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異世界ハーレムは義務です~0からはじめる建国物語~  作者: 碧い月


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ナーガの少女

「プハッー。も〜、中までぐっしょぐしょだょ〜、なんなの〜。あれ〜、あなた達はだぁれ~?」


 湖面に姿を現した水龍………もとい、竜のような尾を持つ一人の少女が、語尾の伸びた間の抜けた声で問いかける。


「そっちこそ誰よ」


「え〜、私はクライ=シュ=ルーナ、見ての通りナーガだよ。ルーナって呼んでね~」


 ルーナと名乗るナーガの少女は、その長い尾を器用に動かし、湖面に波紋を広げていく。


「こんにちは、ルーナ。ここで何をしてたの?」


「とうみん~。寒くなってきたから、地下のふかふか暖かなお家での〜んびり暮らしてたら、いきなりグラグラ〜って大地震があったの~。そしたら、天井が割れて私の楽園は一瞬にして崩壊〜。こわかったよ~、やんなっちゃうよね~。…………………あれ〜、今ちょっと不味いな~って顔してたよね~??まさか、貴方達が犯人~??」


「んっ、圧倒的無罪」


「リオ、こっちが迷惑かけてるんだから、嘘は良くないよ。ごめんね、ボクはミナト。この辺りを治めることになった国王………らしい」


 国王を自称しながらも、なお自信なさげな奇妙な態度に興味を惹かれたのか、湖を泳ぎながら遠巻きにこちらを観察していたルーナが岸に身を寄せ、ミナトの顔を覗きこむ。


「国王らしいって言う人はじめて見たかも〜。人自体はじめて見るんだけどね〜。それで、このハチャメチャナな状況、ミナトっちが犯人なの〜?大悪党??キリングマシーン???」


「い、いや、誤解というか。その………ごめんなさい」


 ミナトが全てを諦めたかのように、深々と頭を下げる。


「認めたから犯人だ~。でも謝ったってくれたってことは良い人なの~?私をメチャクチャにした責任もとってくれたりする~??」


「人聞きが悪いんだけど!!」


「冗談〜。でも危うく死ぬとこだったのもホントかも~。プレスされて薄焼きパンになるとこだったよ〜。お家も潰れちゃったし、弁償的な〜?身体で払う的な~??よくよく見たら、ミナトっち若いし可愛いし、美味しそうだし、とっても食べ応えありそう~」


 舌をチロチロと出しながら、ルーナがミナトに手を伸ばす。

 穏やかな表情とは異なり、尾は激しく水面を掻き、今にも水中から飛び出しミナトの細い身体に巻きつかんとするような不穏さを醸し出していた。


「この国はミナトのもの。どうしようがミナトの自由。そっちこそ不法入国。不当逮捕案件」


「自分で不当って言ってるじゃない」


「むぅ〜、逮捕はやだ〜………ところで、逮捕ってなに〜?」


「なんかイマイチ緊張感のないナーガだな、調子狂うぜ」


「よく言われる〜」


 ルーナは自身がナーガだと示すためか、全身を岸に上げ、上半身の数倍はあろうかという長さの蛇状の下半身を器用に丸めた。


「んっ、爬虫類だし、ギリ水龍カウント。討伐して神話の添え物にする」


「水龍でもないし、討伐もダメだからね!!」


「しっかし、この辺りにナーガが住んでるなんて話、聞いたことないぜ?だいたい、森に部族単位で住んでるはずのナーガが、なんで一人でここに、しかも地下なんかにいるんだ??」


「えーっとね、ちょっと前に角の生えてる肌の色が悪いイカつめな輩系男子が、いきなり森に大量発生したから、逃げてきたの〜。私は元から一族でも変わり者だし、独り身で身軽だから、誰にも止められなかったけど、それはそれで寂しかったよ~。それでね~、久しぶりに森を出て、ず~っと草の上をウネウネウネウネ歩いてたら、疲れちゃって、冬眠しよっかな〜って。知ってる〜?この辺の土ってやわらかいんだよ〜。掘ってるとドンドン進めちゃうから、楽しくなっちゃって、ちょうど良いとこに空洞あったから寝てたんだけど、まさかの雨漏り〜。晴天の霹靂ってやつだよね~。あれ?意味違うかな~」


 ルーナは状況を再現しているつもりなのか、仰向けのまま岸辺を滑るように移動しては、一人一人の顔を確認していく。

 のんびりした口調とは正反対な機敏な動きと、上半身が固定されたまま下半身だけで動いているという奇怪さ、そして真下から見上げられるという滅多にない状況に、一同はルーナと目が合う度に笑いを堪えるのに必死になっている。


「ブハハハハッ!!面白れえから、そのウネウネやめてくれっ!!それにしても、行き当たりばったりにも程があんだろ」


「計画性皆無。私を見習うべき」


「シンパシー感じるとこじゃないの?」


「ね〜、ミナトっちは王様なんだよね〜?」


「うん、一応」


「お金持ち〜?」


 ミナトの脳裏にシャルロッテから受け取った財貨がよぎる。


「国のお金だから自由に使えるわけじゃないけど、なくはないかな………」


「良かった〜、じゃあ雇って〜。冬眠終わったらどうやってご飯食べようかなって、心配してたんだよね〜。なんでもするよ〜。まさか、私のお家壊したのに、ダメとか言わないよね〜」


 ルーナはミナトの側に近づくと、長く太くしなやかな尾を絡ませる。

 その顔には穏やかな笑みが浮かんでいるが、薄く冷たい鱗の内側に隠された強靭な筋繊維はミナトの細い肢体を容赦なく絡め取り、蛇としての本能は万力のような力で獲物を締め上げ、その度にミナトの骨が軋みを上げた。

面白かった、これからも読みたい、AI先生による絵が可愛いと思った方は是非、☆評価、ブックマーク、感想等をお願いいたします!!

基本毎日投稿する予定ですので、完結までお付き合い頂ければ幸いです。


ルーナの画像は明後日辺りにあげます!!(多分)

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