表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/10

帰り道とアイス

脚が痛みいつも通り歩けない私に遠慮して少女はゆっくり歩いてくれる。

少し歩いた先のコンビニを見つけ、私は少女に待ってもらいコンビニに寄った。

バニラとチョコの棒アイスを持ち会計を済ませ、少女の元へ戻った。


「はい。今手元に何もないからこんなので申し訳ないけど、

 お礼として受け取ってほしい。」

「そんな大したことしてないよ!気持ちだけで十分だよ」

「んー… じゃあ2本も食べたら太っちゃうから私のダイエットの手伝いとしてお願い?」


強引過ぎたかなと不安になったが、少女は困った顔をしながら受け取ってくれた。

私達は食べながら帰り道を歩いた。


「困ったな…」


蛙の鳴き声とコンビニに群がっている虫の音のせいで私は少女の独り言を拾うことが出来なかった。


コンビニから5分後、私の家が見えてきた。

いつもより到着時間が早く感じる。


「ありがとう。 えーっと…」

「つかさ。 椎名司しいなつかさっていうの。」

「ありがとう、椎名さん。 私は中塚友里なかつかゆり

 遅くなってごめんね。 これ名刺。」


椎名さんに会社の名刺を渡す。


「椎名さんってなんだかむず痒いから司って呼んで欲しいな。」

「呼び捨てはちょっと…」

「じゃあ、司君でも良いよ!」


ん?司『君』?


私の考えが分かったかのように少女?はいたずらっ子のような顔で答えた。


「勘違いしている様に感じるけど、私は男だよ。」


ええええええ!?

男の子なの!?


よくよく見ると少年の手や骨格が男性っぽく骨張っていた。

中性的な顔と私より少し高いが男性としては低い身長、声変わり前なのだろう少し高い声域で

勝手に判断していた。


「ご、ごめんね。 司君… 私てっきり女の子かと…」

「いいよ。 よく言われるから。」


男の子と認識してもやっぱり笑う姿は綺麗と思ってしまう。


はー、こんな美少年がこの世にいるんだー。

私はラッキーだなー。


しみじみ思ってしまう。


「ところで、友里ちゃん。」


突然の名前のちゃん呼び。

なかなか呼ばれないとはいえ、美少年に言われるとドキッとしてしまう。


「この隣の一軒家が私の家なんだ。」


待って。

処理が追い付かない。


「え? なんて?」

「だから、友里ちゃんのマンションの隣の一軒家、私の家。」

「えええ! そうなの!? 偶然過ぎだね!!」


大人げなく大きい声を出してしまって、顔が熱く感じる。


「ふふ、また会えるね。」


司くんはマンションのロビーまで見送ってくれた。

ロビーから部屋までは少しの距離とエレベーターだった為、あっという間だった。

時計は20時を指していて、寝る時間にはまだだったが、

荷物を置いた瞬間ドッと眠気と疲れがのしかかってきた。

気力と気合で寝る準備をし、布団の中へ潜った。


明日は休日かー。

湿布探さないとなー。


明日のことを考えながらゆっくり深い眠りに入っていった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ