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14話

今回は主人公以外の視点が入ります。

その部分に関しては◇で囲っておきました。





改9月13日

で、どうしよう。

すごい血だらけなんですが・・・。

あの、グランドドラゴンさん?


左手で叩いてみる。

ぺてぺちと。

動かない。

さらに手近な木の棒っで突いてみる。

かんかんと。

動かない。

完全に死んでいるようだ。


「ふう・・・。つかれたぁ。」


息を吐いて一気に緊張を解く。


倒せたか・・・。

さすがドラゴン。

苦戦した。

でも、流石に脱皮は予想してなかった。


ドラゴンの強さと謎のスキルに感動しながらも恐れつつ休憩する。

軽く休憩したら証拠隠滅のために生み出した木々を枯らしたり魔術に使った串を回収したりして、グランドドラゴンに偽装工作をしていく。

とはいえ、グランドドラゴンは体内をずたずたにしたうえ、脱皮した皮がまんま残ってるのでグランドドラゴンの隠蔽自体はかなり難しい。


って、あれ?


     ◇     ◇     ◇

「うっ・・・此処は?・・・グランドドラゴンはどうなった?・・・そうだ!アーク、アリア大丈夫か!」


ガッツは目覚めたあと状況を思い出し、周囲を見渡す。

すぐ近くに二人が倒れていた。

グランドドラゴンもまた倒れ伏していた。

ひどい有様ではあったが。

グランドドラゴンの近くに嬢ちゃんと爺さんがいた。

嬢ちゃんはぼろぼろになってはいたが元気そうだ。

爺さんと何か話しながら、ドラゴンを見てはしゃいでいる。

ここまで来るときはかなり落ち着いており、常に眠たそうに半目にしていたので、子供らしい姿を見ることが出来てなぜか安心する。

依頼主たちにどういう状況か聞きたいがその前に二人の息があるか確認する。

・・・大丈夫そうだ。


「しかし、なんでグランドドラゴンが倒れてるんだ?」


気を失う直前のことは曖昧でよく覚えていない。


「とりあえず聞いてみるか・・・。」


依頼人達の下に行く。

俺が近づいてくるのに気づいたのかこちらを見る。


「おお、気づいたのか。」

「ああ。だがこの状況はいったいどういうことなんだ?あんたがあのドラゴンをやったのか?」

「そうじゃ。おぬしらがグランドドラゴンを後一歩まで追い詰めてくれたおかげでどうにかできたよ。」

隣で嬢ちゃんが笑顔で同意するように頷いている。

若干違和感を覚えながらも話を進めていく。

「そうかい・・・。護衛の依頼を受けておきながらやられちまうなんてなあ・・・。すまん。」

「そう謝る事じゃない。偶然現れたドラゴンが予想よりも強かっただけだろう。それに君達は最後まで奮戦してくれたじゃないか。」

「そう言ってくれると助かる。」

「もうじき二人とも目覚めるだろう。いってやりなさい。それにのどが渇いているだろう?

水筒だよ。3人分ある。」


嬢ちゃんが微笑みながら俺に水筒を差し出してくれた。


「ありがてぇ。」


水筒を1つ受け取り、飲み干す。

少し甘みがあり冷たくてうまい。

2本の水筒を受け取りアークとアリアに近づいていった。


     ◇     ◇     ◇


私は傍からお爺ちゃんとガッツのやり取りを窺っていたが、

こ れ は ひ ど い。

お爺ちゃんはガッツと話しながら闇属性の魔術を使い、ガッツの思考を誘導しているようだ。

それに幻術も使っている。

闇属性の魔術は思考誘導や記憶を書き換えたりなどの干渉系の魔術が多い。

そのため、闇魔術の影響を防ぐ魔道具があり、大抵の冒険者はその魔道具を身につけているらしい。

もちろんガッツもピアスとして身に着けている。

だが、それは術者が人間であることを想定して作られているので、精霊たるお爺ちゃんが使う闇属性の魔術を防ぐことが出来ていない。

完全に術中にはまっている。

私は懐に抱えてるドラゴンがずれ落ちそうになったので抱えなおしながら考える。


それより、私はあんなににこにこしてない。

あれ、たぶんお爺ちゃんの願望混じってないかな?

お爺ちゃん・・・私に笑えと?

にこにこと笑えと?

・・・一応練習して置こう。

森に帰る前に鏡買わなきゃなぁ。


「そう言ってくれると助かる。」

「もうじき二人とも目覚めるだろう。いってやりなさい。それにのどが渇いているだろう?

水筒だよ。3人分ある。」

「ありがてぇ。」


そしてガッツはお爺ちゃんから水筒を受け取り冷えた水を飲み干す。

闇属性の魔術の影響のせいで何もてに持ってなかったのにいつの間にか水筒を持っていることや水筒の水がきんきんに冷えていることなどおかしいことがあるが特につっこみは無かった。

そしてドラゴンのことには深く突っ込んでは来なかった。

闇魔術・・・恐るべし。


それにしても・・・どうやってグランドドラゴンを持っていくのかな?

グランドドラゴンを倒すことばかり考えていたからあとのことを考えてなかったけど・・・。

まあ、何か方法があるでしょ。

お爺ちゃんに聞けばいい。


ガッツがアリアとアークのところに行ったのを見計らってお爺ちゃんに聞く。


―どうやってグランドドラゴンを持って帰るの?


―収納バッグを使うだろうな。わしは魔術を使えばいいが。


―収納バッグ?え?魔術?


―収納バッグは魔国で作られている魔道具だ。見た目は普通のバッグだが、通常のバッグの3~100倍の収納能力を持つ。空間魔術を利用しておるのだな。わしはその空間魔術で持ち帰る。


―・・・そんな魔術があるの?


―うむ。かなり魔法に近い魔術だがな。


魔国とは魔族たちが興した国である。

魔族とは約2500年前にこの世界に現れて、突如として人間と戦争を始めた種族である。

魔族がこの世界に現れたことと唐突な戦争にはそれなりの理由があるのだが・・・。

魔族の特徴としては不老不死であり、銀と金が混じった髪を持つ。また、肌は褐色で、さらに高い身体能力と豊富な魔力を持ち、目の色は紅色である。

現在は特にどことも戦争はしておらず、完全に中立国になっているため、魔国を訪れることも出来るが、環境がかなり厳しい場所にあるためそう簡単に訪れることはできない。

そもそも、この大陸ではなく別の大陸にある。

魔国では魔族が作った珍しい物や優れた魔道具があるので、冒険者で訪れる者は少なくない。


―その収納バッグで持っていくことは分かったけど、どうやって入れるの?


―無論、解体してだが?


―えっ・・・。解体しちゃうの?


―当然だ。むしろドラゴンをそのまま街に持ち込んでどうする。かなり目立つぞ。それに討伐したことを示すなら体の一部を持って帰ればいいだけだ。


―それもそうだね・・・。それでドラゴンのどの部分を使うの?


―ドラゴンの肉を300kgと両目、心臓さえあればよかろう。あとはあの3人に渡す。それでいいか?


―うん、それでいいよ。・・・心臓って残ってる?


―お主の魔術が内臓を破壊しつくす前にわしが凍らせて置いたから問題ない。


―あ、そうなんだ。ありがとう。


でも、あれだけ苦労したんだから鱗の一つくらいほしいな・・・。

あ、やっぱいらないかも。


若干もったいないと思いつつ会話を終える。

念話を終えたらお爺ちゃんと共に3人に近づく。

アリアとアークは既に目覚めており、ガッツが説明をしていたようだ。

3人が気づいてこちらの方向を向く。

そして急にアークとアリアが頭を下げてきた。


「申し訳ない・・・。」

「ごめんなさい・・・。」


アリアとアークに謝ってくれたので気にしなくていいと答える。

なにかいいたそうにしていたので、さらに何か言う前に解体をお願いする。


「あのどらごんをかいたいしてほしいんだけど・・・できる?」

「解体くらいお安い御用だ。」

「わしらはドラゴンの肉と両目、心臓があれば十分だからあとはそちらに譲ろう。」


お爺ちゃんの提案に3人は驚く。


「そ、それだけでいいのか?最終的に止めを刺したのはあなただからもっと要求してもらっても構わないのだが・・・。」

「そ、そうよ。あまり働いてないのに報酬に加えてドラゴンの素材の大半を貰うのは・・・。」

「そうだぜ。これじゃあお前さんたちに利益がなさ過ぎる。」


と三人が言うが。


「なら、わしらがグランドドラゴンの討伐に関わったことを黙ってくれればいい。わしらにも事情があるのだ。それより早く解体したほうがいい。暗くなって魔物が活発化しても知らんぞ?」


そう言われて不承不承とした様子ながらグランドドラゴンの解体を始めた。

3人は手馴れた様子で解体していき収納バッグに入れていく。

私達の取り分はお爺ちゃんがいつの間にかどこかにしまっていた。

3時間ほどで解体作業は終えた。


「ふう・・・終わった。さて、これを。」

アークはお爺ちゃんにドラゴンの肉と両目、心臓が入った収納バッグを渡す。

お爺ちゃんは中身を確認し、問題があるか調べた。


「ふむ・・・良さそうじゃ。感謝する。」

「いや、感謝される程じゃないさ。」

「わたし、すこし・・・。」

「ああ、すぐに戻って来るのだ。」


私はドラゴンの幼体を抱えながら茂みに入っていた。




さて・・・この子は野生に返すとしようか。

でも驚いた。

ドラゴンは死に掛けて脱皮するうえ、自身の一部を切り離して幼体を作り出し、生存を図る習性があるとは・・・。

まあ、私達の目的は十分果たしてるし、逃がしてあげるのが人情だよね。

エゴだけども。


「じゃあね。」

「キュアー!」


私は幼いドラゴンにクルミをいくつか食べさせてあげてからお爺ちゃんの許に戻った。

フィン万能過ぎてやばい。

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