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10話

11話ではなく10話でした!!

指摘してくれたくらま先生には感謝です。

2006年5月17日

佐渡島沖北東数百km

強襲揚陸艦伊勢甲板上

「攻撃隊。スタンバイ!」

甲板員の少尉がそう言ってポーズをとると、追加タンクや対電源誘導弾、自衛用のAAM-3などを搭載したA/V-8CJ(ハリアーⅡ)攻撃機に搭載されたエンジンが4基の噴射口から力強い推進音を立て甲板を滑り始める。

A/V-8CJ”ハリアーⅡ”。

英国が1960年代に開発及び採用し、後に興味を示した米国が発展させたVTOLすなわち垂直(Vartical)(Take Off)着陸(Landing)式の航空機で、開発元の英空軍(RAF)英海軍航空隊(RFAA)を始め、米海兵隊(USMC)やイタリア及びスペイン海軍の航空隊にインドやタイ海軍も装備する多目的戦闘攻撃機となり、高い性能が世界中で評価されている。そしてこのCJはBをベースに日本向けの改良を施し、レーダーをF-18と同一にし、独自開発の赤外線照準装置などを搭載したハリアーの最高傑作ともいえる機体である。

事実、英海軍航空隊(RFAA)所属の同機はフォークランド戦争では空戦においてアルゼンチン機に対して圧倒的なキルレシオを保ち圧勝。島内に立てこもる陸上部隊への攻撃でも多大な戦果を挙げており、高い汎用性は大きく証明されている。


閑話休題。ハリアーは伊勢を発艦すると低高度を保ち、佐渡島へ近付き敵側の対空レーダーの探知圏外、すなわち相手の懐に潜り込もうとする。


因みにハリアーに搭載された電波警報装置連動型自動操縦装置は敵勢レーダー波を捉えるとすぐに機体を海面高度へ降下させて相手のレーダーの死角へと潜り込む仕組みとなっている。


だがその中で1機のハリアーが囮として敵レーダー波の波長を調べるべく高度を上げて自機のARM-1対電源誘導弾にインプットし、それをミサイル自身の情報共有システムにより味方機やミサイルと情報を共有する。

無論、敵はそのハリアーの存在に感ずいたのか、すぐに地対空誘導弾(ブークミサイル)の狙いをハリアーに定める。

そしてその数秒後、ブークを感知したらすぐに攻撃隊長である村川靖中佐が発射ボタンを強く押し、『アルファ1、フォックス1!』と叫び、他の機体からも1機2発、計12発のARM-1対電源誘導弾は一斉に目標へと飛翔していく。それと同じタイミングでブークミサイルもハリアーやミサイルへ向かって狙いを定めて飛翔する。


無論、ブークミサイルはハリアーや対レーダーミサイルより遥かに速く、1機のハリアー及びミサイル2発を撃墜したかと思うとミサイルはブークの捜索用レーダーを破壊し、ミサイル自体の破壊にも成功。多数のミサイル射撃員が爆死し、焦げ炭と化したが、運悪く別のハリアーが撃墜されたのである。

とはいえ、ミサイル施設の破壊自体は成功したので空挺隊の輸送機にとって大きな脅威は佐渡島占領防空部隊の戦闘機のみとなったのである。


とは言え、戦闘機部隊に関しても空母翔鶴及び強襲揚陸艦伊勢からなる佐渡島奪還艦隊の総旗艦である空母翔鶴から飛来したラファル(紫電Ⅱ)及びF-18E/F(スーパーホーネット)による威力偵察部隊の迎撃に出動するも、ラファルとF-18はAWACSの支援を受けて敵に捉えられないエリアの飛行を実施、北部の島影から低空で近づいたので韓国側はMiG-29を要撃に上げるも、ルックダウン能力の低いレーダーを持つ旧北朝鮮空軍のMiG-29はすぐにF-18とラファルを見失ってしまい、最終的に日本側の島北部への偵察は成功に終わった。そしてさらに言えば偵察が成功したと言うのは韓国側にとって佐渡島北部の部隊配置を変更せねばならなくなったと言う意味にもなるが、日本側が近い内に上陸するであろうから変更は難しく、そのままの配置を続けざるを得なくなったのである。


一方、我が方は小松や新潟基地に多数のF-15が集結し、F-2戦闘攻撃機も三沢や松島から駆け付けて佐渡島制空作戦の為の準備を終えて次々と基地から空へ舞い上がり、空母翔鶴からもF-14EとF-18、そしてラファルが飛び立とうとしていた。


任務は佐渡島の制空権の完全掌握。北海道紛争時以来2回目の佐渡島沖海空戦の幕が遂に開こうとしていた……………

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