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2話

遅れてすいません

一章は視点が分かれます。

基本的に視点主はtsした人になります。

「改めて、私がリアです。どうぞよろしく。」


その後約20分くらい寝た後リアは再び目覚めた。

そして起きた時に解放してもらった。

リアは所々身体に茨が這っており、ちくちく痛かった。

あと、絶世の美女の顔が真近にあって緊張した。

同性でもこれほどまでどきどきさせるとは・・・と微かに戦慄してしまった。

前世男だったけども。

とはいえ、前世は記憶と言うよりも情報に近い感覚なので、前世があったという自覚は薄い。


―初めまして、私はリーユです。あとこっちの子は萩です。


―私はシャリーと申します。今後ともよろしくお願いします。


「俺はリカだ。よろしく頼む。」

「私はエーナという。よろしくお願いします。」

「私はリントといいます。」


私達はそれぞれ挨拶をした。

リアは半眼でうつらうつらしつつ、頭を揺らしながら聞いて・・・いる?

おそらく聞いている。


「・・・リーユにシャリー、萩、リカ、エーナ、リントね。うん、覚えた。ようこそ私の森へ。この森の主である私は貴方たちを歓迎する。ふわぁ・・・うん、特に用事はある?ないなら私は寝るよ。じゃあね。」


そういい残してリアは消えていった。

私達は呆気に取られる。


―・・・。


―・・・。


「・・・どうする?」

「・・・どうするんだ、これ?」

「フィン様に聞きましょう。精霊樹の傍にいますから。」


確かにお爺ちゃんは精霊樹の傍で狼姿のまま横になっていた。

お爺ちゃんは私達の視線に気づいたのか、念話を繋いできた。


―今日はもう無理だ。身体を維持するのは難しい。だが、自己紹介できただけ十分だろう。今日はもう戻れ。


―・・・もしかして、リアの状態ってかなり悪い?


―そうだな。本来はもうしばらくは姿を現さず休むべきだったが、主である以上は一度姿を現す必要があったのだ。特に、今は状況が状況だからな。


なんとなくお爺ちゃんの言葉から含みを感じる。


―そうなんだ。じゃあ、リアとゆっくり話すのはまた別の機会で。最低限、リカ達を認めてもらったし。


―魔物たちが活発になっておる。気をつけて戻れ。


さっきニンフ達と話したし、リアは今日のところはもう会えない。

お爺ちゃんは様子からして私に知られたくない事をするみたいだし、今此処にいる理由は無いか。


―うん。さてじゃあ、戻るよ。みんな来て。


「ニンフ達ともう少し話していかないのか?」


リカは不思議そうな表情をしている。

確かにまだ昼を少し過ぎたような時間なので、時間は十分ある。

特に精霊は睡眠を必要とはしないので、それを考えればかなりの時間がある。

そのことを知っているリントとエーナもリカと同じような表情をしていた。

だが、お爺ちゃんがここから離れるよう言ってる以上離れないといけない。お爺ちゃんが何かするにしても、私に手伝えることは無いということだろう。


―別にこの森にいる間だったらいつでも話せるよ。それに私の分身の状態を確認し忘れてたのを思い出したからね。・・・ほら、行くよ。


私はとりあえず、適当に思いついた事を理由にリカ達を連れて精霊樹の許から去った。

リカ達は納得いかない様子だったが、特に何も言わなかった。


     ◆     ◆     ◆


―じゃあ私は出かけるね。


―どちらへ行かれるのですか?


唐突に出かけると言った私に、シャリーは当然の疑問を返した。


―少し、リエルから手伝って欲しいといわれてね、イーブルの街に行って来る。


―なら私もお供します。


―ん。向こうで合流しよう。あ、それとリカに萩の面倒を見てもらいたいからその事をリカに伝えておいて。


―分かりました。


リアと会ってから約4ヶ月が経った現在、今から私は再びイーブルの街に向かう。

それというのもつい先日リエルから連絡があって、私の力が借りたいと言ってきた。

事情を伺うと、鴉の幼獣絡みのことらしい。

なんでも、急に体調を崩したらしく、様々な薬や可能な限りの処置を施したが、どうにもならず藁にも縋るような思いで私に連絡したらしい。

あの幼獣の事は少し気になっていたのと、リエルが困ってる様子だったのでこの話を受ける事にした。

ただし、イーブルの街に向かうには距離があるので、リエルが居てこそ出来る方法で行く事にした。


さて、リエルに連絡しようか。

もうそろそろ準備は出来てると思うしね。


指輪を通してリエルに連絡を取る。


―今大丈夫かな、リエル。


―大丈夫よ。後、頼まれてた事はできたけど・・・どうするの?


―うん、今からやるから。じゃあ通信はこのままにしててね。いくよ・・・。


私は指輪をと指輪を繋ぐ魔力の流れを伝ってリエルの指輪に使用されている私の魔力を操る。

その魔力を使用して、リエルに用意してもらった魔術を発動させる。


―我が望みし形を成し、表せ・・・【形成】


形成の魔術を使い、リエルの用意したもの・・・私の指示どおりの物ならば、魔紙に使われる樹の魔獣の幹だが、それを私が望む形へと組み替えていく。

遠くのものを見ずに作るのはかなり難しい。

イメージをしっかりと持ちながら数分間集中して、術を破棄した。


―・・・それで、髪飾りは出来てる?


―うん、綺麗な髪飾りが出来てるけど・・・。


―じゃあ、早速試してみようかな。髪飾りを部屋、かな?の中央に置いてから少し離れて。


―何するの?・・・とりあえず離れるけど。


私はいまだつながってる魔力の流れを伝ってリエルのいる所に魔力を送る事を意識する。

そしてリエルのいる空間の魔力をエコーのように使って構造を把握し、魔力を送り続けてその場に私の体を構築し始める。


「・・・りーユ?え?ど・・・し?」


ふと気がつくと、指輪の念話を通したものではない、生のリエルの声が聞こえる。

だが、まだ肉体が不安定なのかよく聞こえない。

そのためゆっくりと丁寧に魔力を練って、肉体を完全なものにする。


「ちょっと、リーユ。ほんとにどうしたの?どうやって来たの?」


さっきと違いリエルの声がきちんと聞こえる。

無事に移動できたようだ。

私がやったのはリエルの指輪を通して、リエルの居る場所に移動用の目印にもなる分身を作った。

そしてその分身を使い、リエルのいる場所に魔力で私の体を構築したのだ。


―うー・・・リエル、少し待って。移動したばかりだから魔力がまだ集まりきってない。


だが、距離があるため魔力の大半は<私>の許にあり、必要分の魔力が足りていない。

それからしばらくして分身で活動する分には十分な魔力が集まったので、<私>とのパスを切る。


―おまたせ。


「リーユ・・・ほんとにどうやって来たの?すごく気になるんだけど・・・。」


―うん?その髪飾りが分身なんだよ。あと座標を示してる。その髪飾りを使って私は移動してきたんだよ。


リエルに簡単に説明を行う。


「へぇ・・・そんな事が出来るんだ。精霊さんってすごいんだね。」


―まあ、そのぶん分身が近くに無いと移動もままらないけどね。この分身だと精々50メートルが限度かな。とりあえずこっちに居る間はその髪飾りを着けてて。


「うん、分かった。リーユからの贈り物・・・えへへ・・・。あれ、そういえば服着ないの?」


―ああ・・・それはいろいろあってね。まあ、説明すると。


リエルに服を着てない理由を話した。

話したことをまとめると、分身(等身大)は実体があるので服を着ることが出来るが、魔力の身体では服を着る事は当然出来ない。

魔力で服を再現することは可能だが、それにはそれ相応の魔力を消費するので、負担が大きくなる。

どうせリエルぐらいにしか見えないし、今の分身ではあまり無駄に魔力を消費したくないので着てないままなのである。

そもそもダメージを受けたら魔力をの服を着ている時のほうが余計に魔力を消耗するため、メリットがなさすぎる。


「うーん、なんというか、少し目のやり場が・・・。」


リエルは私の方を見づらそうにしている。

確かに今まで私はリエルに会ったときは分身をつかっており普通に服を着ていた。

だがこういう反応をされるといたずら心が湧いてくる。


―ふ~ん・・・どうして?同性だし気にしなくても良いのに。


「ちょっと、ちょっと!近いよ!」


私は両手を後ろに組んで、リエルを下から覗き込むように見る。

するとリエルは微かに頬を染めながら顔を背けた。


ふふふ、やっぱり楽しいな。

そろそろリカにもいたずらを仕掛けようかな。

さすがに大分間が空いたからもう警戒はしてないだろうし。

うん、考えてたらわくわくしてきた。

これでまた私を見てくれるかな?

やっぱりリカはいいね・・・ずっと一緒にいたいな。

そう、ずっと・・・ずっとね。


少し思考がずれ始めたので話を戻す。


―そういえば手伝ってほしい事って何なの?詳しくは聞いてないのだけど。


「うん、話すけど少し離れて欲しいなー、なんて。」


―むむぅ・・・そんなに嫌わなくても良いのに。ならこれでいい?


とりあえず大事な部分を隠せればいいかと思い、下着だけ作る。

簡単に肌着とパンツを作った。


「うん、それなら大丈夫。じゃあ話すけど・・・私が見つけたあの鴉の幼獣、名前はイネってつけたんだけど・・・そのイネが病に侵されたの。それは6日前だったんだけど、いろいろと手を打ったの。だけど効果が薄くて・・・今は症状の緩和は出来てる。薬や術の効果が薄かったから改めて症状を見直して、私が調べた限りでは鳥獣が罹りやすい病のようだけど、その病を治す薬があるようなの。だけど、その薬の素材になる薬草は稀少で珍しい上に、かなり標高の高い山でしか採れないようなのよ。だからその薬草採取を手伝って欲しいと思って呼んだの。だからお願いリーユ、イネを助けるために力を貸して!」


リエルが私に頭を下げて真摯に訴える。


薬草か・・・草花の類ならシャリーのほうが探すのが得意なんだけどね。

私でも探せなくは無いけど、時間が掛かるかも。

すぐにでもシャリーを呼ぶ事を想定しておこうかな。

あ、そういえば。


一先ず緊張した様子のリエルを楽にしてあげることにする。

特に断る理由もないし、リエルの頼みを聞くためにこっちに来たのもある。


―ん、いいよ。リエルの頼みだしね。でも聞いておきたいんだけど、薬草を採取するにしても誰が薬を作るの?リエルじゃないよね?


「それはお父さんの知り合いの薬師の人が調合してくれる予定だよ。」


―ふーん・・・。その人はイーブルの街に住んでる?


「うん、少しはずれの方に住んでるけどね。でも、どうして?」


街に住んでいるなら可能か。


―考えがあってね。それにちょうどいいし。あ、その薬師の人はあまり動じない性質の人かな?


「う~ん・・・まあ、動じない方、かな?」


―じゃあ、今から作るものを薬師の人に届けて。今から作るのさえあれば戻るまでの余計な時間を使わなくていいから。


「・・・何を作る気なの?」


―んー・・・出来てからのお楽しみ?まあ、ヒントを言うと私がここに来たのと似たような原理かな。とりあえず魔力頂戴?


「え?ちょっ、リーユ!?」


これからする作業にはかなり魔力を消耗するので下着類は消し、リエルに抱きついて魔力を半分程もらってから作業を始めた。

新作を投稿しました。

題名は「ts女傭兵の戦記」です。

暇があれば読んでみて下さい。

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