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ブランクワールド・オンライン  作者: 東條九音
第一世界 ~人間の世界~
21/78

因縁(?)の再会

酒場のクエスト案内掲示板に、全プレイヤーに向けた緊急クエストが張り出されていた。



『今から一時間後に帝国へ奇襲を掛ける。この奇襲成功の暁には王国から、参加者全員に報酬が贈られる。なお、今回の首謀者を生け捕り又は倒した者はアイシルク王から、ボーナスが貰える。

参加するプレイヤーは受付へ参加する事を奇襲開始三十分前までに伝え、詳しい説明を受ける様に』



「何でまた急に、こんな事に為った?」


久しぶりに酒場へと来てみると、殺気立っていた。

先程確かめた緊急クエストが原因なのは分かり切っている。

問題は、いつの間にそこまで進展していたのかだ。


「考えるよりまずは、受付を済ませるべきではないですか?これを逃すと痛いですよ?」


「ああ、そうだな……ってブラック⁉いつの間にそこに入たんだ?」


「いえ、割と先程ですが。それより受付に行かなくて良いんですか?もうすぐ、受付終了ですよ?」


ブラックに言われて時間を確かめると、受付終了まで残り五分となっていた。


「ヤッベ、受付に行って来るから、ブラックまた後で話そうぜ」


「はい、ではそこの席で待っていますね」





「はい、確かに受け付けました。では此方が今回の奇襲作戦についての詳しい資料になります。ご不明な点があれば、聞きに来て下さいね」


そう言うと、受付から紙が渡された。

何とか間に合ったようだ。

それにしても受付の話では、今回のクエストはどっかのギルドが出した物らしい。

受けて観るまでその事が分からないように工夫するとは、すっかり騙された。


この殺気の原因は騙された事に対してだったようだ。


「にしても、どこがこんなに手の込んだ事しているんだか……ん?」


渡された資料を見ると、クエストを出したギルド名が書いてあった。

まさかアイツが関わっているとは……


「お、ジーク。久しぶりだね」


「シロ!ホント、久しぶりだな。ここにいるって事はお前も参加するのか?」


声を掛けてきたのはシロだった。

前回買い物をして別れた後、全然会う事が無かったので、久しぶりの再会だ。


「うん、そうだよ。どうだいジーク、時間が来るまで情報交換するって言うのは?」


「いいね。だったら、待たせている奴もいるからそいつも一緒でもいいか?」


「僕は、構わないよ」


「よし、なら行こうぜ」





「お~い、ブラック~」


さっきより人が増えてきたようだ。

人が多すぎて、ブラックの居る位置が分からなくなった。


「ブラックって言うのかい?その待たせている人は?」


「ああ、簡単に説明すると、お前と真逆みたいかな?」


初めて見た時はシロと勘違いしたぐらいだ。

となると、この説明が一番分かりやすいと言えるだろう。


「ジーク、こっちですよ」


お、いたいた。


「シロ、あれがブラックだ。何となくお前に似ているだろ?」


声を掛けるが返事が無い。

不思議に思いシロを見てみると、何やら驚いている様子だった。


「どうしたシロ?って、ブラックも一体どうした?」


気付けば、ブラックも驚いた様子で硬直していた。

何がどうなっているんだ?


「キミは、あの時の‼」

「お姉さん、あの時の‼」


そう言うとブラックが勢いよく席から立った。

ん~、もしかして因縁があったりするのか?

ひと先ずは、説明して貰わなければ話が進まない。


「二人とも席に着いて話そう。俺には全く分からないから、一回整理したいんだが……」


「っと、そうだね。僕としたことが、驚きの余りすっかり忘れていたよ」


「そうですね。一回落ち着きましょうか」








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