いつもの休日と少しのわくわく
カーテンの隙間からの日差しが顔に差し掛かり眩しさで起きた。
顔を洗いに行くと雑に置かれたピアスが1個洗面所に置かれていた。
昨日はくたくたになって帰ったからきっと装飾品や服を適当に置いたのだろう。
片方は何処だろ…
片方のピアスを探しながら適当に置かれた服やバックを片付けていく。
昨日使ったバックの中を覗くと片方のピアスが底に入っていた。
ふと横にある名刺入れが目に入る。
昨日の少年、司君のことを思い出した。
見ず知らずの私に助けてくれてとても優しかったな。
お礼の品に何かお菓子とか渡さなきゃなー。
片づけが終わると朝の支度をしながら今日の予定を考える。
よし!ばっちり!
いつもより少し濃い目な好みのメイクをして気合を入れる。
少し高いヒールを履いて、部屋から出た。
外は朝でも容赦なく日差しが降りかかる。
暑いせいか自然と歩く速度が速くなってしまう。
あー涼しい…。
最寄りの駅にある百貨店の入り口に入るとひんやりとした空気が身体を冷やしてくれる。
地下1階の地図へ移動し、お礼の品のお菓子について考える。
何が良いだろ?
やっぱり無難にクッキーとか焼き菓子とかかなー。
チョコは溶けやすいし、マシュマロは好き嫌い分かれそうだしなー。
結局買うお菓子はまとまらず、ふらふらとお菓子エリアを歩き回ることにした。
土曜日だからか平日の夜より人が多く、歩きにくい。
ワッフル… 飴… あーお菓子詰め合わせも良いかもしれないなー
目に入るお菓子を見回りながら考える。
お! これ! これにしよう!
奥に行くと先月、後輩からもらったお菓子があった。
パウンドケーキ専門店で色んなパウンドケーキが入っているパウント詰め合わせセット。
プレーン、クルミ入り、チョコ、りんごとシナモン、ラムレーズンの
5種類のパウンドケーキが入っている詰め合わせだ。
先月に食べたが、どれも美味しかった記憶がある。
特にクルミ入りのパウンドケーキ。
「すみません。 この詰め合わせセット1つ下さい。」
「はい。 3000円です。 ありがとうございました。」
会計を済ませ、包装紙に包んでもらい、パウンドケーキを受け取った。
さて、今日のミッションは終わったな。
何しようかなー。
パウンドケーキを片手にぶらぶらとお菓子エリアを見回り、エスカレーターに乗った。
特に用もなかったがよく利用しているブランドの化粧品エリアに向かった。
「中塚様。」
呼ばれた先に振り向くとお世話になってる担当のB.Aさんがいた。
「飯田さん! こんにちは!」
「いらっしゃいませ。 中塚様。」
キリっとした目で自信にある触れているような雰囲気で飯田さんは立っていた。
「本日は何かお探しでしょうか?」
「あ、いえ。 なんとなく来ました。」
申し訳ない気持ちで困った顔で笑った。
飯田さんはそんなこと気にしない素振りで
最近新発売しているアイシャドウを紹介してくれた。
「こちら、新商品のアイシャドウでございます。
どれも深みがある色で単色だけでも似合うと思います。 如何でしょうか。」
雰囲気に飲まれ、コスメカウンターへ座ってしまった。
新商品のアイシャドウを見つめて合いそうな色を探す。
その中でブラウンとオレンジを混ぜたような暗めなオレンジ色が目に留まった。
「これ、試してみたいです。」
気になった暗めなオレンジ色を試しにつけてみた。
思ったより自分の肌色に合い、綺麗に発色していた。
私は暗めなオレンジ色のアイシャドウと無くなりかけていたマスカラを購入し帰宅した。
時計を見ると針が昼の12時を回っていた。
私は残っている野菜でチャーハンを作りながら昼からのぐーたら計画を立てた。