第三話
「ヒィヒィィ〜〜ィン」
元気よく走り出すお母様の馬が空に顔を上げ全速力で走っていく
負けんとばかりにローズも走って着くて行く
(ローズ…遅い………これくらいじゃお母様に怒られる…)
そう思いビクビクしながら川辺を走ってゆく
~~~10分後
「ユウア、川の中にいる金色の魚を傷つけずに引き上げなさい」
「はい、お母様。」
すぅ……と息を吸い込みゆっくりと吐く
心臓の鼓動が収まらない。だんだん早くなってゆく。けど私は
〈Aランク魔法 川辺の精霊よ〉
唱えた途端、目の前に金色の魚がテレポートしてきた
安心の溜息がでる、しかし休憩という言葉はお母様には通用しなかった
「次はあの赤色の大魚を仕留めなさい」
その後何度も繰り返した。川の魚が居なくなる程、私の魔力が枯れるほど
気がつくと目の前にはただ水が大量に流れていただけだった
魚や虫は消え、草や水草などの植物は荒れていた
しかし母の目は何一つ動かず、嬉しそうだった
私はお母様の5m程後ろの方に大きな植物が見えた
(どこかで…見た事があるような…………?)
口からヨダレを垂らし、目には燃え上がるような決意が見える
私は目をまん丸にして大きな植物を凝視した
私の目には狂いがなかった
(間違いないぞ!この植物の名前は………
人を喰らう”テルーラ”である)と。
段々とお母様には近ずき、ヨダレを垂らしてゆく
何故か私は動けなかった
お母様は金色の魚や赤色の大魚をうっとりと眺めており、テルーラの気配を感じていないみたいだ
(後…3mだ…)
私の顔は何故か笑顔に満ちていた