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異世界ハーレムは義務です~0からはじめる建国物語~  作者: 碧い月


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ゴッドスライム

「ミナト様、死なないでください!!」


「ダメダメダメ、このままじゃ私が殺したことになるだろ〜!!お願いだから生き返ってよ〜!!」


 ミナトの腹部を正拳突きを思わせるアルシェの心臓マッサージが襲う。


「グハァ!!…………アル………シェ………もう………大丈………」


「ミナト様!!理想の国を作るんですよね!!こんな所で夢を諦めて良いのですか!?」


 ミナトの微かな呼びかけはアルシェの絶叫により掻き消される。

 刹那、全体重を乗せた一撃が腹部を貫くとミナトの意識は再び寸断され、身体は力なく横たわり、それが一層アルシェの焦りを生み蘇生の為の献身的な行動はますます過激さを増していく。


「ね〜、あれ、わざと〜?さっきのお仕置き的な〜??」


「んっ、恐らく素。ただそろそろ止めないと、ミナトが本格的に旅立つ可能性がある」


「だよね〜………じゃあ、止めてくるよ〜」






「目が覚めた〜?私が誰だかわかる〜??」


「………ルーナ?そうだ、ボクはスライムに襲われて、その後アルシェにも襲われて………あれ、アルシェは??」


「スープ温めてるよ〜。お〜い、みんな〜、ミナトっち起きたよ〜」


 焚き木の脇で幾重にも積まれた毛布の上に寝かされていたミナトは、まだ酸素が行き渡っていない手足をなんとか動かし身体を起こす。


「ミナト様………どうして毎回無茶なさるんですか、あまり心配させないで下さい」


「そうそうそう、危うく殺人犯になるとこだったろ、湖に潜るときは用心しろよな〜」


「ゴメンね、アルシェ。今回はあんまり無茶してるつもりは無かったんだけど………それで、ちょっとだけ気になるんだけど、この子は誰かな??」


 ミナトはあまりに自然に会話に入る謎の少女を見上げる。


「ミナト様、あれだけの事をしておいて、初めて会ったていを装うのは、無礼を通り越して最早犯罪では?」


「そ〜だよ、クーちゃん可愛いから気持ちは分かるけど、もう少し自分を抑えたほうがいいと思うな〜」


「んっ、ミナトレベルになると、水中だろうが空中だろうが抱きたいと思えばそこがベット。油断したクーが悪い」


「………勘違いさせた私が悪いとこもあったし、今回は犬に噛まれたと思って忘れるよ」


「いや、なんでボクが悪い流れになってるの!?っていうか、誰なの!!??」


「ふっふっふっ、聞いて驚け、私はゴッドスライムのクームフェルドだよ!!クーちゃんって呼んでね」


「ゴッドスライム!?………ってなに??」


 ミナトの頭上に特大のクエスチョンマークが浮かぶ。

 アルシェがミナトが気を失っている間の出来事について端的に伝えると、ミナトは首を捻り、捻り、捻り、首が折れそうな角度になった所で口を開いた。


「クーは特殊なスライムで、一人で暮らしてるって事でいいのかな」


「ちょっとちょっとちょっと、一人を強調されると寂しい奴だと思われるだろ!?………実際寂しいよ、バカ、ずっと一人だったんだから!!ちなみに、いまは話してくれる人が多くて凄い楽しいぞ!!」


「情緒不安定か」


「孤独は辛いです」


「私もずっと一人は嫌かな〜」


「………じゃあさ、ボク達の国に来ない?国って言ってもまだ村みたいなものだけど、湖に一人でいるよりは楽しいと思うよ」


「えっえっえっ、いいのか?こんなプルプルしたの来たら、みんな嫌がるだろ??刃物で切り刻んだり、火で焼いたり、塩を塗りこんで天日干ししてツルッと啜ろうとするんじゃないのか!?」


「人に対する偏見凄くない!?しないからね、そんな野蛮なこと!!ねぇ、みんな」


 ミナトが秒で返ってくるであろう相槌を求めると、3人は一斉に視線を逸らした。


「するの!?切ったり焼いたり啜ったりしようとしたの!!??………大丈夫だよ、安心してクー。たまに変な冗談を言ったり、ちょっと強面こわもてだったり、少しだけ口が悪い子もいるけど、きっと友達になれると思うよ………多分」


「いやいやいや、そこは自信持てよぉ!!うぅっ、不安すぎる………」


「んっ、私達を信じて。クーはシンギフ王国にとって無くてはならない大切な存在。何があっても絶対に連れ帰りたい」


「そんなに私のことを?でもでもでも、どうしてそこまで………」


「あっ、リオ、続きはボクから話しておくから今日の所は………」


 ミナトの制止を当たり前のように無視し、リオはクーに向かって親指を立てる。


「クーはミナトの夢を叶えるのに必要」


「夢?」


「そう『目指せ酒池肉林!!やるぜボク絶倫!!全世界全種族全制覇、どすけべハーレム王国の建国だウェイ!!』を叶えるために、激レアスライム娘は超絶重要。大丈夫、希少価値が高いから大事にする。なんなら絶対逃げられないよう鉄格子に電流の流れる檻でずっと暮らす権利を与えてもいい。三食昼寝with電気ショック付。Z世代ならすぐに飛びつく超オススメ物件」


 リオが得意満面に言うと、クーはニコリと微笑み、そのまま湖に溶けるように逃亡する。


「違うから、冗談だから!!これがさっき言ってた冗談だから!!」


 湖畔に轟くミナトの叫びは、風に流され虚しく空へと消えていった。


【シンギフ王国暦元年 11月14日】


 人口=155人(うちハーレム構成員7人)

 種族=7種(人間、悪魔【六大魔公】、獣人【ハーフ】、巨人【ハーフ】、ナーガ、エルフ【純血種】、ゴッドスライム【自称】)

面白かった、これからも読みたい、AI先生による絵が可愛いと思った方は是非、☆評価、ブックマーク、感想等をお願いいたします!!

基本毎日投稿する予定ですので、完結までお付き合い頂ければ幸いです。


今日の深夜くらいにクーちゃんの画像を登場人物紹介に加えますので、そちらも是非ご覧ください!!

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