準備
俺たちは走っていた。
周りが大木に囲まれている森の中をただひたすらに走っていた。
……いや、逃げていた。
「何あの化け物」
「知らん」
とりあえず俺はさっきの化け物とエンカウントした場面を思い出した。
ボスのいる場合にのみ扉がついている。
それを開けると化け物がいた。
それだけなら何度か見たことがあるし、まぁまぁている光景だっただろう。
……ばかみたいにでかい剣がなければ……
(え、なにあれ。ドラ○エ11の覇○斬じゃん)
ほとんど天井に近いくらいの剣だった。
「……ちょっと俺近づいてきていい?」
「いやなんで」
「特徴見たらすぐに逃げるから」
そう言って俺は飛び出した。
その瞬間に殺気が俺の体を突き刺すように感じた。
(あ、これあかんやつや)
そう思った俺は、今回のスキル「限界突破」を使った。
これは簡単に言うと全基礎能力を上げるものだ。
(視力……)
これによりボスの姿がほぼ完璧に見えた。
一言で言えば甲冑を着た化け物だった。
(よし……退散するか)
その場で高速回れ右をして俺とるしあは逃げた。
……うん、意味がわからん
「これ絶対二人ですることじゃないよね」
「思っても言うな」
ただわかったことがいくつかあった。
「多分剣が長いから動きはまず遅いだろう」
「うん、私もそう思う」
「次に、恐らくだけど甲冑のしたは防御力が低いと思う」
なぜなら仮にそうでないならわざわざ重い甲冑をつける必要がないからだ。
だからこそ、やろうと思えば二人でも行けなくはない……と思った。
「そういえばるしあ、お前のスキル何だった?」
「えっとね……忍術だって」
忍術はいわゆる忍法が神業レベルで使えるようになるスキルだ。
「それなら……いけそうだな」
「お、カエデの得意なやつ来た」
「俺たちの予想した通りの情報なら行けるぞ」
俺はこういう状況判断が得意だった。
だからこそ、予想したらなんとなくのイメージが湧いてくる。
「じゃあるしあ、今回の作戦は……」
その頃、この二人の様子を近くの木の上から見下ろす人物がいることに二人は気づいていない。
「……………」
その人物は静かに笑っていた。
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