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14話

2006年5月19日早朝

佐渡島上空900m

この時、国防空軍に所属するC-130H及びC-1輸送機計18機が空軍のF-15及びF-2戦闘機、海軍のF-14、F/A-18にラファル(紫電Ⅱ)戦闘機の護衛されながら空挺隊降下高度を飛翔していた。


「アルファ隊、降下せよ!」

そうある空挺隊の隊長がC-130の貨物室で言うとカーゴドア(後部荷物搬入扉)が開き、落下傘を背負った空挺隊員が一斉に飛び降りる。


彼らは飛び降りると青いカラースモークを曳きながら大の字で空中を降下し、やがて落下傘が開くと普通に降下し始める。


既に前日から続く扶桑による容赦無い艦砲射撃で佐渡島内の韓国軍施設は多大な被害を受けており、辛うじて島北部に逃げた3個歩兵大隊が生き残って、各地で抵抗を続けていた。


閑話休題。空挺隊員たちが降下してくるのに備えて韓国兵は狙撃手を山頂に配置し、街中にはRPG-7や(映画やFPSで)AK-47(お馴染みの)といった(テロリストやゲリラ)ソ連製の(の代名詞とも言える)兵器を持った韓国(旧北系)兵士が多数、街中で待機していた。


空挺隊が降下すると、彼らへ洗礼と言うばかりに建物と言う建物から潜んでいた韓国兵の持っていた機銃弾やロケットが襲いかかる。

『こちらベータ隊、3名が死ぼ………ぐわっ!』『チャーリー隊より………ぐはっ!』

「各位、周囲に気を配れ!何かがおかしいと思ったら連中はそこにいる!」と軍歴17年のベテラン軍曹が言った次の瞬間、軍曹の眉間を12.7㍉機銃弾が貫き、軍曹は一瞬で倒れる。


状況は最悪だ。だがその時、上空を日本国防海軍所属の重厚で力強い迷彩柄のヘリが通り過ぎたのである。

その機体の名はAH-64DJ(アパッチ・ロングボウ)、高度な敵探知能力と攻防能力に加え、優れた機動力を兼ね備える高性能攻撃ヘリである。今の日本国防軍兵士からすると地獄に現れた天使。韓国兵からすると死神でしかないだろう。

実際、ベトナム戦争やインドシナ大戦時にはAH-64の前任者たるAH-1コブラ攻撃ヘリはA-1スカイレーダー攻撃機と共にCAS(近接航空支援)(※1)任務や救難機の護衛(※2)として縦横無尽に密林の上空を飛び回り、地上で苦戦する友軍兵士を力づけ、救出を待つパイロットたちを安心させたのである


上空を通り過ぎたAH-64は敵を見つけ出すと即座に機首に装備された30㍉チェーンガンを浴びせ、残敵地上兵を掃討する。


だがそんななかでも韓国兵は抵抗を続け、国防軍に対する攻撃をやめようとしない。更に物影に隠れていたある韓国兵が神弓携帯式地対空誘導弾(MANPAD)をAH-64DJに向かって放ったのである。

やがて神弓ミサイルはAH-64の胴体に直撃し、その機は左側エンジンから火を噴く。

『メーデー!メーデー!こちらアーチ1、左エンジンに被弾!油圧及び出力低下中、右エンジンも油圧が低下している』

そうAH-64の操縦士が言った次の瞬間、もう1発の地対空誘導弾(MANPAD)が直撃する。

『大尉。左エンジン出力喪失、右エンジンの油圧及び出力が急激に低下中!』

射撃手(ガンナー)副操縦士(コ・パイロット)である中尉がそう報告すると操縦士である大尉が『くそっ!』と叫びつつも操縦桿を強く握り締めて、敵がいないと思われるエリアへ強硬不時着を試みるが、次の瞬間、また別の歩兵が持っていたRPG-7が燃え盛るエンジン部に直撃、いくら重装甲な機体でも火災箇所への被弾に耐えられず大爆発を起こしたのである。

だが、”虎は死して皮を残す”と言ったばかりに破片は敵陣地に降り注ぎ、鋭利な破片は路上にいた敵兵を次々と殺傷する。

が、それと同時に韓国側の狙い通りヘリの残骸は佐渡島市内の建物を多数破壊、それの立て直し復興時間がより必要になりそうになったのであった。


それはともかく、まだまだ佐渡島の戦闘は続きそうだ…………

※1 近接航空支援、Close Air Support=CAS

航空火力による地上味方軍への支援攻撃の事。ベトナム戦争で用いられ、その後も採用されている戦術。米空軍では現在、A-10によって行われている。

※2 救難機の護衛

ベトナム戦争時に撃墜された友軍機を救出する際に輸送ヘリの護衛とCASを兼ねたヘリや攻撃機が存在しており、固定翼機では低速なA-1が担当した。

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