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11話

2006年5月18日

佐渡島で空挺奪還作戦が始まった頃、九州でも反撃の狼煙が上がろうとしていた。

鹿児島沖では原子力戦艦長門は空母瑞鶴を中心に多数多数の艦艇が北北西へ進んでいた。


目的は一つ。自らを囮に韓国海軍済州島空母/戦艦機動艦隊を吊りだして、沖縄から北北東へ向かっている友軍艦隊と合流した後に艦隊決戦を仕掛けると言うプラン である。

無論、対艦攻撃は空母機のASM-1/2(80式空対艦誘導弾)や長門含む水上艦搭載のSSM-1B(88式艦対艦誘導弾)及びSGM-82(ハープーン)ミサイルによる波状ミサイル攻撃が中心であり、長門や那智いや戦艦の主砲の役目は恐らく対艦ミサイルの効き目の薄いであろう独島級重巡洋戦艦(戦艦の様な巡洋艦)への誘導砲弾による攻撃とされていた。


長門戦闘指揮所(CIC)

「新田原の偵察機(RF-4EJ)より入電。敵艦隊は五島列島沖を通過。上手く吊れています」

そう通信員が言うと第1国防艦隊司令は即座に「瑞鶴を霧島とその随伴艦の護衛の元、後方へ下がらせろ!加えて上空直援機を上げろ!」と命じる。

艦長の俺、戸村真大佐は対空、対潜、水上目標に対する警戒と見張を厳重にする様に命じる。


しばらく静寂があたりを包み込み、スクリーンには戦闘エリアの情報やレーダーに捉えられた敵機の位置情報が表示されていただけで、ミサイルや航空機の表示はされていない。

が次の瞬間、別艦隊の空母隼鷹搭載の早期警戒(AEW)E-2CJ(ホークアイ)が水平線彼方から飛来する高速目標を捉え、それを情報処理に長ける母艦隼鷹やその同型艦瑞鶴、そして艦隊指揮の中枢たる長門や那智へ転送したのである。

「対空戦闘用意!」

艦長の俺がそう命じると戦闘指揮所は慌ただしくなり、各水蜜区画の封鎖状況や火器管制装置がオンラインである事が表示され、データリンクが僚艦と接続されている事が示される。

「瑞鶴より入電。我、"迎撃戦闘機発進準備完了ス"とのことです!」と通信員が言うと司令は「よし…………」と続き、スクリーンには瑞鶴から友軍を示す航空機が多数表示されていた。

そしてE-2のレーダー情報を詳しく解析すると敵情が明らかになる。噂だと韓国空母搭載機には確実に新型機が含まれていると言う事で、それに警戒をしていた。もっともレーダーについてはこちらが勝っており、統制能力も同様だが、当然油断はならない。

しばらくするとF-18、F-14、ラファルが次々とAAM-4(99式空対空誘導弾)を放ったことがデータリンクを通じてレーダースクリーンに表示され、相手側のミサイルも表示される。

とは言え、E-2AEW機経由で新たな情報が更新されているこっちのミサイルは敵へちゃんと向かい、2機のミラージュF-1を葬り、1機のMiG-29を撃墜する戦果を挙げるも、こちらもF/A-18A/B(レガシーホーネット)が3機やられ、F-14Dが危うく被弾しそうになったと報告が入理、スクリーンにそれが映る。


やがてスクリーン上の航空機が入り乱れた、つまり至近距離での空戦へ突入するとF-18A~D、F-18EやF-14D/Eにラファルが果敢に韓国軍のKFA-29に挑む。


両者互いに譲らず。最新鋭の敵戦闘機は激しい機動で新米操縦士の操っていたF-18Eを追い詰めるものもあれば、ベテランの乗るF-18AがKFA-29を追い詰めて、フレアで目を眩ませたところを急加速して衝撃波で撃墜するなどもはやゲームや映画、アニの様な事態も起きたが、最終的に空戦は日本側23:韓国7で日本側勝利でおわり、何とか対艦ミサイル攻撃を阻止したのである。


とは言え我が方の辛勝であり、相手側もそれなりの戦果を挙げていたので次はどうなるか、それは不明である。とはいえ、KF/A-29のデータが手に入ったのでそれを同盟国軍や欧州各国に渡すことで、今後の日本の安全保障政策にプラスになる事は間違いない。故にKF/A-29との交戦は戦略的にも戦術的にも勝利ともいえる。


それはともかく空戦が終わってしばらくすると韓国側が国産対艦巡航ミサイルをこちらへ向けて次々に放ち、対艦飽和攻撃を開始したのである。

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