表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/29

6話

2006年5月12日

日本海某海域

この日、日本国防海軍所属の親潮型通常動力哨戒潜及びその原子力化版である黒潮型攻撃原潜は韓国艦隊の行動を偵察すべく複数の哨戒任務に就いていた。

黒潮発令所

「何か聴こえるか?」

この時間帯の哨戒長である俺、柿村和弘機関少佐がそう小声で水測員で軍楽隊出身の野瀬二等軍曹に聞くと野瀬は静かに頷いた。

どうやら何か聴こえるみたいなので野瀬はヘッドホンを耳に当てて目を閉じてみた。

すると敵艦らしき推進音がいくつか聴こえてきたのである。

「哨戒長、音紋分析の結果、これらの艦隊の中には5千㌧級以上の艦艇が6、それ以下は多数いる模様です」そう野瀬が言うと俺はすぐにその情報を海図上の紙切れにメモし、海図にも書き込む。


そして黒潮はゆっくりとした速度を保ちつつ、微速前進で韓国艦隊を後から追跡する。

一応、敵も潜水艦に警戒しているのか、駆逐艦から断続的にアクティブソナー(水中探信儀)のコーン、コーンと言う短信音(ピンガー)が聴こえてくる。

「魚雷装填はしとけ。命令が来てからでは遅いからな」俺がそう命じると89式魚雷はすぐに発射管に装填され、発射管の蓋は閉じられ、あとは潜水艦隊司令部の命令を待つだけとなる。


しばらくすると1隻の敵駆逐艦が進路を変えると他の艦も次々に進路を変更、輪形陣が崩れ、艦隊は一直線に並ぶ。

ここが見島沖合いだと気が付き俺は艦停止を命じ、海図を再確認し、待機命令を出す。


そして一瞬だけ潜望鏡深度まで浮上、電子受信装置(ECM)を露頂させて状況を探る。

すると見島への上陸作戦とそれを支援する艦砲射撃射撃が現在進行形で行われているのが判明し、攻撃決定権が現地指揮官によって下される様になった。

俺はすぐに艦長室に向かい、琴原憲三中佐に承諾を貰った。


目標は旧米ペンサコラ級ドック型揚陸艦、恐らくアレに多数の兵力が乗っている筈だ。

俺はそう踏み即座に発射管1、2番へ注水そして発射命令を下す。すると2本の89式長魚雷はペンサコラ級揚陸艦へと向かい進んでいく。無論、護衛の駆逐艦はそれに感付くとアクティブソナーを放ち、少しずつとは言えこちらとの距離を詰める。


とは言え所詮はギアリング級(戦時中の)駆逐艦。ソナーが幾ら最新式のタイプへ換装されたとは言え、それに対応した解析装置の性能は船内電力もあってフルに発揮は出来ず、すぐに見失ったのである。

そしてギアリング級と共に護衛艦として行動していた最新鋭のKDX-2級駆逐艦に1発目の魚雷が直撃すると同艦は船体中央部を一瞬で引き裂かれ、轟沈。2発目を揚陸艦は何とか回避するも魚雷自体は船体の至近で自爆してペンサコラ級を航行不能に陥れたのである。だが、それでも揚陸艦が航行不能になっても上陸歩兵たちは揚陸艇で何とか見島へ上陸占領に成功したのである。


そして今後も黒潮を始めとした国防海軍潜水艦の哨戒任務は続きそうだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ