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戦隊ピンクは素直でいたい〜頼むから私に振り向いてくれ〜  作者: 仮面大将G


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第10話 ミッション

 司令と2人で取り残された私は、何故か司令が出してきた熱いお茶を啜っていた。


「桃子ちゃんやっけな? 碧の上司なんやってな。どや? 普段の碧は?」


 普通に雑談してくれるんだな。関西弁の時点で薄々察してはいたが、かなり気さくな人物みたいだな。


「橋田は真面目に仕事をしてくれてるぞ! もちろんツッコミの方もな!」


「あいつは職場でもツッコミ役なんか。大変なやっちゃなあ。まあでも、自分みたいな気さくな人が碧の上司でなんか安心したわ」


「それは私のセリフだ! 戦隊の司令官と言うからどんな人かと思っていたら、気さくなおじさんで安心したぞ!」


「しかしあれやな、碧も罪な男やなあ。こんなべっぴんさんに惚れられてんのに、何にも気付かへんねんもんな」


「なっ……!?」


 なんで私が橋田のことを好きなのがバレてるんだ!? 司令とは初対面。バレる要素なんて無かったはずだが……。


「お、なんでバレとるんやって顔しとるな。そんなもん見たら分かるで。桃子ちゃんの碧を見る目が、どう見ても恋する乙女のもんやったからな。まるでホストを見る姫みたいや」


「他の例えであって欲しかったぞ! なんで司令の例えは全部夜の街なんだ!?」


「まあワシは応援しとるでな。しっかり碧の心臓を射止めるんやで」


「ハートって言ってくれないか!? 心臓を射止めたらそれはもう合戦だ!」


 司令に橋田のことが好きなのが即バレするなんて……。私史上最大の不覚だ! 恥ずかしい……。でも司令は私を応援してくれるらしいからな! 味方ができたと思っておこう! うん! なら心強い! ポジティブポジティブ!


 私のテンションが大きく上下するのを気にもせず、お茶を啜りながらモニターでハシレンジャーの戦いを見ていた司令は、バイザー越しに覗く目を鋭くしていた。


「マズいな……。ハシレンジャーがピンチになっとる。あのトレーナーマンとかいう怪人、相手を従わせる能力を持ってるみたいやな」


「なんだって!? 何か、何かできないのか!?」


「せやなあ……。あ、そう言えばさっき飲んでたエナジードリンクみたいなん、あれなんや? なんかえらいみんな元気になっとったけど」


「ああ、あれは私が我が社の広告を撮影するために発注したものだが、何故か力を漲らせる効果があるらしい」


「なるほどな……。もしかしたら使えるかもしれん。桃子ちゃん、ちょっとそれ届けに行ってもらえんか?」


 え!? 私もあの戦いの場に行けるのか!? それ自体は大歓迎だが、あんなエナジードリンクで何かが変わるとも思えない。司令は何を考えてるんだ?


「まあまあそんな戸惑わんでも。とりあえず行ってエナジードリンク届けてくれたらそれでええから。あとあれやろ、広告作る言うてたやろ? ハシレンジャーがエナジードリンク飲むとこ撮って来てもええで」


「本当か! なら行こうじゃないか!」


「よっしゃ、ほな今からハシレンジャーがおる水族館に送るから、エナジードリンク人数分持ってくれや!」


 私はエナジードリンクを3本手に取り、司令の前に立つ。すると司令はハシレンジャーが持っていたのと同じような変身用のブレスレットを取り出し、私の方へ向ける。


「これで虹色の空間を発生させられる。虹色の空間を抜けたら水族館に着いとるはずやから、すぐハシレンジャーにエナジードリンクを渡してくれ!」


「氷塊! 間違えた了解だ!」


「ほな、送るで!」


 司令がそう言うと、私の周りは虹色の空間に包まれる。ここを走って行けばいいんだな? なんか、1人で虹色の空間にいるとワクワクするな。


 エナジードリンクを抱えて走ると、すぐに虹色の空間を抜け、青暗い水族館の中に出た。少し先で戦っているハシレンジャーの姿が見える。

 私はハシレンジャーにエナジードリンクを届けるため、水族館の中を走り出し、叫ぶ。


「ハシレンジャー! これを使えー!」


 一斉に私の方を振り向くハシレンジャー。そりゃ驚くだろうな。いきなり28歳の会社員が走って来たんだから。だが私にはミッションがある! このエナジードリンクを彼らに届けるんだ!


 困惑するハシレンジャーたちに向かってエナジードリンクを差し出しながら、私は声をかけた。


「待たせたな、ハシレンジャー!」


「……鳥羽部長!? 何してるんですか! 危険です!」


「ハシレンジャーのピンチを黙って見てられるわけがないだろ! さあ、エナジードリンクを持って来たから飲め!」


「エナジードリンクならさっき飲みましたが……。追加で飲むと何か起こるんですか?」


「ああ! トイレに行きたくなるぞ!」


「じゃあダメじゃないですか! この格好でトイレに行きたくなるのは困ります!」


 しまった、ハシレンジャーのピンチに駆け付けるという夢のようなシチュエーションにテンションが上がって、また変なことを言ってしまった! まあでもいいか。テンションは高い方がいい。


 するとハシレッドが私の差し出したエナジードリンクの方に顔を向けた。


「おー! さっきのエナジードリンクじゃんか! 俺1本もーらい!」


「あ! 待てレッド! それを飲むとただ利尿作用が……」


 橋田が変身したハシレブルーが頭を抱える。ハシレッドはどうやってかヘルメットの口の部分からゴクゴクとエナジードリンクを飲んでいる。あれはどういう仕組みなんだ? まあヒーローだからな! そんなものだろ!


 私は腕を組んで、ハシレッドがエナジードリンクを飲み干すのを見守った。エナジードリンクを飲み切ったハシレッドを見て、ハシレブルーこと橋田は天を仰ぐ。


 さあ、利尿作用とパワーアップ、どっちの効果が大きいんだ! 私にその力を見せてくれ!

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