手紙と想い
椎名さん
この手紙があなたの元に届いたのなら、私はもう居ないんだね。
実は私は心臓病なんだ。
小さい頃から身体が弱く、みんなと一緒に外で遊べなくて悔しかった。
お医者さんは大人には完治出来ると言われていたんだ。
夢見ていたんだ。友人とスポーツする夢。親の嬉しそうな顔を作れるほど目一杯走れる夢。
でも今年の夏、症状が悪化しちゃった。
目の前が真っ暗になった。
何もかもどうでもよくなった。
親からも学校の先生からも友人からも腫れ物に触るようになった。
悲しくなった。悔しくなった。どうすれば良いのかわからなくなった。
そんな時、椎名さんとあの電車で出会ったんだ。
凄くびっくりした。
だってキャリアウーマンみたいなかっこいい女性が列車とホームの隙間に
足が挟まって泣きそうな顔していたから。
他の人に助けを呼べばよかったと思うけど勝手に身体が動いてた。
そこからは私にとって金平糖の様に甘くてあっという間な毎日だった。
一緒に食べたアイスが美味しかった。
一緒に選んでもらった服が嬉しかった。
夕方からのLINEがうきうきしてた。
ありがとう。
私の憧れの生活を一緒に送ってくれてありがとう。
椎名さん、私はあなたのことが好きです。
いつも私に輝きをくれたあなたが好きです。
笑う時、口を手で覆うあなたが好きです。
一緒に帰る時、私の嘘の話を笑顔で聞いてくれるあなたが好きです。
あなたが大好きです。
ありがとう。さよなら。
司