僕的には7○レブンのおにぎりが一番美味いと思う
あ、皆さんごきげんよう。前回は僕と原田とゆりかで、幾つかのトラブルを乗り越えて、友情を深め合っていたところ(?)に、真鍋さんが現れました。で、今に至ります。
「あの、泡沫、ちょっといいかな」
「真鍋さん?」
皆さん覚えておいでだろうか。そう、この金髪をピンク色のリボンでツインテールにしている萌え系の少女こそ、僕に軽く傷付く言葉を発した張本人、真鍋桂さんなのだ。でも、何故真鍋さんがここに?
「僕に何か用?」
「そ、そう! 原田君じゃなくて、泡沫。だから、その……」
ん? 何をモジモジしてるのかな。いつもツンツンしてるから、ちょっとだけ可愛いかも。ハッ! まさかこれが噂のツンデレか? 原田が何かを理解したみたいで、僕の肩に手を置いた。
「あぁ、じゃあ俺達は外すよ。泡沫、用が済んだら俺んち来いよ」
「あ、え?」
「どういうこと?」
ゆりかが首を傾げるけど、原田はゆりかの頭に手を乗せて微笑んだ。うわ、絵になるなぁ。
「いいから、いいから。ほら、もう出るぞ」
ゆりかを連れて歩きだした原田は、一度だけ振り返ってウィンクをした。格好いいけど、どういうつもりだろう。
「う、泡沫」
「何だい真鍋さん」
「あの、ちょっと、座ってもいいかな」
「う、うん」
な、何だこのモジモジ! 可愛いかも……っていかんいかん。
「真鍋さん? えっと、用って何」
「ああ、あの……」
「……」
「……」
緊張してる真鍋さん、可愛い。でも緊張しっぱなしってきっとキツいよな。ここはリラックスさせよう。
「何かいる?」
「え?」
「コーヒーでいいかな」
「そんな、悪いよ」
「何で。僕だよ?」
真鍋さんいつも僕を普通、普通ってバカにしてたじゃないか。
「あ、そうだよね。メガネかけてても泡沫だもんね……」
「そ。だから真鍋さんもいつも通りにしてよね。なんなら、メガネ外そうか」
「いい! ……泡沫、メガネかけてちょっとは、良くなったし?」
おっ。ツンツンしてきた。これでこそ真鍋さんだよね。
「ありがとう」
「な、何よ。ニヤニヤしてんじゃないわよ」
「ニヤニヤしてねぇよ。……で?」
用って何だ? そんなにモジモジする内容なのか?
「ああ……何の用かってことよね。うん、話すわ。泡沫にこんな事は頼みづらいんだけど」
「うんうん」
「何か、私の友達がアンタのこと好きらしいのよ」
「うんうん……え?」
「全く、アンタのどこが良いのか良くわからないんだけどね。だから、土曜と日曜デートしてあげてくれない?」
「2日?」
「そう。2人いるもの」
「ああ、成る程」
ん、ってそれ、僕モテてる?
「じゃ、良いのね?」
「いや、それはちょっと」
だって僕デートしたことないし。ああ、こういう時って、どうやって断るんだっけ? そうだ、原田を思い出せ!
「何でよ?」
「土曜と日曜は毎週、原田達と勉強会だから」
「良いじゃない、1日くらい」
「真鍋さん」
「な、何よ」
「僕、知らない子とデートできるくらい軽い男じゃないよ」
「なっ……」
僕今別に彼女欲しくないしな。それに、人間中身が大切だと思うし。元々友達ならわかりやすいけど。そう、例えば。
「真鍋さんとかならいいけどね」
「へ!?」
僕は手を振りながら席を立った。原田の真似をして、一度だけ振り返ってウィンクをする。
「これでいいよな」
でもコレが予想外に作用するなんて、このときは思っても見なかった。