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ブランクワールド・オンライン  作者: 東條九音
第二世界 ~魔法世界~
33/78

ジーク、また森へ

今回の世界は『魔法世界』

現在俺はその世界の、王都から南に数キロ行った場所に存在する森を訪れていた。

この場所に訪れた訳は、久しぶりに再会した奴から珍しい情報をもらったからだ。






この世界に移って俺はまず、色々と探索していた。

第一世界の王都からトランスポートゲートを通って来てみるとそこに在ったのは、全く同じ王都だったからだ。

探索の結果は、初めに居た世界と殆ど変わりがないと言う結論になった。

と言うのも町並みなど殆ど同じなのだが、トランスポートゲートの隣にもう一つ別のゲートが設置され、第一世界には無かった町が増えていたからだ。


この世界では、トランスポートゲートとは別にワールドゲートが存在した。

ワールドゲートは第二世界内の都市を行き来するのに使われる。

ただしゲートを使用するには、自分がその都市に行った事がある必要がある。

現在俺が行き来できる都市は王都アイシルク、帝都デスパニア、学園都市ヴィヴィドの三つ。

酒場で聞いた話だと他にゲートが配置されている場所は、古都と空都の二ヵ所らしい。


ここまでの探索を終えた時点で俺は、学園都市ヴィヴィドから西へ数十キロの場所に存在しているアーカリアと言う町にいた。

この町は魔導書や学問に関するものが多く売られている他、飲食の代金が安かったりする。

おそらく学園からのお客のためだろう。

学園都市ヴィヴィドは学問の都で、学生が多く住んでいる。

そんな訳でアーカリアは、学園の生徒たちに優しい街と言ったところだろう。


しかしいろんな物が安いと言っても、魔導書だけは別か。

安い物でも1,000Gはする

内容は、魔法の基礎を纏めた入門編の写本らしい。

写本で1,000って高いだろ。


売り物の魔導書を見ながらそんな事を考えていると、メッセージが届いた。

差出人はマキナか。

手紙の内容は如何やら、新エリアの情報交換をしないかと言うものだった。

断る理由も無いので賛成の返事を送り、学園都市の酒場で待ち合わせる事になった。




「やぁジーク。早かったね」


「アーカリアに居たからな。お前こそ早いじゃないか」


酒場に行くと、既にマキナは席に着いていた。


「そりゃあ拠点がここだもの」


「ほー。お前、もう拠点を構えたのか」


「まあね。ちなみに魔法学院には入ってみた?」


「いいや、入ってない。普通プレイヤーは、勝手に出入り出来るってもんだろ。なのに許可が無いとは入れないとか言って、門前払いされたぞ」


後で調べたのだが学院には学生か教師、あとは業者しか入れない設定になっていた。

入れないとなると、中が如何なっているのかなおの事気になったな。


「でもそれがどうかしたのか?」


「いや別に。ただ学院内には珍しい本が一杯あったてだけ。それより本題だ」


此奴、サラッと自分は入った事があるって自慢しやがったな。

まぁそれ以上言わなかったって事は、それ以上何かある訳では無いのだろう。


「ジークは今どの程度、この世界について調べがついた?」


「そうだな…ハッキリわかっているのは、第一世界の延長線見たいって事と、属性付きの武器が魔法道具って言われている事、あとはこの世界は魔法が舞台であるって事かな」


「成る程ね~、うん。その認識で問題ないと思うよ。調べたところ、もし魔法が発展していたらって感じみたいだし。まぁせめて、もう一つ世界が解放されたら、この仮説が正しいって分かるのだけどな」


となると色々そっくりな点があっても、不思議ではないと言う事か。

それに、新エリアの事を第一世界とかいう大層な呼び方をしていたのにも、説明がつくしな。


「そう言えば、キークエストの手掛かりはあったのか?」


「手詰まりだね。前回は、ゲームマスターから直々にヒントがあったけど、今回は一から探さないといけないから。ま、結局は地道にクエストを進めると、どっかでヒントを貰えるでしょ」


マキナも今回は、そこまで情報を持っている訳じゃないみたいだな。

まあ俺自身最初の探索以来、ずっとスキル上げをしていたから殆ど情報を持っていないけど。


「そう言えばこの世界に来てからまだ、クエストを受けていなかったな……なあマキナ、何か良さげなクエストは無いか?」


「今のところ、これと言ったものは無いな。酒場で探す方が良いくらいだよ」


となると、あとで掲示板を見に行ってみるか。


「でもクエストじゃないけど、珍しい情報はあるよ」


「珍しい情報?何の情報なんだ?」


「これを教えるには、お代を頂かないとね」


金をとるのかよ。

でもまあ、金をとれるくらいの情報って事だろうな。


「いくら出せばいいんだ?」


「今回は裏取していないから、お金じゃなくて質問に答えてくれたら、それが対価で良いよ」


「そうか。で、質問ってなんだ?」


「ジークが今、使っている刀について教えて欲しい」


「そんな事で良いのか」


此奴の事だからもっとこう、現在のスキル構成とかタブーな所をついてくと思っていたんだが……


「大変失礼な事を、思われた気がするけど……まぁその刀かなり変わっているからさ。それって確か、直刀だっただろ?でも見た目は太刀みたいだから、何処で手に入れたのか気になってな。やっぱり、モンスタードロップ品なのか?」


「いいや、ショップで買ったやつだ。初めてイベントがあった時に武器を破壊されて、その後に始まりの広場から東商業エリアへ行って、さらに細い路地を幾つも通ってから辿り着く、ショップエリアで買ったんだ。種類はマキナの言った通り、刀の直刀だよ」


そう言えば始めて見た時は俺も、太刀じゃないかと思ったな。


「固有名が確か、レ―ヴァティンだったかな。特殊効果とかは、一切付与されていない。あとは、見たままの太刀みたいな直刀って事かな。値段は……買って貰ったから知らないな」


特殊効果とかは無いのに、攻撃力や耐久力は物凄く高い。

それに見た目と違って、癖が無い。

見た目だけで言えば、物凄く癖が強くて扱い難そうなのにな。

今じゃこの太刀みたいな直刀は、頼もしい相棒だな。


「レ―ヴァティンか。……もしかしたら、裏が取れるかも」


うん?何かぶつぶつと言っているな。

ってか何を考えているんだ、アイツは。


「おーい。どした、マキナ」


「いや、何でもない。えーっと、対価は貰ったから、情報か」


「そうだよ、で珍しい情報って何だよ」


「この世界の王都の南に森があるだろ。その森の何処かに、伝説の鍛冶師が居るとか魔法使いが居るとか言う話があるんだよ。ただ合うには特定のアイテムが必要らしくて、出会ったプレイヤーはまだ誰も居ないって話だ」


成る程、それで変わった武器を持っていた俺に、その方は何処で手に入れたのかって聞いてきた訳か。


「と言う事は、もしかしたら俺は会えるかも知れないのか」


「そうだね。ま、もし会えたならその時の話を売ってよ。その時までに同程度の情報とか揃えて置くから、買うか情報交換するから」






そんな訳で、その時の話を基に森に来ていたのだった。


話では森で会えるかも、とし言っていなかった。

当てがある訳じゃないし、森の中心にある大木を目指すか。


しかしまた森か~

前は空から、人が降ってきたんだよな。


流石にまた、人が降って来るって事は無いだろう。

まぁ、森の中だし行き倒れ的なのはいるかもな。


なんて思っているうちに、目的の大木に到着した。

森の中心には湖と島、島に立っている大木があり、第一世界の森と変わりはなかった。



と思ったが、よく見ると大木の根元に小屋が立っていた。



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