仲介者
「ここからクエストの話な。帝国は王国ものっとりたい、だから兵士が欲しんだと。一方王国側は、兵はいるが物資が無い状況らしい。あ、一応、義勇兵の募集はしているみたいだぞ」
「成る程な~、それで?クエストとストーリーが関わり合っているのは分かったがそれがどうしたんだ?」
「ここからは予想も混ざるが、良いか?」
言いも何も、金を払っているんだから、聞かなきゃ損だろ。
そう考え、頷いた。
「恐らくこの世界のキークエストとなるのは、王国と帝国の戦争だ。どちらに付くかで、流れが変わるんだろう」
そういうことか。だが、納得できない点がある。
「なぁマキナ、なら何でこのクエストを、俺に進めたんだ?」
「ん?あぁそれはな、お前にとって得になるやつだからだ。一つ目のやつは単純に、報酬金額良いからだ。二つ目は、お前にピッタリなアイテムが手に入るからだ」
「と言うと?」
するとマキナは、本を出してきた。
「ここからは、サービス分な。俺のスキル構成は知ってるよな?」
「あぁ、取得・閲覧して本に出来るって奴だろ」
始め見た時は真っ白の白書だったな。
だが今マキナが出した本は、色々と書き込まれていた。
「ここにお前の、妙薬調合師についてまとめてあるんだが、お前のやつって捕獲系じゃなくて、召喚契約系らしい。んでもって、それに必要なアイテムを手に入れられるのが、二つ目のやつだ」
俺もよく知らなかったのに、こいつ良く知ってんな。
もしかて、他にも色々知っているんじゃ……
まぁ今はいいか。
「分かった、それじゃあ二つ目の方を受けるわ。どうすればいい?」
「カウンターにいるNPCに、紙を見せて、詳しい詳細を聞けば、スタートだ」
「おう、色々とサンキュな、マキナ」
カウンターに行くために、席を立った。
「いいさ、何かあったらメッセージくれ。酒場か、図書館に居るから」
なるほど、図書館とはマキナらしいな。
そう言えば、一つ気になった事がある。
「そう言えば、ギルドがあるって言っていたが、お前はどこかに入ったのか?」
そう、マキナはギルドに入ったのか、と言う事だ。
「ん?言って無かったっけ。俺、自分でギルド作って、そこのギルドマスターをしているぞ?」
「聞いてねーよ。ってか、お前がギルドマスターって、似合わねぇな。メンバーは居るのかよ」
今日久しぶりに会ったのだから、聞いている訳がない。
と言うか、こいつかマスターって本当に似合わないな。
「俺を入れて、五人いるよ。ギルド名は『神秘の図書館』だ」
「ほんと、お前らしい名前だな」
こんな奴が作ったギルドに入るやつは、よほどの変わり者なんだろうな……
「ギルド勧誘と王国の義勇兵勧誘も、酒場には貼ってあるから、見てみると良い。と言っても、ソロプレイを貫くんだろ?」
「ああ、その積もりだ」
「義勇兵してみろよ。寝床に給料も出る。一時的なものだから、所属した方が得だろ」
「ま、考えてみるさ。じゃまたな、マキナ」
「頑張ってね~♪」
マキナと別れ、張り切ってクエストに臨むのだった。