私が肘で測ってやる」


「普通手でしょう!? 肘でそんな正確に温度が分かりますか!?」


 橋田のツッコミはいつも通りだが、明らかに顔が赤い。本当に私を意識してくれてるんだな……。栞の一言でここまで状況が変わるとは……。栞のやつめ、さては恋愛上級者だな?


 そんなことを考えていると、橋田のハシレチェンジャーに通信が入った。司令だな?


「碧、ワシや! あの日あの時あの場所で同じ星空を見たあの子や!」


「誰だそれは! 情報が曖昧すぎて特定できないぞ!」


「ああすまんすまん間違えた。ハシレイや!」


「分かってる! 早く用を言え!」


 すごいな司令は。怪人が出ただろうにこのボケよう。この平静さは私も見習わないとな。


「ホーテーソク団の怪人や! 紅希と黄花はもう向かっとる!」


「分かった! 場所はどこだ?」


「今送るで! ちょうどセールがやってるふんどし専門店の位置情報や!」


「そんな情報かなぐり捨てろ! 怪人の場所を送れ!」


「ああすまんすまん。ついな、最近ふんどしにハマってるんや。ちょっと小一時間ふんどしについて発祥や歴史、変遷も含めて詳細に語ってええか?」


「いいわけあるか! この状況でだらだらするなお前は!」


「しゃーないな、怪人倒したら聞いてくれや。ほんで碧、今桃子ちゃんも一緒か?」


「ああ。一緒に向かうことも可能だ」


「よっしゃ! なら2人で向かってくれ! 桃子ちゃんのチェンジャーにも位置情報を送っとくからな!」


「頼んだ!」


 ……あ、そうか。私も今はハシレンジャーなんだった。なら司令も、私にも通信してくれたっていいじゃないか! まあでも、橋田に通信してから私に通信した方が話が早いのは分かる。ツッコんでくれるからな。それに、橋田が会社にいるなら私も一緒にいる可能性がある。合理的な考え方だな。私の感情は置いておいて。


 橋田は椅子にかけたジャケットを羽織り始める。同時に、私のチェンジャーにも位置情報が送られてきた。


「部長、ホーテーソク団です! 行きましょう!」


「了解だ! 司令から位置情報が送られてきてるな。おお! このふんどし専門店は私も興味が……」


「ふんどしはどうでもいいんです! 早く怪人のところに行きますよ!」


「ふんどしを雑に扱うなよ橋田。君だってふんどしを履いて人前で踊ることぐらいあるだろう?」


「無いです! 絶対に無いです! ああもうそっちじゃないです!」


 通信が私に直接来なかったのは複雑だが、それでも橋田と一緒に出動できる仲間になれたのは嬉しいことだ。こうやって橋田と肩を並べて走っている事実に、感動すら覚える。よし、このままとりあえず怪人を倒していって、ハシレンジャーの仲間の信頼を勝ち取りつつ、橋田の気持ちもゲットしてやるぞ! 覚悟してろよ、橋田! ……あと怪人!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ