Lost Emotion

　主人公である静《しずか》は十年以上の間ずっと感情を失くしている。静にとって、世界は全てが均質で同じものに見えた。静の世界にはなにもなかった。楽しいことも、嬉しいことも、悲しいことも、悔しいことも。静もそれでいいと思っていた。
　七月某日、ちょっぴりハイテンションな静の友人である叶《かなえ》が、静に向かってこう言った。
「静の感情を取り戻しに行こうよ！」
　こうして、叶に振り回されながら静は感情を取り戻すために動き出す。その過程において改めて己の感情に向き合う静。静の主観から語られるちょっぴりファンタジーな冒険譚。

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