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こないだはゆりかに14回殴られたなぁ

 原田は、パーティーの途中で寝てしまったから、僕とゆりかだけで後片付けをする。

「杏ちゃんはいいよ。今日の主役なんだし」

「いや、1人じゃ大変だろ」

「……」

「いじけんなよ」

「違うよ」

 未だにモジモジしているゆりかに、ちょっとドキドキしてしまう。照れ隠しに、呟いた。

「さっさとやるぞ」

 僕が洗い物をはじめる横で、ゆりかが食器を拭いて行く。洗い物が終わりに近づいたとき、それまで無言だったゆりかが、躊躇いがちに話しかけてきた。

「あのね、杏ちゃん」

「うん」

「私ね、原田君が好きって嘘ついたの」

 突然そんな話をするから、一瞬反応が遅れてしまう。

「……うん」

 ゆりかは、手に持っていた食器をコトリとシンクに置いてしまった。

「私ね、杏ちゃんが好きだよ。ずっと好きだった」

「ゆりか……」

 突然の告白にビックリ、と言うよりも、申し訳なさが募る。僕は、本当はゆりかの気持ちに気付いていたのかも知れない。そして、僕の気持ちにも。

「でも、いきなり格好良くなっちゃって、皆が杏ちゃんをそう言う目で見出して……」

 恥ずかしそうに俯くゆりかに愛しさがこみ上げてきた。そうか、どうして良いかわからずに猟奇的になっちゃってたんだな。ゆりかが頑張って伝えて来たんだ、僕もちゃんと応えなきゃ。そう思うと、自然と優しい表情になって行く。

「僕も」

「え……?」

「僕もずっとゆりかが好きだった」

「……それ、今言うのは反則だよ」

 真っ赤になって俯くゆりかの頭を撫でてやると、少し照れたような笑顔が返って来た。


 一年後―――

「ふぁ〜」

「何だ杏佑。せっかく頑張って入ったT大の入学式だろ。欠伸なんかしてるよゆうないぞ」

「済まんね、雅樹大天帝」

「だから、大天帝っての止めろよ」

「いや、正直僕……じゃね、俺もゆりかも雅樹のおかげだからな」

 大学生になるにあたって、俺は自分のことを“僕”じゃなくて、“俺”って呼ぶことにした。

「あれ、そう言えば、萩本は?」

「あー、何か入学式から風邪ひいたらしいぜ」

 ゆりかは、あれからだんだんと本来の大人しい姿へと変わって行った。

「ふぅん。しかし、大人しくなったもんだな、あの猟奇的だった萩本がさ。お前とつき合いだしてからだっけ」

「や、あれが本来の姿なんだ。突然メガネ美男子になった俺に戸惑っていただけらしい」

「おっ、そりゃ初耳。でもな、俺だって杏佑に感謝してるんだぞ」

「何を!?」

 あんまりビックリ、したから、つい大声を上げてしまい、ここは大学の門前だし、注目を浴びてしまう。

「……無意識ならなお神だな、お前。俺さ、友達が沢山いたお前が羨ましくて、憧れてたんだぜ? 多分俺だけじゃない。山咲だって、後藤だってそうだったはずだ。俺、こんなんだから、男に話しかけられるとしたら、喧嘩のとき位しかなくて。でも、お前は違った。だから、俺もちゃんと男友達がつくれたんだぜ」

 全然、知らなかった、そんなの。でも俺、やっぱり何もしてないような。

「えっと、その、何て言うか」

「ま、give-and-takeってことで。お互い様なんだ、だから、大天帝とか言うなよ」

「……うん!」

 俺と原田が大学に入ると女子からの黄色い声援が飛んでくる。でも、もうこの扱いにも慣れた。

「さぁて、もう少しメガネ美男子を楽しみますか」




はじめてましての方も、そうでない方もこんにちは。作者の紗英場です。今まで応援して下さってありがとうございました。この小説のネタは僕がまず何よりもメガネ美男子好きなこと(あっ、因みに僕とか言ってますが紗英場は女の子ですよ)から始まっております。と、言うのも、メガネ美男子は大抵メガネを外すとイマイチな方が多いんですよ。(ま、勝手な判断ですが)しかも、何かが足りない感じがしたんです。そこから、じゃあ物足りない感じの男子がメガネをかけたらメガネ美男子になるんじゃ!?と言う訳の分からぬ思考で生まれたこの泡沫杏佑と言うキャラクター。またまた僕が使いやすいと言う理由だけで僕っコにしてしまいました。あ、でも個人的には原田が一番好きでした。限りなく良い奴なのに、黒い何かが見え隠れするイケメン、最高!ゆりかについては、もう萌えとツンデレ要素をつぎ込んでつぎ込んで……あんなに可愛くない子に。あはは←現実逃避

それでは、話すとキリがないのでこの辺で。

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