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ブランクワールド・オンライン  作者: 東條九音
第一世界 ~人間の世界~
19/78

推測

ブラックちゃんの話を聞いて、大体のこの世界の事象が見えてきた。


「まず、セレモニーで『王国と共和国は長い間、友好関係にあった。だが王国の一部の者たちは、それをよく思わず、自分たちが支配しようと考えた。そして今では、共和国は帝国となってしまった』って、ゲームマスターが言っていたんだ。

それで情報収集のために帝国に行ってきたんだけど、特に王国と変わりのない国でね。共和国を支配しようとした理由は、分からなかったんだ。

で、王国の図書館で、気になる文献を見つけたんだ」


「それが、共和国は獣人の国だったって事か」


「うん、でも獣人なんて居なかったから、間違いだろうって思ってね。そもそもこの第一世界のテーマが『人間の世界』って言っていたからね。獣人の国が在る筈が無いって思ったんだよ。

でもブラックちゃんのおかげで、やっと分かったよ。獣人の存在が許せない者たちが共和国を支配した。

それで、帝国が戦争の準備をしている理由は、王国が獣人といまだ友好関係でいたいと考えているからだろう」


「人間が一番偉い、って言いたい訳か」


「多分ね。王国としては、帝国を共和国に戻したいんだろう」


「でも、変じゃないですか?獣人たちは、居なかったんですよね?それに何で私は、吊るされたんですか?」


「恐らくどこかに、捕まっているんだろうね。ブラックを吊るした軍の人は多分、王国側のスパイだったんだろう」


「なるほど…」


この世界のキークエストとなるのは、王国と帝国の戦争だ。

どちらに付くかで流れが変わる、最初はそう思っていたが違ったようだ。


「どうやら予想が違ったみたいだ。キーとなるのは、王国と帝国の戦争。キークエストは『共和国の復興』だ」


「どういう事だ?」


「ただ戦う事が、クエストな訳がない。キーとなるからには、それなりの目的や理由がある筈だ」


「それが、共和国の復興と言う事ですか、マキナさん?」


「うん、そうじゃなきゃ共和国の事を、わざわざ出す必要が無いからね」


「そうと分かれば、さっさと潰しに行くか」


「いや、今はクエストをするべきだ」


「どうしてですか?キーが分かったのだから、行くべきだと思いますけど?」


そうなのだが、このままでは行ける種族が人間のプレイヤーに限られてしまう。

きっと、何かのクエストがクリアされると、改善されるはず。

だが現状では、その糸口すらない。


「きっと、クエストを進めると、解決のヒントが出て来るはずだ。それまでは辛抱だな」


「それならまぁ、仕方ないか」


推測はかなり強引なものだが、前考えていたものより此方の方があっている気がする。

まぁ大体わかった事だし、この話はここまでにしよう。


「そういや、ジーク。召喚方法を教えてやる」








そう言うと、またどこからか本を出してきた。


「契約石となんかアイテムを調合するんだよ」


「おい、何かってなんだよ」


説明がアバウトすぎるだろう。


「何でもいいんだよ。それで、召喚に応じる奴が居たら成功だ」


仕方なく、言われた通り、適当に契約石とアイテムを調合した。

すると、魔法陣が出来上がり、そこから一匹の白蛇が出てきた。


「へぇ~、可愛いですね」


ブラックに言われたように、可愛らしい小さな白蛇だった。


「よかったな、成功のようだな」


「そうだな。よし、今日はこれで落ちるわ。またな」


「じゃあ俺もそうするか。ブラックちゃんはどうする?」


「私もこれで、失礼します」


そう言うと、各々ログアウトして行った。




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