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ブランクワールド・オンライン  作者: 東條九音
第一世界 ~人間の世界~
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ジークの作戦

「ん?メールか」


 マキナと別れて数分もたたないうちに、メールが来た。一体誰からだろう?


『運営からのお知らせ



セレモニー終了後から三時間限定で、イベントを行います。

内容は、セレモニー参加者が持つ「引換券」と言うアイテムの取り合いです。

このアイテムは装備しているとイベント終了後、自動でアイテムかスキルのどちらかになります。

取り合いの方法は、所有者に勝利すると自動で権利が移動します。

所有数は無制限ですが、装備数の制限は二つまでです。

よって、装備されていない物は全てGになります。お気を付け下さい。

最後に、このイベント中は圏内でも戦闘が可能です。

そして、セレモニー参加者はイベントが開始される事を知らされていません。

参加される皆様、頑張ってくださいね。

 


                                 管理AI統括 ナナ』


運営からか、と言うか都市伝説通りAIで管理しているんだな。

感心していると、周りが慌ただしくなってきた。

どうやらメールの内容を確認し、速攻で参加を決めた連中が動き出したようだ。

確かにこれは、手に入れておきたいアイテムだしな。


「そうと決まれば、場所取りだな」


出来れば楽に手に入れたいものだが、皆必至だろうしな……

そうだ、アイツなら楽に手に入れられるだろうし、利用するか。








「ふ~ん、これが例のアイテムか。それにしても、本当に圏内で戦闘可能とはね」


セレモニーが終わって数分、広場から出てきた人の後をつけて、頃合いを見て奇襲を仕掛けてみたら、大成功!

予想通り、セレモニーに出ていた人たちはそこまで強くない。僕のスキル構成なら、一撃で仕留めることが出来るはずだね。


「これはいい稼ぎが見つかったね。これで欲しかった防具とか、オシャレにゴールドを使えるな~。ん?チャットがきてる」


これから稼ごうって時に、一体誰だろう?もしソロからだったら、後で絞めておこう。


『お、やっと出たな。シロ、今いいか?』


「ジ、ジーク⁉い、一体僕に何の用だい」


まさかジークからだなんって、思わなかったな。どうしよう、緊張してきちゃった。


『なーに、ちょっと話があってな』


チャットの相手は、ゲーマー仲間のシロ・フリーセン。確か種族が精人族・ハーフエルフ種で職が暗殺者、容姿は白のショートカットで、褐色・貧乳の女の子だ。


 

シロとは長い付き合いで、初めてプレイしたネットゲームで出会った。

お互い初めてと言う事で仲良くなり、その後も色んなネットゲームをプレイしてきた。


基本お互いソロプレイをしているのだが、協力が必要となった時はほぼ、シロに頼んでいる。

理由は二つ。

 一つは、付き合いが長かったから、その分お互いの癖をよく知っており、連携しやすいからだ。

 もう一つは、過去に集団イベントに参加した時、シロに話していなかったので、別々の集団になってしまった事があった。イベント終了後にシロから、今後は声をかける様に、涙ぐみながら言われたからだ。

今思えばなんで、涙ぐんでいたんだ?


まあ今は置いておいておこう。


「シロ、お前はこのイベント参加するか?」


『もちろん参加するよ。さっきも一人倒して、引換券手に入れたよ』


そう言うと、指輪を見せてきた。さすが、暗殺者をやっているだけあって、仕事が早い。

これなら安心して、提案できるな。


「さすがだな。そこで提案があるのだが………」








「提案?ジーク、一体何を考えているんだい?」


よし、やっといつもの調子になってきた。

それにしても、本当に何を考えているんだろう?今回のイベント関係だとは思うけど、これって個人戦だよね。


『勝負しようぜ。イベントの終了5分前までに、どちらが多く引換券を手に入れるかを』


 

なるほど、それは面白そうだね。勝負となれば、ジークが相手でも負けるわけにはいかないかな。


『勝った方が、山分けのうち、九割を貰えるでどうだ?』


「いいよ、それと僕からも提案していいかな?」


やっとジークの考えが、分かってきた。

おそらく勝負は、僕が勝つだろう。

きっと、楽をするために提案してきたんだろうな~。

他の人からはお金を取るけど、ジークになら、タダで分けてあげるのに……。


『ん?どんな提案だ?』


「負けた方が、勝った人のお願いを一つ聞く。いいとは、思わないか?」


僕が頑張って集めるのだろうから、ご褒美となる事があってもいいよね。


『ああ、良いぜ。それじゃあ、チャットを切ったら始め、イベントの終了五分前に、ゲート広場で会おう』


「うん、わかった」


『よし、それじゃあ始めよう』


そう言うと、ジークからのチャットは切れてしまった。

もう少しだけ、話していたかったな~。でも、勝てばお願い聞いてもらえるんだよね。どうしよう、何をお願いしようかな。








何とか楽になりそうだな。

それにしてもシロの提案を承諾したあたりから、なんか機嫌が良かったような気がするな。


まあ、いいや。勝負するんだから、手を抜く気は無いがな。


出来ればマキナを、捕まえたいところだな。アイツのスキル構成なら分かっているし、俺でも十分やる事が出来る。


「よし、マキナを狙いつつ、片っ端から狩っていくか」




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