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月曜日とお菓子

いつもの朝の支度をしながら外を見る。

寝起きにはとても日差しが強い。


玄関に置いてたお菓子を片手に出勤した。





















帰りの電車に揺られながら、バックの持ち手を握りしめる。


今日は一段と疲れたなー。

なんで定時前に業務を押し付けるかなー…。

今日は豚しゃぶにして寝よ。


もやもやする気持ちを抱えて、電車から降りる。

改札口をくぐると、見覚えのある体操服の恰好した少年がいた。

重かった足がふわっと軽く感じた。

早歩きで少年の近くまで行った。


「こんばんは。」


声をかけてみると少年は背景にコスモスが咲いた様な眩しい笑顔で答えてくれた。


「こんばんは。待ってた。」


待ってた?


「何か用事があった?」

「うん!椎名さんに用があるの!一緒に帰ろうと思って」


びっくりした。

まるで学校帰りに一緒にアイス屋さんに寄ろうという様に言ってくるもんだから。

前から友人だったような扱いをしてくるもんだから。

この前会ったばかりの他人になんでこんなに懐いてくれるんだろう。


驚いて少し固まっている隙に当たり前のように隣にきた。


「え、あの、「早く帰りましょう。椎名さん。」あ、はい。」


有無を言わせない状況だ。

隣を見ると小学生のような笑みで歩いてる司君。

私の歩幅に合わせてくれる。


「司君、忘れると思うから先に渡しておくね。先日はありがとう。」


照れくさく感じつつも、お菓子の袋を渡す。

俯きながら渡したから顔が見れなかった。


「…ありがとう」


チラッと上を向いてみる。

驚いた。

少し泣きそうな顔をしていた。


「…椎名さん、明日も一緒に帰っても良い?」

「え」

「あ、そうか、ごめんね。連絡先知らないのに一緒に帰るとか困るよね。

これ、私のLINE」


そう言って彼はバーコードがのってるスマホを向けてくれた。

ぐいぐいくる彼におされて思わず登録した。

チラッと上を見ると少年みたいないたずらっ子な顔をしていた。

コロコロ変わる彼の顔を見るのがとても楽しい。


気づいたら私の家の前に着いた。


「椎名さん、また明日」


これでもかってぐらい右手をブンブン振ってくれる。

私も嬉しくなって応えるように手を振り返した。


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