21話
今回は様々な映画のオマージュシーンが結構あります
2006年6月1日深夜
韓国・ソウル
大統領宮殿地下防空壕・作戦室
陸海空軍の参謀総長が集まり、金武軍大統領に対して作戦状況を説明し、情勢を聞いた大統領が現在の空母漢江機動部隊の状況を聞く。すると状況を説明していた統合参謀議長の海兵隊大将が「大統領閣下、漢江機動部隊は…………」と言うと海軍参謀長の大将が「空母漢江が日本軍の奇襲で大破。戦闘能力を喪失しました…………」と続くと大統領は眼鏡を取り外し、参謀長や書記官以外に退出を命じた。
すると金大統領は大声で罵声を参謀や書記官へ浴びせ、鉛筆を折り、机に拳を叩きつけながら怒り狂い、部下は反論しようとしない。それは反論すれば自らや家族の命に関わるからだ。
しばらくして大統領は落ち着きを取り戻すと対馬防備隊に決戦兵力として首都防空飛行隊所属機を含む残った全てのF-15K戦闘爆撃機を回し、決戦に備える様に命じたのである。
だがそんなとき、李領来空軍大将が突如、「お前は今、この瞬間戦っている将兵が将棋の駒にしか見えないのか!」と叫び始めるとすぐに腰に掛けていたホルスターから年季の入ったコルト・ガバメントを取り出し、銃口を全ての元凶であり、彼の上司でもある金武軍大統領へと向けたのである。
銃口を向けられた金武軍大統領はすぐさま「貴様ぁああ!誰に拳銃を向けているか分かっているのか!この大馬鹿ものがぁあああ!」と叫部とそれに対して李大将は「もちろんわかっていますよ。大統領、あなたこそ立場を理解されたほうが良いのでは?」と続くと金は「おい、警護隊!この反逆者をはやく始末しろ!」と命じ、大統領親衛警護隊憲兵隊が李大将にAK-47機関銃を向け、彼は「これで形勢逆転だな」と呟き、機関銃を突き付けられた李は手を後にやり壁際に追いやられるが、不敵な笑みを浮かべ、大統領に「何がおかしい?」と問い詰められてもそれに動じる気配を見せない。
しばらくしてドアが開くと親衛警護隊所属の伝令兵が飛び込んで来て「閣下、大変です。空軍の第23戦闘機中隊が反乱を起こし、この場所へ向かっています!」と報告した次の瞬間だった、部屋の中に爆音が響き、天井が震え、衝撃で揺れる。
金大統領が「このぉぉおお!」と叫ぶと李大将を取り押さえていた親衛隊員に李の射殺を命じたが、次の瞬間には金兵真陸軍及び余凛平海軍大将が丸イスで李空軍大将を取り押さえていた隊員の頭部に殴りかかり、二人の親衛隊員は痛みで倒れ込んだのである。
そして陸海軍の大将が倒れ込んだ親衛隊員の持っていた旧ソ連製の機関銃を奪いとり、更に李が自らを取り押さえていた親衛隊員の分隊長である中尉の腕を踏みつけると大統領に対して「形勢逆転だな………」と呟き、いつも強きな金武軍大統領もこの時ばかりは怯えた表情をして「や、やめてくれ!……こ、殺さないでくれ……………」と弱々しく言ったのである。
だが金大統領の願いも空しく、李は引き金を引き、金は腹部を撃ち抜かれ、意識朦朧とするなかで李ら3将軍の部下により連行されたのである。
それを見届けてから李が「ふぅ…………」と呟くと彼は拳銃をホルスターに仕舞い、煙草に火を付けたのである。
この大統領府の騒動の前日には日韓戦争の最後の海戦となった五島列島沖海戦で日本国防海軍が大勝利を収め、長崎~大分~福岡のラインが全て日本側に奪還され、対馬でも既に日本側の上陸が開始されているとの報告が入り、臨時大統領となった李領来空軍大将は3日以内に日本と停戦すべく行動を開始したのである。