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ブランクワールド・オンライン  作者: 東條九音
第一世界 ~人間の世界~
29/78

戦闘終了

現在ボスの体力を七割程削った筈なのだが、相手はまだかなり元気なようだ。


「なかなか倒れないね~。如何するジーク。一回後方に下がって、様子を見るかい?」


「そうしたいとこだ……」


下がって休みたいとこだが、休むこと無く攻め続けるブラックの様子を見たら、負けてはいられないと思ってしまう。


「彼女に負けられないってかい?」


「ああ、そうだよ。にしても変わり過ぎだろ、あれは」


礼儀正しかったあのブラックが今では、嬉々とした表情で戦闘をしている。


「現実側で何か、あるんだろ。鬱憤みたいなのが。それを晴らすには丁度いいって事だろ?」


「そうなのか?それとマキナ。お前はどっから現れた」


シロと話していたらまたも、マキナが会話に加わっていた。


「まぁ良いだろ、それは。それよりそろそろボスが倒れるが、お前はボーナスを取りに行かなくて良いのか?」


「何でそんな事が分かるんだ?」


「こいつの効果が切れて、ボスのステータスが元に戻るからだよ」


そう言いながらマキナは一枚のカードを見せた。

よく分らんが、分かった事もある。

それはこいつが、敵に対して余計な何かをしていたと言う事だ。


「あとで話を聞かせて貰うぞ、マキナ」


「金を払うなら何でも教えるさ」








話をやめ先頭に戻ると、何処かボスの様子がおかしかった。


「何があった?」


「分からない。さっきまで攻撃して来たのに、急に動きが止まったんだ」


近くにいたプレイヤーに尋ねると、相手も困惑しているようだった。

そりゃあさっきまで元気だったボスが、急に動きを止めたらこうなるか。

よくボスを見てみると、姿が人になっている。


「姿が変わった?」


「さっきより強くなるって事かよ」


「退却して体勢を立て直そう‼このままやっても勝てないぞ」


そのやり取りを聞いた周りのプレイヤー達が、少しずつ退却を始めた。

退却するなら好都合、マキナの言う事が本当ならおそらくチャンスだ。


「シロ、ブラック!俺たちで他の奴らが逃げる時間を稼ぐぞ」


「言われなくても、そのつもり。こんな楽しい事、僕が譲る訳ないじゃん」


「彼女ほんと、凄いね。僕以上に楽しんでいるよ」


今回の事で大分、ブラックのイメージが変わったな。

まあいい、このままボーナスを頂いてしまおう。


「時間稼ぎの必要はないよ」


その声が聞えると同時にボスが消滅した。

ボスの居た位置には、二枚のカードが落ちていた。

突然の出来事に退却を始めていた者たちも唖然としていた。


声の主はカードがドロップしたところまで行くと、それを拾い上げてこう言った。


「ご苦労さん。これでこのクエストは終了だよ。報酬は酒場で受け取れるように、手配してあるから」


「あんた誰だよ。急に出てきて、クエストは終了って、一体どう言う事だよ」


我に帰ったプレイヤーの一人がその人物に尋ねた。


「そうだね、まずは自己紹介と行こうか。俺は、マキナ。今回王国に依頼されてこのクエストを出した『神秘の図書館』のギルドマスターだ」













「アンタがそうなのか。それでクリアって言うのは如何言う事だよ」


「そのままさ。依頼された内容を達成で来たって事。簡単に言えば、次のエリアが解放されるってことかな」


まぁ、解放されるか判らないけど多分大丈夫だろう。


ボスから落ちた二枚のカード。

一枚は俺が仕込んだタロットカードだけど、もう一枚のアイテム名には《解放のカギ》と書いてある。


「とにかく酒場に行くと分かるよ。王国にはもう話は通してあるから。あ、ジーク。先行って待っているから」


そう言って足早にその場から立ち去った。













「何だったんだ、アイツ」


「とにかく、酒場に行けって事だよな。よく分からない内にクリアして、釈然としないが、報酬を貰えるなら良いか」


周りはそう言うとぞろぞろと城を後にし始めた。


「ジーク、如何しますか?何か、踊らされていた感があるんですけど……」


ブラックがいつもの感じに戻って、訪ねてきた。

如何するのか何て決まっている。


「俺たちも帰ろう。酒場で話す約束は付けておいたから」






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