終わりと始まり
ゴールデンウイークは毎日投稿したいなぁって思ってます。
これからよろしくお願いします。
この世界で生きる意味はあるのだろうか?
いや、違うな...この世界から逃げたいと思った。
小中といじめられ、ようやく高校でつかんだ平和な日常だった。
でも高校は平和すぎた。友達もできて、部活にも熱心に取り組んで、好きな人が出来て、勉強も嫌々ながらも頑張って...
でもそれだけじゃ物足りないと思ってしまった。
今がつまらないと感じてしまった。
いじめられていた時のほうが死にたくないと生きることに必死になって、もがき苦しんで、ある意味人生が充実していた。
そう思ってしまったのは高校3年生の受験期、受験勉強を必死にしている時に思った。
だってそうだろ?勉強して大学卒業して、就職しても結局社畜になるだけだし、何か1つの分野で才能があったとしてもそれなりに金を稼ぐだけで結局社畜だ。
楽しいことなんて何一つない。
この世界で自分の存在を残すことが出来ない。
ならこの社畜製造社会から逃げ切るにはどうすればいい?
そう思いながら受験期が過ぎ一応第1志望の有名大学に入り、毎日忙しく勉強して眠りにつく当たり前となった日々を過ごしていた。
きっと、このまま一生を終えると思っていた。
『生きる意味は本当に無いのかい?』
暗闇の中から尋ねる声が聞こえた。
???
「ない、俺には才能がない、それはハッキリと分かってる。」
『才能無いなら死ねばいいのにw』
(誰だ?)
「死ぬのだけは嫌なんだよ...死なないで済むなら社畜なんて万々歳でやるくらいな」
そう、死ぬのは嫌なんだ。じゃなければいじめられていた時に死んでいたと思う。
でもできなかった。
死にたくなかった。
怖い。それ以降、眠るのが怖くなった。
あの暗闇から目が覚めないと思うと、心臓が締め付けられ、呼吸が浅くなる。
『???もういいや、ちょっと...失礼!』
恐らく脳に直接何かを突っ込まれた。
「痛テェェェェェ!!!」
痛みに抗おうとするが体が動いてる感じはしない。
だが痛覚だけはある。考えが曖昧になる。不安定な感覚。
そして、今まで忘れていた記憶全てを引き出されたような感覚になった。
『ふーん、なるほどwなるほどw理解理解!』
「...あがっ...ぐぅっ...痛い、痛すぎるぞこれ...」
『ごめんごめん。でもこれで君が考えていたことも記憶も全て理解することが出来きるから、許してね?何だったら今なら昔のこと、それこそ君が赤ん坊の時の記憶まではっきりと思い出せると思うよ?』
(確かに、3年以上も昔のことになり、美化され、昔の方がよかったなど考えられないくらい...あの苦痛だらけで、地獄のような嫌な思い出ばかり、フラッシュバックしてくる。)
人を人として見ないあの生活を。
何があっても助けてくれいない教師たちを。
何もしてないのに、何にも関わらないようにしていたからこそ、目を付けられ全てが終わったあの時を。
思い出してしまった。
苦しくなる。視界が狭くなる。
激痛とフラッシュバックによって死が近くなる感覚になる。
死にたくない。死にたくない。死にたくない。
『君が望むなら死なないようにしてあげようか?』
「...は?で...出来るのか?」
嘘だろ?人であるなら無理だ。寿命が必ず来る。
死ななくなったまま体が衰弱していくのも嫌だ。
『当たり前じゃん!まぁ当然君の脳内にあったお決まりが待ってるけどね!』
「は?」
脳内?あれは記憶を覗いたってことか?
『転生もしくは転移。』
ま、マジかよ...確かに異世界ものにはあこがれていた。
異世界の主人公達は新しい世界で生き生きとしてて、眩しくて、羨ましいと思った。
「いいのか?そうなると俺にメリットは2つになるけど?」
『いーのいーのwまぁその代わりこっちの条件飲んでもらうけど。』
「何だ?」
『まず1つ目【君を転生もしくは転移させる代わりに私を覚えておいて欲しい】
2つ目、死なないって言ったけどそれはあくまで可能性である事、この世界では100%ありえないけど向こうなら永遠に生きることが出来る可能性があると言うこと【だから君は向こうでも普通に死ぬ】
最後に3つ目【君にある物を探して欲しい】
この3つだけだ。』
「質問しても?」
『答えられる範囲なら』
「何故覚えておく必要が?」
『んー?
私はね一応53番目の神になる存在なんだ。神になるってことは信仰する人、もしくは私を知る存在が居ないといけない。でも残念ながら信者は居ないし、知ってる人も居ない。だから信者になれとは言わないからその代わり私の事を覚えておいて欲しい。』
まだ神じゃない?神でもないのにそんなこと出来るのか?
「お前を広めろってことか?」
『いや、それは別にどちらでも。結局君が永遠に生きるのなら信者が多くても少なくても関係ないから。』
関係ないのか...でも死なないならってことは死んだら消えるのか?
「了解。まぁいきなり死なない体になるとは思ってなかったからいいが、2つ目の可能性ってどのくらいだ?」
『それは君次第。まぁ、この世界で探すよりは遥かに可能性があるとだけ言っておくよ』
どのくらいだよ...可能性があるだけでも良しとすべきか?転移、転生させてくれるなら。
「3つ目の探し物って?」
『これは見つけられたらでいいんだ。これは運も絡むし探して見つかるようなものでは無い。蜂を探して欲しいんだ。』
「蜂?」
「ネガイバチ』
「なんじゃそりゃ?」
『まぁこれは頭の片隅に置いといてくれればいいよ。見つかるものでもないから。』
見つからない?見つからないのに探すのか?
「見つけられたらでいいんだよな?まぁ何となくだけど分かった。」
うん。そんなに難しいことではない?待てよ?
「そういえば、お前にメリットは?今の条件だと...1つ目しか確定したメリットがないぞ?」
『まぁ、詳しくは君の魂源にぶっ込んでおくから!』
「お、おい!やめろ!あれ馬鹿みたいに痛いんだそ!やめろ!」
容赦なく情報が入ってくる
「ギャァァァァァァァァァァァァ!!!イテェェェェェェェェェェェ!!!」
『ハイハイハイ、もうこれ以上やらないから安心してね。それで君はどっちがいい?転生?転移?』
『あれ?おーい!おーい!』
『あ?死んだ?いや...?まだ私の存在があるから生きてるのか?』
『うーんどうしよ?待ってたら多分存在消えちゃうしな...さっき手に入れた君の脳みその情報から失礼して』
恐らく情報の塊がポリゴンらしきものとして現れる
『君!転移がいい?それとも転生?』
「転生。」
『ギフト?恩恵?って言うの転生させる時に必要みたいなんだけど何か欲しいのある?』
「要らない。」
『あれ?そーなの?まぁ元から渡す気ないけど。』
「...」
『あれw?ポリゴンのくせに怒ってるw!?』
「その代わり転生先を【鍛冶屋】か【商店】か、【料理屋】の息子で姉が1人欲しい。」
『え?別にいいけど何で?』
「鍛冶屋なら武器が作れる。製造、分解の技術力を身につけることが出来る。商店なら材料が手に入るから色々と製造ができる。料理屋ならたとえ飯が不味くても材料があれば自分で美味い料理を作れる。姉が欲しいの純粋な願いだ。」
『いいけど?...転生先がファンタジー世界とは一言も言ってないよ?』
「...」
『冗談冗談!そうじゃなければお決まりなんて言わないから!』
『うん、あったよ君が望む転生先!今伝えてもいいけど...どうせ君は君の情報であって君ではないから伝えない。けどちゃんと君が望む所だよ!』
ポリゴンが消え、暗闇が次第に晴れていく
真っ白い世界へと変わり彼の魂源がゆっくりと下へと降りていく
「眩しい...って!おい!神もどき!死にたくないって言ってるのに死にかけたじゃねーか!」
『あw今起きた?もう君の転生先は決まったから新しい人生を楽しんできてね!』
どんどんと加速し下へと降りていく
「おい!馬鹿野郎!まだ俺の望む転生ストーリーとか、どの転生先がいいとか言ってねーぞ!待てって!1回顔見せろ!ぶん殴らせろ!!!」
『むーりー!そっち行けないし!あ、いざとなったら蜂の使徒を探してね!』
蜂の使徒ってお前が探せっていった蜂?探せないんじゃ???
「おい!待てよ!まだ話おわt...」
白い世界が輝きだし周りが見えなくなる
輝きが消えるとそこにはもう彼の根源はなく辺りはどんどんと暗くなってい
そこにいるであろう53番目の神の姿は見えない。
だが、
『さぁ...クソ神様共!!!ゲームを始めようか!!!』
夢の世界の主人が消えたことによって世界が消滅し始める。
その中で取り残されたものの最後の言葉が反響しながら夢の世界は閉ざされた。
読んでくださりありがとうございます。
恐らく誤字、脱字、言葉足らずな部分などなどあると思います。
見つけ次第教えてもらえると助かります。