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戦隊ピンクは素直でいたい〜頼むから私に振り向いてくれ〜  作者: 仮面大将G


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第16話 通勤トレーニング

 基地で司令から聞いたが、ハシレンジャーがホーテーソク団の幹部を1人倒したらしい。もうそんな段階までハシレンジャーの物語は進んでいるのか……。普通の戦隊ものなら、そろそろ追加戦士が出て来るところじゃないか!

 これは私もうかうかしてられないぞ! 追加戦士に今1番近いのは、他でも無い私だ! いつ追加戦士になってもいいように、今のうちにトレーニングしておかなくてはな! よし、今日から通勤でトレーニングしよう。


 そう決めた私は手にハイヒールを履き、足に缶ぽっくりを履いて逆立ちで会社に向かった。


「むう……。流石にこれはきついな。足に履いた缶ぽっくりのバランスを保つのが無駄に難しい」


 苦戦しながら歩いていると、後ろから大きな声が聞こえてくる。


「……何してるんですか鳥羽部長!?」


「おお橋田! おはよう! 今日もいい朝だな!」


「今この瞬間いい朝から意味不明の朝に変わりましたよ! だから何してるんですかって!」


「何って通勤じゃないか。2つの缶だ」


「じゃあツー缶じゃないですか! なんか飲んで来ました!?」


「いや、よく見ろ。足には缶ぽっくりを履いているぞ」


「ああそのツー缶だったんですね。納得……しませんが!? 何してるんですか!」


 橋田には理解できないだろうな。元々戦隊のメンバーなんだから。でも私はこれぐらいしないと、ハシレンジャーに加入する覚悟を見せられないんだ! 絶対に加入して見せるぞ!

 でもせっかく橋田と一緒に通勤できるんだ。世間話でもしながら行こう。


「しかし爽やかな朝だな。こんな朝には肉うどん(特盛)でも食べたくなるな!」


「なんでそんな暑苦しいものを……じゃなくて! 俺はずっとなんで逆立ちしてるのかを聞いてるんです!」


「ああ! なんだそんなことか! 私が今日ポニーテールにして来たことを聞いてるのかと」


「逆立ちなんでポニーテールかどうか気づかなかったです! で、なんで逆立ちしてるんですか!」


「これはトレーニングだ! 私も早く君たちの仲間になりたいからな!」


 それを聞くと、橋田は呆れたような顔になる。まだ言ってるのかとか思ってるんだろうな。でも私は本気だ! 今ハシレンジャーに加入するとしたら、私しかいないからな!

 そうだ、橋田にも私のハシレンジャーへの熱意を語っておこう。


「私は子どもの頃からヒーロー番組が大好きでな。特に戦隊のピンクに憧れたものだ! 女の子でもヒーローになれる。そんな姿が格好良くて、私もヒーローになりたい、そう思ったんだ! ところで今度有給を使って徳島に行くんだが観光スポットを知らないか?」


「知らないです! 自分で調べてください! せっかくいい話かと思ったのに!」


「徳島と言えばトマト祭りだな! 互いに熟したトマトを投げつけ合う! 最高の祭りだ!」


「徳島のことスペインだと思ってます!?」


「それで徳島は」


「徳島はどうでもいいんです! 部長がハシレンジャーになりたいとかそういう話だったでしょう!?」


「ああそんな話をしたこともあったな。今となっては昔話だが」


「今玉手箱開けました!?」


 また私はどうでもいい話を……。結局橋田に私のハシレンジャーへの熱意が伝わってないじゃないか!

 ダメだダメだ、1回話を変えよう。


「ところで橋田、ホーテーソク団の幹部を倒したらしいな! おめでとう! コンプレックスネーションだ!」


「コングラッチュレーションでしょう! なんですかその劣等感の国家は!」


「それは多分あれだ、みんな背が低すぎて困ってるんだろう。平均身長が1.9mmだ」


「パスタの直径みたいな身長! 小さすぎるでしょう!?」


「大体7分で茹で上がるぞ」


「じゃあパスタじゃないですか! ……いやどうでもいいんですよその話は! 何回話を逸らすんですか!」


「警察の取り調べではカツ丼が出てくるイメージだが、パスタが出て来てもいいと思うのは私だけか? ああ警察といえばケイブマンを倒したんだったな」


「話がターンして戻って来た! 荒業ですね!?」


「で、どうだ? 幹部を倒した感想は?」


 橋田は幹部を倒した時のことを思い出すように、少し遠くを見る。大変だったんだろうな……。そんな思いをしている橋田とハシレンジャーたちに、少しでも力を貸してあげたいが……。

 橋田は少し考えてから、再び口を開く。


「そうですね、まあ晴れ晴れとした気分ではありました。あいつ紅希を執拗に狙ってて、2回も洗脳してきたので、やり返せて気持ち良かったですね」


「そうだな。大野さんと小野さんはローマ字で書くと見分けがつかないな」


「話聞いてました!?」


「大は小を兼ねると言うから、もう全国の小野さんは大野さんになればいいのに」


「むちゃくちゃ言いますね!? 暴論すぎてびっくりしますよ!」


「ところで橋田、喉が乾かないか? 今日は何故かやけに汗をかくんだ」


「逆立ちしてるからでしょう!? 俺は特に喉は乾いてません!」


「お、ちょうどあそこに自販機があるぞ。水ゼリーでも買うか」


「本当に喉潤いますかそれ!?」


 私は自販機で水ゼリーを買い、逆立ちのまま飲み干す。うっぷ……。これはやばいぞ。リバースしそうだ。でも会社まであと少し! このまま歩き切るぞ!


 結局私はなんとか会社まで逆立ちで歩き切ったが、会社に着いた途端に橋田が私の足を持ってひっくり返し、ヒールが履かされた。そのまま橋田は缶ぽっくりを投げ捨ててしまう。ああ! 不法投棄だぞ!

 うっ……。さっきの水ゼリーが逆流してきた……。もう、ダメだ……。


 リバースした水ゼリーは橋田が綺麗に掃除してくれた。何事も無かったかのようにオフィスに入る橋田は、当たり前みたいに業務を始める。

 うう……とんでもない姿を見せてしまった……。橋田、私のことを嫌いになったかな? 何か好感度的に大逆転できるきっかけは無いだろうか……。

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