1歳
間に合った...
「ロイ!ロイ!ロイはどこ!?」
「どうかなさいましたか!?サラ様!」
「ヴァルがいないの!フィーナにお店の仕事を手伝わせてみようかなと思って、ヴァルから目を離してしまったのだけど...普段ならここにいるはずなに居ないの!どうしましょう、これから商談に向かわないといけないのに!」
急いでいるのか少し焦っているサラに対し、もうロイは落ち着いてもらおうと考える。
「落ち着いてくださいませ...私が責任を持って探しておきますゆえ...サラ様は安心して商談に向かってくださいませ...」
彼を信用しているのか落ち着きをだんだんと取り戻してきた。
「わ、分かったわ。ごめんなさい取り乱して。あなたも旦那のお仕事手伝わないといけないのにごめんなさいね?」
「いえ、お気になさらず。必ず見つけますゆえ。」
と、俺が1歳になる頃には家をうろうろしていて、ついに書斎を見つけ「異国語授業じゃ!!!」などと心の中で興奮している時にこんな事があった。
今までは時間を気にして戻るようにしていたが、その日は興奮し時間のことをすっかりと忘れていた。
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サラ様が見つけられないとなるとどこにいるのでしょうか?
などと考えていると
「書斎...?」
ほんの少し開いた扉を見つけました。
中を覗いてみるとヴァル様がいらっしゃいました。
恐らく急いで探してたので見落としたのでしょう。
声をかけようとした時ある事に気が付きました。
「うぅ〜?あぁ〜?んん〜ん!(えっと?この文字は?お母さんが読んでくれた本に書いてあったから?)」
文字をなぞり同じ文字を探し発音しているように見えます。
私は夢でも見ているのでしょうか?
言葉にはなっていませんが、明らかに同じ文字を発音し、そこから調べているようにして見えます。
これは明らかにおかしいことだと思いました。
まだ一歳の子供がありえないと考えました。
だからこそ
「ヴァル様ここいらっしゃいましたか...」
すごい勢いで振り向いて、私の顔を見ると安心したような顔になりました。
気づいては多分いけないのでしょう。
私はヴァル様を抱きかかえ書斎を後にしました。
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やばい...って思ったよ。
マジで執事のロイさんに見つかった時は終わった...って思った。
いやだってさ、まず書斎にいるんだぜ?何で開けれたかって考えるだろうし...読んでた本もそうだ、明らか子供が読む本じゃなさそうだったもん。あの分厚い本何書いてあるか分からなかったけどさ。
まぁそのまま何も気にせず連れ帰ったからいたずらしてると考えたのでは?と自己解決した。
それからロイさんの目が明らかおかしいです。
こっちを見ては「ふむ...」って意味深な感じ出すし
俺がばれずに書斎についたと思っていた時なんて...
「ロイ?また見当たらないんだけど何処に居るか知らない?」
「申し訳ございません。私は先程まで書斎にて旦那様の調べ物を探しておりましたので...」
って書斎のドアの向こうから聞こえた時にはマジで終わったって思ったよ...
これ、明らかばれてますよね?
どっち?
天才って思われてる?それともなんかやばい感じって思われてる?
そんなことを考え、若いうちから胃をキリキリさせながら本を読んでいた。
まぁ、そんなことがあっても書斎に行くのをやめなかったのが悪いんだろうけど。
まぁ結果的にロイのことは気にしないことにした。
別にこちらに干渉してくるわけでもないし、何なら書斎にいる時間を長くしてくれてるから味方だと考えることにした。
それに時間ギリギリになると抱っこして連れてってくれるし。
連れってってくれる...
うん。多分なんか...なんか気づいてるね?
読んでくださりありがとうございます。
恐らく誤字、脱字、言葉足らずな部分などなどあると思います。
見つけ次第教えてもらえると助かります。