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ブランクワールド・オンライン  作者: 東條九音
第一世界 ~人間の世界~
28/78

置き土産

クエストの指示通りの時刻、帝国の城に行くと城は既にボロボロだった。


「一体何があったら、こうなるんだ…」


「ジーク、君宛に置手紙があるんだけど……」


シロがその置手紙とやらを渡してきた。

えーっと、『王の間にボスが居るから、あとは任せた マキナ』……アイツ逃げたな。


「何が書いてあるんですか?」


「ボスの討伐を任せただとよ」


ブラックが聞いてきた。

別に隠す必要も無いので素直に教えた。


「とにかく、ボスの居る部屋まで行ってみよう」


しかし、何でアイツが止めを刺さなかったんだ?








王の間に到着するとそこには、人の様なそうで無い様なものが居た。


「何だあれ……」


「まるで暴走しているみたいだね。名前は…《マーク・スフィア・メフィス》帝国名と同じメフィス。間違いなく、ボスだね」


「……フ、フフフ」


俺の呟きに対し、丁寧に観察し見解を行って来るシロ。

その隣から、どこか不気味な笑い声が聞こえてくる。


「えーっと、ブラック?どした、急に?」


「あれ、倒しちゃって良いんですよね?」


「え、あ、うん。ボスだから…」


言い切る前にブラックは動いていた。

一体どうした。

何があった?


「シロ、一体どう言う事だ、これ?」


「戦闘時と普段とは、別人だね~。まぁ僕が初めて会ったのは、今の彼女の方だけど」


確かに戦闘時は性格が変わるとは聞いていたけど、これは予想外だろ。

こんなやり取りをしている間もブラックは、ボスを相手に立ち回っている。

ボスの攻撃はブラックに当たらない。

ブラックがとても速く、回避しては攻撃のカウンター戦法の様だ。


「これは、負けてはいられないね」


そう言うとシロも、戦闘に加わって行った。

これは俺も負けていられないな。


「ジーク・レイア、押して参る‼」


俺たちの行動を見ていた他のプレイヤー達も、戦闘に参加し始めた。













ジークたちが戦闘を初めて数十分。

手紙を置いて、この場に誘導して俺は高みの見物をしている訳だが、中々苦戦しているようだ。


まぁ苦戦もするだろう。

敵に塩を送ったつもりではないが、メフィスに対して「力の正位置・潜在能力の引き出し」を使用した。

その結果メフィスは、元のローブを着た男では無く、人型をしたモンスターとなっていた。


『先輩、テールの人たちと、メンバーたちの撤退、完了しました』


戦闘の様子を観察していると、丁度シンから連絡が来た。


「ご苦労さん。王様に救出完了の連絡をするように、ミリーシャに伝えてくれ」


『分かりました。先輩、質問、良いですか?』


「ん?何かな?」


『何で、タロットカードが、武器?そもそもどこで、それを?』


その事か……まぁ確かに普段は双剣の方を使っていたからな。


「しいて言うなら、遊び心で武器にしてみたって感じだな。カードは、初めて司書長室を探索した時に見つけたんだ」


発見したあの時、戦闘スキルにはまだ空きが在ったから遊び半分でセットし、支援向きなため今まで殆ど使って来なかったのだ。


『なるほど。それにしても、先輩のスキル構成、学者よりですね』


「そうだな。気付けばますます、学者みたいになったな。っと、そろそろ決着が付きそうだな。シン、そっちは任せたからな」


そう言ってシンとの通信を切った。

潜在能力を引き出されたボスのおかげで、この場にいるプレイヤーたちが様々なスキル使っている。


つまり俺は、本の製作がはかどると言うもの。

実際結構な量のスキルを、新たに書き加える事が出来た。


「タロットの効果も切れるだろうし、頃合いだろう」






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