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ブランクワールド・オンライン  作者: 東條九音
第二世界 ~魔法世界~
36/78

雪原の戦い

ジークとスカーレット・ジュエルが出会う数週間ほど前






「くっ……あなた、一体誰に頼まれたの」


「関係ないでしょ?あなたはこれから、私に捕まるのだから」


帝都デスパニア郊外の雪原

現在ここで二人の人物が戦闘していた。


一人は瞳や髪が淡い紫で、服装も紫色を基調としたドレスを着た少女。手には杖を持っている。

もう一人は金髪碧眼の巨乳で、深緑色の衣を纏った女。手にはナイフが握られている。


女の名前はセリア

この世界で上位に入る強さを有する、プレイヤーだ。

彼女は現在、とある依頼で目の前の少女を捕まえようとしていた。


「それにしても驚いたわ。依頼では紫の宝玉を持って来いって話だったけど、まさか人型になるとはね」


セリアはナイフを構えたまま、目の前の少女に言う。


「レット姉さまに連絡していた所を、見られていたなんて……ついて無いわ、ほんっと」


少女の名は紫の宝玉(パープル・ジュエル)

身に危険が迫ってきた事を紅き宝玉に連絡していた時、依頼を受け紫の宝玉を探していたセリアに見つかり、帝都内での戦闘を避けるため雪原まで逃げてきたのだった。




雪原に着いてからの戦闘は激しく、その辺りにはクレーターが出来ていた。


(私の雷撃を初見でかわした時点で、殆ど積んでるわね…)


パープルの戦闘スタイルは雷撃による中・長距離間の攻撃だ。

一方でセリアはナイフによる暗殺で、超近距離の攻撃。

パープルが放った初撃は簡単にかわされ、一気に詰め寄られてナイフによる急所への一撃が放たれた。


パープルは咄嗟に杖でガードするが、急所を逸らすのがやっとだった。

その後の攻防でも雷撃を幾つも撃つが、それは当たる事なく、周りにクレーターを作る。


「そろそろ、大人しく捕まって欲しいのだけど。あなたほど賢い人が、私にいくら雷撃を放っても、当たらない事は分かっているでしょ?」


「そう言っても、はいそうですねっで、捕まる訳に行かないでしょう!」


そう言うとパープルは杖を勢いよく地面に突き刺し叫んだ。


雷の磁場(サンダー・フィールド)‼」


すると辺り一帯に強力な電撃が走った後、杖に黒い粒が集まって行った。

やがて杖は黒い粒に覆い尽され、一本の剣へと姿を変えた。


(自身で握るのは初めてだけど、このフィールド内だったら何とかなる筈)


「それが奥の手?何にせよ次で終わりよ」


お互い得物をかまえる。


先に動いたのはセリア、首を狙った鋭い一撃はパープルを正確に捉えていた。

が、ナイフがパープルに当たる事は無かった。


後に動いたパープルだったが、サンダー・フィールドの効果でパープルの速度は神速となっていた。その速度を生かし、右腕を狙ったカウンターを放ったのだ。

しかしパープルの思惑通りにはいかず、ナイフを空へ弾くだけとなった。


「危ない、危ない。まさか腕を狙うなんて」


そう言いながら、落ちて来るナイフを空中でキャッチし、再度かまえる。


(かわされたの⁉いや、かわすと言うより見て攻撃を合わせたて来たようね。質量がこちらの方が重かった分、打ち勝ったって所かしら)

「さっきの私の一撃、耐えられなかったんでしょ?次で終わるのは、あなたの方よ!」


渾身の神速の一撃を放つパープル

その太刀筋を捉えナイフを振るったセリア


(っく、やっぱり私の速度を捉えてる!けど‼)


パープルの予想通りまたしてもセリアのナイフは宙を舞った。


(よし!勝った‼)


そのまま勢い良くセリアに向かって、剣を振りぬく。

がパープルの一撃は空を切って、パープルはその場に倒れてしまう。


「あいにく、武器はもう一本あるの」


気付くといつの間にか背後に立っていたセリアの左手には、撃ち合う直前には持っていなかった短剣が握られていた。


パープルは立ち上がろうとするが、立つことが出来なかった。

セリアの止めの一撃が決まったのだ。


幻影の一撃(ファントム・ダガー)。私オリジナルのシステム外スキルよ」


そんなセリアの呟きはパープルに届く事は無かった。


(主さえ、いれば…こんな奴には…… グリーン……姉…さま、たち…無、事に、逃げ……て)


意識を失直前、パープルが考えていたのは姉妹たちの事だった。


「気を失ったかな?それじゃあ、あとは連れて行ったらお仕事完了ね」


そう言ってパープルを担ごうとすると、パープルの体が輝き、宝玉へと変わった。


「あら、便利♪」


セリアは宝玉を拾って、依頼主の下へ向かった。






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