表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブランクワールド・オンライン  作者: 東條九音
第二世界 ~魔法世界~
57/78

伏兵

刺されたナイフが引き抜かれるのと同時に、雪那は床へと倒れ込む。

それを見届けると、ツリーは引っ張り起こす女。


「派手にやられたようにね、ツリー?」


「まったくだ。タイミングよく来てくれて、助かった」


「致命傷だと思ったけど、死なないのね、この子」


「お前と同じ、神シリーズ所持者だってよ。セリア」


セリアは納得したようにうなずくと、ツリー今後の方針を話し始めた。


「さて、ツリー。現時点を持って、ハウンドはクロムウェルの指揮下を抜けるわ」


「依頼達成目前なのにか?」


「えぇ、そうよ。あなたか攫ってきた子。あの子を攫った事で、不味い人が動いちゃったから」


「チートアビリティがあるセリアでも?」


「相手出来なくもないけど……したくは無いわね。そもそも、接近できるかも分からないわ」


「それは……厳しいな。相手は一体誰なんだ?」


「魔法学院の理事長兼校長兼セレスティーアの保・護・者♪」


「ディアーチェ・アーカリア、か。確かにまずい相手だな」


「そう言うこと。それに、本当の依頼主は、彼じゃないもの」


「だな、それじゃあ次のエリア解放まで、身をひそめるか」


「ええ、そうしましょう。ここにはもうすぐ、両者の増援がやって来るわ。私が少し残ってお膳立てはしておくから、あなたは先に行って」


「お膳立ても何も、遊び足りないだけだろ?まあ、消耗し切っているから、お言葉に甘えるとするよ」


そう言うとツリーは、転移アイテムを使って脱出をした。


「待たせちゃったかしら?」


残ったセリアは振り向きつつ、背後にいる人物に言い放った。


「いや、ちょうどかな。アイツに捕まって、強制転移で放り出されたところだから。っにしても、ウチのメンバーを麻痺状態にして、随分放置してくれたみたいだなぁ」


懐からナイフを取り出し、何時でも攻撃が出来る様にして置く、セリア。


「確かに麻痺毒は使ったけれど、普通は死んでいるはずよ?死線を捉えて刺しているのだから。死なない方が悪いのよ」


一方相手は、どこからともなく本を取り出した。


「とにかく、雪那は救出させてもらおうか」


「そう簡単に、させると思っているの?」


セリアは相手に向かって走り出す。

すると相手は、手にしていた本を開き、小声で「ミラージュ」と呟いた。


「!」


異変に気付いたセリアは接近することをやめ、太もも部分に備え付けている投擲用ナイフを、倒れている雪那に向かって投げつける。

投げられたナイフは、真っ直ぐと雪那へ向かう。が、ナイフは雪那を突き抜け、地面へ刺さった。

地面に刺さると同時に、雪那の姿は揺らめく様にして消えてしまう。

部屋全体を見渡すと、対峙していた相手も見当たらない。


「やるわね。昔あった時は確か、双剣を使っていたわよね?今は魔導書?どちらにしても、さすがマキちゃん」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ