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ブランクワールド・オンライン  作者: 東條九音
第一世界 ~人間の世界~
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お使い

「やっと、目的の町に到着か。それで、次は如何するんだ、ユナ?」


「ここの酒場に、お茶の葉を届ければいいんだよ。けどソー君、ちょっと気が早いよ。まだ町が見えて来ただけだもの」


王都と始まりの町の間には、二つの町と山がある。

現在目指しているのが、始まりの町寄りに在る町『バーム』。

お使い系のクエストで、ウォルドからバームまでお茶の葉を届けて欲しい、と言うものを進めている。


「まぁーまぁ、そう言うなよ。もうすぐ到着なんだから」


改めて、俺はソーマ。人種で、職は侍をしている。

もう一人は、ユナ。こちらは、妖怪族・狐尾種で、職は魔法学者をしている。


ユナとは幼馴染で、ゲーム歴が長い俺と違って、ユナは素人。

そんなユナから、何かお薦めのゲームは無いかと聞かれ、最近話題だったゲーム『ブランクワールド・オンライン』を一緒にやらないかと誘い、今に至る。


最初は慣れないせいか、動きがぎこちなかったが、今は一通りの動作はスムーズに行える様になった。


「町の入口も見えて来たし、どっちが早く酒場に着くか、競争するか」


「いいけど、ステータス値でなら私の方が速いよ?」


「ハンデだよ、ハンデ」


数値では確かにユナの方が速いが、装備が和服のユナより、軽装の俺の方が、動きやすい。それに、慣れてきたと言ってもまだ初心者。負ける事は無いだろう。


「よーし、負けないよ。ヨ~イ」


「「ドン」」







結論を言おう。負けた。

油断していた訳ではない。


ルールを決めなかったのが間違いだった。

ユナがスキルの「変化」を使って、杖をスケート靴に変化させたのだ。


よって、負けた。


「私の勝ちだね、ソー君」


「そうだな、俺の負けだよ。それにしてもよく思いついたな」


「うん。スキルの説明を読んで、もしかしたら…って思ったんだよね」


なっるほど~、さすが頭の回転が速いだけはある。素人なのに早くも、スキルを使いこなしている。

それも、組み合わせときたか。


「でも、受付の人の反応がおかしかったよね」


「確かに、そうだったな」


ユナの言う通り、先程酒場に着いてクエストを完了したのだが、受付の反応がおかしかった。

厳密にいうと、ユナの耳としっぽを見てからの反応がおかしい。


「何か、獣人が如何とか言っていたよ。何かのイベントかな?」


「いや、イベントと言うよりストーリーに近い気がする。けど、ユナの耳としっぽに注目していた理由がよく分らないな」


本当に、良く分らない事がまだ多いから決めつける事は出来ないけど。


「あれってやっぱり、私に注目していたんだね。もしソー君の言う通りなら、これで大丈夫かな?」


そう言うと、ユナの耳としっぽが無くなった。


「どうやったんだ?」


「う~ん、どう言えばいいのかな?しまい込んだって感じかな?」


なんかいつの間にか、結構使いこなしているな。


「今後しばらくは、耳としっぽは隠していた方が良いかもな」


「ソー君がそう言うなら、そうしようかな。それにしても、これから如何するの?」


「そうだな~、今日はこれぐらいにしよう。今度やる時は、王都まで行ってみようぜ」


「うん、じゃあまた明日。学校でね」




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