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22話

2006年5月26日

俺、野木原武雄少佐率いるアロー中隊及びストーム中隊が射程の長いAAM-4(99式空対空誘導弾)で空母漢江搭載のミラージュⅤ戦闘機を排除すると護衛対象であった紫電Ⅱ(ラファル)及びF/A-18(ホーネット)戦闘機が一斉に上昇しながらトス方式で対艦ミサイルを一気に離脱していく。だが、生き残った韓国海軍の戦闘機隊は日本側の攻撃隊を追撃すべく一気に加速する。


「来たか………各機、ドッグファイトに備えろ!!」

そう俺が呟くとレーダーを短射程ミサイルに対応した格闘戦モードに切り替える。

そして視程内に敵が入ってくると照準器の菱形の照準線が表示され、レーダーにも同じような表示がなされ、俺はAIM-9(サイドワインダー)発射用トリガーの上に指をかざす。

「………アロー1、フォックス2!!」

俺がそう言うと1発のAIM-9(サイドワインダー)用のレールに装備されたAAM-3(90式空対空誘導弾)が放たれ、目標へと白煙を引いて飛翔する。

そして俺は敵機のいる方角を睨みつつも、操縦桿を倒し機体を急旋回させる。

とは言え前方よりも敵機の方角を見ているので衝突などにも気を付けないといけない。だが俺は飛行学校の計器飛行を首席で卒業しているので自信はある。

とは言っても計器飛行とは違うので矢張り気を使う事とした。

それにしてもF-15DJなら後方の射爆管制員が向いた方角にミサイルが向かってくれるのでリスクが下がるのでそれほど有難い事は無いと俺は思っていたが、そんな事を考える暇もなくミサイルは敵機を追い詰めるべく敵機との距離を詰めていた。


ミラージュⅤ戦闘機はミサイルをかわすべく急旋回を試みるも赤外線画像誘導方式のAAM-3(90式空対空誘導弾)はミラージュ戦闘機を糸も簡単に追い詰める。

そして他の機体が放ったAAM-3も次々に韓国海軍の戦闘機隊を撃墜する。

だが相手も果敢に格闘戦に挑んでくるが、すでに多勢に無勢であった。


そしてその数分後、韓国海軍の空母部隊司令官は戦闘機隊に対してミサイル迎撃を命じるもすでに統率が取れなくなっており、既に空母へ戻る以前に操縦士たちは混乱した挙句、射出座席のレバーを引いて脱出したものや、そのまま墜落して行ったものが相次ぎ、国防空軍側も既に燃料が足りなくなり奪還したばかりの佐賀空港へ向けて離脱していったのである。


空母漢江戦闘指揮所(CIC)

「対艦ミサイル多数飛来!」

電測員がそう言うと艦長は「戦闘機隊、迎撃しろ!!」と即座に戦闘機隊に対してミサイル迎撃を要請するも戦闘機隊はさっきの空戦で混乱しておりそれどころではなく、護衛のKDX-2級駆逐艦や松型フリゲートにフレッチャー級駆逐艦がミサイルをのべつまくなしに放つと何発かのミサイルを阻止するも、その数秒後に突然、物凄い衝撃が艦を襲ったのである。

「被害状況知らせ!」

艦長がそう言うと応急班が艦内電話で『左舷昇降機に被弾!戦闘機7機全損、負傷者多数!』と報告すると更なる衝撃が艦を揺らし、やがて左舷に船が傾斜していることに気がつく。

「右舷水蜜区画へ注水!機関室への浸水は何としても食い止めろ!」と艦長が言った次の瞬間であった、巨大な爆発音と衝撃が艦を襲ったのである。

「な、何が起きたんだ!!」司令がそう叫ぶと伝令が「だ、弾薬庫火災!現在、応急班が消火を実施していますが、火の勢いは留まりません!」と報告し、艦長はすぐに「乗員各位に告ぐ。すでに本艦の復旧は絶望的だ…………総員退艦、繰り返す総員退艦せよ」とマイクへ向けて言う。すると旧北系の艦隊政治将校が艦長に拳銃を向けて「この臆病者がぁ!」と叫び、トリガーを引こうとすると突如、飛び掛かって来た乗員が艦長に代わって撃たれて腹から血を流して倒れこみ、更に複数の乗員が政治将校から拳銃を奪い取りその政治将校を束縛する。


「……………私についてきてくれた君たちには感謝するよ」

艦長はそう乗員に対して言うと戦闘指揮所(CIC)にいる政治将校以外の全ての者に対して総員退艦命令を下し、艦長たちは破壊された通路を抜けて甲板に出るとキャットウォークにある救命筏を投げ込んでから海面へと飛び込む。


そして乗員たちに見送られる中、漢江は爆発を起こしながら水深50mの沖合へと沈んでいったのである。


とは言え脱出したとしても福岡に上がれば軍の警務科に艦を捨てた容疑として軍法会議に掛けられる可能性があったので、一時的に相島と言う無人島へ上陸する事逃げてにしたのである。


そして数日後、相島を奪還した彼らは日本国防軍の捕虜となったが、その待遇は極めて良いものであったと言う。


一方、地上では日本国防陸軍の機甲師団が勝利を重ね、福岡市南部の奪還に成功。

いよいよ北部までたどり着こうとしていたが、韓国陸軍の福岡占領部隊の戦車等のありとあらゆる装甲車両の残存戦力をすべてかき集めたが激しく抵抗していた。


「敵もしぶといな………」

90式戦車の戦車長である大尉の俺、宮村正輝がそう呟くと部下で、砲手の金田昌男(まさお)曹長が「その通りですが、何か嫌な予感がしませんか?」と続いたので俺は「どうしたのか?」と続くと金田は「ほら?アレですよ、あれ!」と続く。


すると前を走っていた少し隊長車が突如、爆発に巻き込まれ更にRPG-7と思しき対戦車ロケットが命中し、隊長車からの通信が途絶える。

「金田、後続の車両へ伝達!!隊長者被弾、隊長の消息は不明、撤退急げ!!」と金田曹長と井村隆3等軍曹に伝えると、俺は車両を後ろに下げるように命じたのである。


どうやら敵もタダで福岡まで向かわさせてくれないようだ………

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