スノーアゲイン⭐︎ワンナイトキャッスル
墨俣一夜城を知ってる人間がどれだけいるのかという事を自分自身に問いかけながら命名しました。
多分認知度的には日本人の9割は知ってると思います!!
「この城の名は………」
「城の名は?」
「………キャッスル」
「えっ、ミナト、今なんて?」
「『スノーアゲイン⭐︎ワンナイトキャッスル』それがアルベラが作り上げた城の名です!!」
「「「「「ダッ…………!!!!!」」」」」
アルベラを始めとする仲間達の心が一つとなり、同じタイミングで、同じ言葉を発しようとし、同じ思いをもって脳裏に浮かんだその単語を飲み込んだ。
「ラブホ、どう取り繕ってもラブホの名前」
「どうして、この段階になって城を作ったのがアタシ個人の責任になったの!?発注者はミナトでしょ!!」
悲痛な叫びが丘の上で輝く『スノーアゲイン⭐︎ワンナイトキャッスル』に反響し、『覇王都NOBUNAGA』中に響き渡る。
「アルベラ、遠慮しないで。ボクじゃ辿り着けなかった答えを形にしてくれたのは、アルベラなんだ。だから『スノーアゲイン⭐︎ワンナイトキャッスル』はアルベラの名前と共に永遠にシンギフ史に語り継ぐよ」
「語り継がないで貰える!?抹消して、記録からも記憶からも!!!今すぐに!!!!」
必死に声を張り上げるアルベラの隣で、ルーナは今日という記念すべき日の出来事を、シンギフ王国史に刻み込むべく忙しく手を動かす。
「そんな拒否することもないじゃない、ワンナイトさん………………ぷっ」
エルムはアルベラを見つめながら懸命に笑いを堪え、周囲も耐えきれなくなったのか顔を逸らし口元を抑える。
「どうやら口を縫い合わされたいみたいね」
「そう、気にすることない、良い名前だと思うキャッスル。流石アルベラだキャッスル」
「その語尾は貴方も辛くない?」
「私は良い名前だと思うよ、アルベラにピッタリで」
「ポジティブにディスるのやめて貰える!?」
「え〜、可愛い名前じゃ〜ん、もし私に子どもが産まれたら同じ名前にしたい〜」
「生まれたての赤ん坊に対する虐待は良くないと思うわよ!?」
「スノースノースノー、なんか3回繰り返すと楽しくなってくるぞ!!」
「………良かったわ、お役に立てて」
「まっ、城も名前もお前のもんだ、自信を持ちな」
「それが嫌だって言ってるんだけど!?」
「ふっ、『スノーアゲイン⭐︎ワンナイトキャッスル』良い名じゃない。雪のように消えるが、何度でも蘇る。まるで人の想いだ」
「んっ、まさかの好感触。類友」
エランは空中に浮かぶが如く視界の中心に光り輝く氷の城に向け手を伸ばすと、反射する光の粒を掴むかのように手を握り締める。
「ダンケ。今日は楽しかったじゃない。いい土産話が出来たよ」
「いえ、ボクもエランさんのおかげで自分達にとって、シンギフ王国にとってなにが一番大切なのか、思い出すことが出来ました」
「労働環境と部下のメンタルケアね」
ミナトはアルベラの言葉を歯牙にかけることなく、エランに手を差し出すと、固く握手を交わす。
「ミナト陛下、また会おう。今度会う時は負けないじゃない」
「陛下は不要です、ミナトと呼んでください」
「器の大きさでも完敗か………ミナト、またいつか!!」
エランはそう言うと馬に跨り、後ろにテオを乗せる。
少しずつ遠くなっていくエランの姿を、ミナトはいつまでも見つめていた。
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