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27話

F-2が放った99式空対空誘導弾(AAM-4)を感知したKF-16は回避運動に移り、更に編隊が乱れて上空援護どころでは無くなる。


そしてその混乱の最中に制空隊のF-15とF-2に加え、別の方角から海軍のラファル(紫電Ⅱ)が同じく99式空対空誘導弾(AAM-4)を放つ。すると瞬く間にKF-16は撃墜され、福岡市上空の制空権を我が方が奪還したのである。


上空を取り戻すとすぐにC-130(ハーキュリーズ)C-1(蒼空)輸送機や最新鋭輸送機の試作機であるC-1X(蒼空Ⅱ)から陸軍の第1空挺団の隊員や海軍のSPU(特殊降下班)が次々に降下していく。


そして地上の戦車及び歩兵部隊も市街地の奪還に成功し、残るは港湾地帯だけとなったのである。


「どこもかしかも酷くやられたものだ……………」

山川中尉がそう呟くと彼の乗車の運転手の田辺軍曹が「しかしまだ福岡は良いほうですよ。対馬は噂によりますともっと酷く破壊されたみたいですよ」と続く。すると砲手の小滝兵長が「…………ん!?中尉アレを見てください!」と叫んだので彼が叫んだ方角を見るとここから港湾エリアに向かえる橋が幾つも落とされていたのである。


だが、すぐに陸軍工兵隊所属の91式戦車橋による架橋が行われ、山川中尉らの戦車中隊含むいくつかの戦車中隊がその橋を越えて港湾エリアへ向かう。


港湾エリア

「司令、日本軍が接近しております。どうか指示を仰いで下さい!」

見張りがそう言うと司令は「わかっている…………我々に勝ち目は無いが、かといって引く訳にはいかない。港内の残存砲艦に対し、市内への無差別砲撃を命じろ」と言う。すると通信員は「し、しかし…………市内にはまだ戦っている我が軍兵士たちがっ!」と言い、司令は涙ながらに「わかっている…………だがな、大統領の命令は降伏は認めず、最後まで戦い抜けとのことだ……………」と言うと通信員も流石に黙り混む。

すると自らも所属する部隊が最大の危機を迎えていると言うのに不敵な笑みを浮かべた政治将校が司令室に入室し、「その通りだ。お前らは駒でしかない。そして大統領閣下の命令に忠実に従うだけでよい…………」と言い放ち、通信員が「俺らにも意思はあるんだ、将棋の駒だなんてふざけたこ…………」と言おうとすると"ターンっ!"と乾いた音がして絶命した通信員は眉間から血を流して床に倒れ混む。

「わかったな?これが裏切り者や臆病者の末路だ…………」と政治将校が不敵な笑みを浮かべながら呟くと今度はある幕僚が腰のホルスターからM-1911拳銃(コルトガバメント)を抜き出し、政治将校に向ける。すると政治将校は「貴様!誰に向けていると思っているのかっ!」と政治将校が叫ぶとすぐにその幕僚はトリガーを引く。

"ターンっ!"と言う乾いた音がすると銃弾は政治将校の右目を潰し、政治将校は倒れ混む。

どうやら銃弾は政治将校に致命傷を与えたみたいだ。

が、絶命間際の政治将校は笑みを浮かべ倒れ混んだ。そしてそれと同時に15.5cm榴弾砲を搭載した松型砲艦は市内に砲撃を開始したのである。


低い榴弾の着弾音が響く中、幕僚長が「司令としてと君たちに生きる様に命じる。とにかく降伏も許可する」と言うと更に司令は「時期にここにも榴弾(たま)が落ちて来るだろう」と続くと次の瞬間だった榴弾が地下壕の天井を貫き、幕僚長の上に瓦礫が被さる。

「私など放って行かんか!」

幕僚長がそう叫ぶと司令も静かに頷き、敬礼した司令部スタッフたちは燃え上がる地下壕を後にする。


9時45分

砲艦に対して日本国防陸軍の対艦ミサイル連隊による攻撃が開始。10分後には博多港内の全砲艦の撃沈を確認。

10時30分

北部地下壕を脱した韓国兵、日本国防陸軍第11機械化歩兵師団に対し投降。11機歩師団はこれを了承。

11時00分

対馬海峡を抜けようとした今朝の海戦で同型艦を失った対独島級巡戦最後の1隻、対馬(テマド)(※1)が日本国防海軍の攻撃原潜黒潮の敷設した機雷に触れて大破航行不能に陥る。


5月29日深夜

金武軍大統領、憲兵隊により逮捕。臨時大統領となった統合幕僚議長の余来権空軍中将は各地の大使館に対日交渉を行う様に命じた。

6月1日、シドニーでの停戦交渉が開始。(~12日)

6月3日

日本国防軍、早朝より航空攻撃を行い、それに引き続き陸海空軍合同の空挺師団による対馬奪還作戦を開始。

遂に最後の戦いが始まったのである。

(※1)テマド

対馬の韓国語読み。彼らも対馬の領有権を主張しているので。

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