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ブランクワールド・オンライン  作者: 東條九音
第二世界 ~魔法世界~
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喋る石

「前の世界では小屋は、無かったんだが」


前回の世界の事を考えつつ、その小屋の前までやって来たのは良いが、これって勝手にはいって良いのかな?

まあ、ゲームの中だし良いか。


「お邪魔します」


と言いつつ扉に手をかけ、小屋の中に入った。

小屋は二階建ての様で、一階はリビングとキッチン、応接間があった。


「誰も居ないな……」


小屋の中には誰も居ないが、誰かが生活しているような跡はある。これはもしかしたらマキナの言っていた話が、関係しているのかもな。

にしてもこの造り、小屋と言うより家だな。

外から見た感じだと、どう見ても小屋なのだか。


「一階はこれ以上何も無い様だし、上に行ってみるか」


二階に上がると、扉が四つあった。扉には寝室と書かれたものが二つと、客間と書かれたものが二つずつあった。


「少し探らせて貰いますか」



二階を探って数分、特に何も得られぬまま最後の部屋を探り始めた。


「ここまで特に変わったものは無いよな…外れだったか。……ん?」


変わったものは無いと思っていた矢先、よくよく見るとベットの枕元に紅色の石が転がっていた。


「何で石が置いて在るんだ?宝石でも無い様だし、取り敢えず外に捨てておくか」






紅い色の石を持って外に出て、その石を捨てた上で改めて、探索を始めた。

と言ってもさっきの寝室を、もう一度探し直すだけだけどな。


「……ん?」


探索しに先程の寝室に戻ってきたは良いが、違和感があった。

と言うより違和感の原因は分かっている。

先程捨ててきたはずの石が、同じ場所に在るのだ。


こいつはただの石じゃ無さそうだな……


「よし今度は、湖に投げ捨てるか!」


『やめなさい!沈んだら、部屋に戻って来るまでが大変でしょう!』


うん、思った通りただの石じゃなかったな。にしても、喋る石って何だよ……


『そもそも人をただの石呼ばわりとは如何言う事ですか!私は意思持宝玉インテリジェントジュエルの一つ紅き宝玉スカーレット・ジュエルです。その辺の石と一緒にされるのは心外です!』


意思持宝玉?初めて聞くな……これはもしかして当たりじゃないか?

上手い事機嫌を取りつつ話を進めれば、ストーリーを進むかもしれないな。


「それは悪かったな。で、《インテリジェントジュエル》って何だ?」


『そう言えば、私たちの存在は知られて居なくて当然でしたね』


ジークの質問に紅き宝玉は、思い出した風に言うと、今度は丁寧に説明し始めた。


さっきまで怒っていたのに、機嫌治るのが早いな。


『ではまず、意思持(インテリジェント)は知っていますよね』


「いや、サッパリ」


『そこからですか。まぁ良いでしょう。意思持とは、物に意識を持たせ、指示するとその指示通りに行動するものです。一般的には、魔法道具と呼ばれているようですよ。有名なのは確か、杖に魔法式を記憶させ即時使えるようにしたものですね』


「魔法道具が、インテリジェントだったのか」


『ええ、その通りです。魔法道具には大きく分けて二つあり、意思がある物と、無いものに分けられます。そしてある物の事を意思持と言うのです』


聞いた限りだと意思が無い魔法道具とは、プレイヤーによるアイテムへの附与効果になるようだ。

最近修得した刻印附与もおそらく、この意思のない魔法道具扱いなのだろう。


上機嫌な様子で喋る紅き宝玉を見ながらジークは、話を聞き続けた。



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