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SECRET≠BUDDY  作者: 早見綾太郎
SCENE.01 『秘密の相棒』
4/15

【背中合わせの関係】


              ***


 ――隠れ家をあとにして、帰宅したのが午後十時過ぎ。

 シャワーを浴びてリビングに赴き、夕食にカップメンを食べる。

 程なくして、妹の杏奈が帰って来た。

「ただいまー! ゴメンね~、良太兄ぃ。夕飯の支度できなくて」

「それは別にいいが……最近やけに帰りが遅いな?」

「うん、私もね、ちょっとアルバイトを始めたの」

「アルバイト?」

 杏奈はバタバタと着替えを済ませ、コンビニのレジ袋から買って来た弁当を取り出してレンジにかける。

「知り合いの紹介でね、学校には内緒なんだけど」

 確か杏奈の通う女子高は、校則でアルバイトが禁止されていたはずだ。

「別にそんなことしなくても、お前の小遣いなら、毎月、叔父さんが決まった額、振り込んでくれてるだろ?」

「まぁ、そうなんだけどさ~。なんか悪いじゃん? 生活費や学費も出して貰ってるのに、その上、お小遣いまで……。やっぱり、自分が使う分くらいは自分で稼いだ方がいいかなぁ~って、ちょっと思ったの」

「そうか……」

 まぁ、その心意気は立派だが、せめて学生の間くらい金のことなんて気にせず、部活や勉強や、仲の良い友達と遊ぶ時間に当てて欲しいと思うのは、そうすることの出来ない俺の身勝手だろうか。

 杏奈は温めた弁当を持って俺の向かいに座ると、こんなことを言う。

「でもさ、叔父さんってどんな人なんだろう? 小さい頃に会ったことがあるっていうけど、私、正直言って顔も覚えてないんだよねー。良太兄ぃは?」

「俺ももう何年も会ってないな」

「今は転勤で海外にいるんだっけ? お礼を言いたいんだけど、電話しても全然繋がらないし……。やっぱりお仕事が忙しいのかなぁ」

「俺はときどき電話で話してるぞ?」

「嘘~っ!? それなら私にも代わってよー!」

「そうだな。今度、電話があったら教えてやる」

「絶対だよー」

「はいはい」

 ――両親のいない俺たち兄妹は、外資系の貿易会社に努める叔父さんから生活費・学費等の援助を受けて生活をしている……と、いうことになっているが、本当はそんな叔父さんなんて存在しない。

 母は杏奈が生まれてすぐの頃に他界、父は五年前、表向きは交通事故により死亡したことになっているが、その実、俺の父・影村俊介こそ、先代の『ミスター・ノーボディ』だった。

 俺は任務中、不慮の事故によって殉職した父に代わり、コードネームを受け継いで、裏稼業の世界に足を踏み入れた。

 故に、俺たち兄妹の生活費・学費を含む費用のすべては、俺が毎月、叔父さんの名義で銀行に振り込んでいる。スパイだの、裏稼業だの、なんとなく格好の良いように聞こえるが、煎じ詰めればただの犯罪行為だ。無論、杏奈に知られるわけにはいかない。少なくとも、杏奈が大学を出て、独り立ち出来るようになるまでは、絶対に……。

 妹も中学の頃までは、会ったこともなければ電話もメールも通じない、ただ、毎月金だけはちゃんと振り込んでくれる〝叔父さん〟の存在に疑問を抱くこともなかったが、それも最近は少しずつ疑り始めている様子だ。

 必要であれば、適当なエキストラを雇って、叔父さん役をやらせることも頭に入れておこうと、俺はそんなことを考えるのだった。


              ***


 ――翌日、予定通り新人アルバイトを装って研究施設に潜入した俺は、現場の下見を終えて、衛兵の人数や配置、館内の実際の様子など一つ一つ確認したあと、手に入れた情報を元に詳細なプランを練り上げた。

 その翌々日には、作戦を決行に移す手筈が整い、その日の深夜――……。

 午前二時二十五分――定刻通り、俺とベルは現場付近の路肩に『市内巡回パトロール中』と書かれたワンボックスカーで乗りつけた。

 車内で速やかに装備を身に着けつつ、無線でドクターに確認を取る。

「どうだ、そっちの様子は?」

『既にセキュリティーシステムの制圧は完了しとるで? 監視カメラや赤外線センサーの類はあらかた潰してあるけど、中にはサイバー接続されてないタイプの警報装置もあると思うけん、それに関してはそっちで対応してな?』

「了解……」

 今回は作戦の都合上、二手に分かれて進行する。

 まず、ルートAの侵入経路を通って執務室に侵入、OSからオリジナルデータを抜き取り、その後ウイルスによってHD内のデータを破壊する役目は俺が担当。ルートBから資料室に侵入し、予備金庫から複製資料を盗み出す役目はベルが担当する。衛兵の巡回経路、建物の構造的な問題など考慮した上で、より困難であると推測される執務室への潜入を俺が担当し、ベルには比較的難易度の低い資料室を任せた。もとより資料室の方は典型的な金庫破りだ。まともな訓練を受けていない空き巣でも、それなりの経験があれば三分程度で、今回の場合、ドクターから渡された装備があるので、十五秒もあれば完了するだろう。あとは簡易トラップに気をつけるだけで、それほど難しい内容ではない。彼女一人でも、十分に達成可能なミッションだった。

「ミスター、そろそろお時間です」

 助手席から緊張した面持ちのベルに声を掛けられ、時計に目をやる。

 ――[AM 2:30]

 よし……。

 俺は通信機越しのドクターにも聞えるよう、声を落として宣言した。

作戦開始(ミッション・スタート)だ――」


              ***


 路肩に停めてあったワンボックスカーから飛び出し、影のように敷地内を駆けて行く二人組の姿を、遠くビルの屋上から赤外線スコープで見守る者があった。

「フフ、始まったみたいね……」

 薄いカーディガンの裾を風に翻しながら、屋上の淵に立ったミス・コニーレッドは、隣に佇む仮面の少女に教えた。

「よく見ておきなさい、アプリコット? あれがいずれあなたのライバルになる、Mr.ノーボディとMs.チェリーベルよ?」

「ふぅ~ん」

 少女は軽佻浮薄な態度で鼻を鳴らした。

 渡されたスコープで二人の姿を確認しながら、ニッと、まだ幼さを残した頬に、恐れを知らない悪戯っ子のような笑みを浮かべる。

「エへへッ、それじゃあ。お手並み拝見~♪」


              ***


 …

 ……

 …………


 ――任務を終えてアジトに帰還すると、今回ミスをやらかしてしまったベルは、鼻ヒゲ眼鏡で待ち構えていたドクターから、早速、嫌味を言われた。

「ウチは事前に忠告しとったはずやんなぁ? こっちで解除できんタイプの警報装置もあるけん、十分注意しぃって? それやのにアンタときたら、金庫に仕掛けられとった熱源感知センサーに気づけへんかったやてぇ? そんな初歩的な凡ミス、考えられんわ! ホンマにあんたそれでもスパイなん?  トーシローの空き巣かて、もうちょっと慎重に仕事するで?」

「……すいません」

「すんませんで済んだら警察はいらんねん、このアホゥ!!」

 通信で声を聞いたときは、それほど怒った様子もなくフォローに回ってくれたのだが、本人を目の前にして、ドクターの怒りが爆発したようだ。

 まぁしかし、ドクターの言い分は全面的に正しい。金庫の周囲に簡易トラップが仕掛けられていないかを確認するのなんて基礎中の基礎だし、今回の場合、それを怠ったベルが全面的に悪いのだが、これ以上、失敗を責めて自信を失くされると困る。俺はドクターの説教に水を差す形で仲介に入った。

「ドクター、もうそのくらいでいいだろう? ベルだって自分が悪いのはよくわかってるんだ。ちゃんと反省もしてる。そうだろ?」

「はい……」

 それでも怒りの治まらないドクターは、呆れたように溜息を吐いて言った。

「相変わらず甘いなぁ~、アンさんは! アンタがそんなんやから、こン子はいつまで経ってもしょうもないミスばっかしよんねん! アンさんからも、いっぺんガツンと言ったりぃ~な!」

 俺はベルの方を振り返り、思わず怯えたように肩を竦める彼女の頭に、ぽんぽんと軽く手を置いた。

「こらぁー! なにしとんねーん! ウチの話、聞いとったんかーっ!?」

 後ろの方で口やかましく抗議するドクターを無視して、俺は言った。

「――あまり気を落とすな。失敗を反省することも大切なことだが、それと同じくらい割り切ることも肝心なんだ。特にこの仕事は命懸けだからな? 下手に気に病まず、教訓だけを次回に持ち越して、それ以外は全部忘れろ。任務の最中だってそうだぞ? 行動は慎重に、それ以外のところはとことんまで楽観主義で押し通すことだ。死神に魅入られんようにな?」

「はい……。ミスター、今日は本当にすみませんでした」

 粛々と頭を下げるベルに、俺は軽く笑って答えた。

「気にするな。多少のアクシデントはあったが、結果的に任務は成功したんだ。結果オーライだよ」

 俺とベルのやり取りを傍から眺め、ドクターはすっかり拗ねていた。

「なんやねん、もぅ……これじゃあ、ウチだけ悪者みたいやん……」

 仕方ないなと俺は肩を竦め、今度はドクターのフォローに回る。

 防火扉の操作しかり、なんだかんだで、ミスを犯して追い込まれたベルを手助けした張本人はドクターだ。俺とベルがあれだけ銃撃を受けながら、ほぼ無傷で済んだのも、やはりドクターの作ったガジェットのおかげである。

 しかしながら、あの戦闘服だけは、どうにかならんもんだろうか……。

 目立ちすぎる上に、あれじゃあスパイというよりは怪盗だ。まぁ、スパイも怪盗も、やってること自体はほとんど変わらないのだが……。

「ドクター、今日は助かったよ? 俺もベルも、アンタに助けられたんだ。ホントに感謝してる」

「ふんだっ、そんな仕方なしに言われたって、嬉しくないわぃ……」

 ドクターは面映そうにそう言って、ついっとそっぽを向く。

「フフ、素直じゃないな。信頼してるぞ?」

「うるさいっ……」

 ベルが居住まいを正し、そんなドクターの方を向いて言った。

「ドクター、今日はごめんなさい。私、反省してます。次からは気をつけますから、許してください……」

「ん~、うるさいうるさい。もう帰れ、アンさんもベルっちも嫌いや~!」

 すっぱい物でも食ったかのように、顔を真っ赤にして唇を尖らせたドクターは、そんな捨て台詞を吐いて、さっさと部屋に逃げて行ってしまった。

 あれじゃあ、まるっきり子供だな。

 残された俺とベルは顔を見合わせて、くすっと笑う。

「それじゃ、俺は帰るぞ?」

「はい、お疲れ様でした。お気をつけて」

「ああ……」


              ***


 ミスターNが去ったあと、私も荷物の入った紙袋を抱えてアジトを出た。

 駅近くの公園にある人気の失せた公衆トイレで、特殊メイクを落とし、ウィッグを外して仕事用の変装を解く。

「はぁ……」

 衣装を脱いで普段着の軽装に着替えると、その途端、どっと疲労感が込み上げてきて、思わず溜息が口をついて出た。

「今日もまたミスしちゃったなぁ……」

 ドクターがあんなに怒るのも無理はない。実際、これでもう何度目だろう?

 ミスターは気にするなと言ってくれたけど、さすがに落ち込む。

「やっぱりこの仕事、向いてないのかなぁ……」

 

 ――私、桜坂鈴音が、この仕事に就いたのは今から一年以上前のこと。

 ウチの家は、お父さんがこの金恋市で会社を一つ経営していた手前、そこそこ裕福な家庭だった。

 しかし、事業の失敗でお父さんの会社は間もなく倒産。両親は失踪し、一人残された私は借金取りに捕まって、逃げた両親の代わりに、数千万円にものぼる負債の返済義務を課せられることになった。勿論、一介の女子中学生だった私にそんな大金が支払える筈もなく、そこで闇の金融業者から紹介されたのがスパイの仕事だったのだ。体を売るような仕事じゃなかっただけマシだと思う反面、仕事の内容が命の危険に直結する分、ヤバさという意味では明らかにこっちの方が上だ。どのみち拒否権なんてものはなく、流されるがまま、私は裏家業の世界に身を置くことになったのだ――。

 家族も住む家も失い、右も左もわからないまま、なりゆきでスパイになった私を支えてくれたのは、同じ職場の〝ミスターN〟だった。

 Nは優秀で、仕事が出来て、いつも落ち着いていて、大人で、優しくて、私が何か失敗をしても、嫌な顔一つせずに手助けしてくれる。

 私にとって、Nは憧れの存在だった。

 けれど、私はあの人のことを何も知らない。

 素顔も、本当の名前も、普段は何をやっている人なのかも分からない。

 知りたい。本当はもっとNのことをよく知りたい。

 だけど、それは出来ないのだ……。

 ――例え同じチームで一緒に仕事をする仲間であっても、決して正体は明かさないのがスパイの掟。それに、たとえ私にその気があったとしても、Nの正体に辿り着くことは出来ないと思う。素人に毛が生えたような私とは違い、あの人は本物のプロフェッショナルだ。私なんかがその秘密を探ろうとしたところで、簡単にボロを出すとは思えないし、万が一それを知ってしまったら、あの人はもう二度と私の前に姿を現さなくなってしまうだろう。

 だから私は、もっとお近づきになりたいというNに対する気持ちを、ぐっと胸の中だけに抑え込み、彼のことを想っては、悶々とした日々を過ごしていた。おかげで、妄想は私の中でどんどん大きくなっていく。

 きっと普段から紳士的で、素敵な男性なんだろうなぁ~とか、高そうなスーツを着て、高そうな腕時計をして、カッコイイ車に乗って、プール付きのお洒落なマンションとかに住んで……表向きの職業はエリートビジネスマンというのが私の中で定番になりつつあるが、ときどきバーのマスターでもいいなぁーとか、意外にホストだったりして……とか、馬鹿なことを考え。

 脳内キャンバスに様々なNの姿を思い描いては、自分で自分が情けなくなり、「ダメだな、私……」と一人自己嫌悪に陥っている。

「……帰ろ」

 そう独り言をいって荷物を抱え、トイレから出る。

 するとタイミングを同じくして、隣の男子トイレから深夜だというのにキャップを目深に被り、大きなエナメルバッグを抱えた不審人物がひょっこり姿を現した。私はそいつの顔を見て、思わず足を止める。

「うげっ……」

 まるで予期せず、あの黒くてテカテカと光る台所の虫と遭遇したみたいな衝撃と嫌悪感が、背筋をゾクッと這い上がって来る。

 向こうも私に気づいて、「あっ」と驚いたように足を止めた。


(――影村ッ!? な、何で、こいつが……)


 こいつは同じ学校のクラスで、隣の席の、超~気持ち悪いヤツ。

 その殺人的なダサさと、なんかヌルっとした雰囲気、常軌を逸した挙動不審ぶりで、学年中からキモがられている底辺中の底辺だ。

 私はこいつのおかげで散々な目に遭わされていた。

 同じクラスで、隣の席だというだけでも、正直言って卒倒モノの不幸なのに、運悪く私はこいつと中学が一緒だったため、先生たちからは何かとこいつに関する用事を押し付けられるし、クラスの友達からはそのことでいじられる。ホント、こいつだけは今すぐ死んで欲しい。っていうか、死ね。

「あ、あぁあ……ここ、ここここっ、こんばんは。鈴音さぁ~ん……! きききっ、奇遇ですねぇ~? デュフフ……」

「ッ――」

 大好きなNのことを考えていた矢先、死ぬほど嫌いな奴に出くわして、私は例えようのない憤りに駆られた。同じ人間の男でも、ミスターとこいつとでは生物としてのレベルがあまりにも違いすぎる。あー、なんかもう、信じられないくらい腹が立ってきた。怒りに満ちて、拳を握り締める。

「お前……なんで、こんなとこにいんの? マジ、キモイんだけど……」

 私は心の底から軽蔑した眼差しを向けて睨みつけるが、影村は動じた様子もなく、ニチャニチャと不潔感いっぱいの笑みを浮かべて、しかも何故だかこっちに近寄って来る。

「あ、あのぉ……ぼぼっ、僕はですねぇ? そ、そのぉ……とと、トイレでセクロスしてるカップルがいないか探してるんですけどぉ~? あぁああぁ、あのぉ~? 鈴音さぁん、知りませんかぁあ――っ!?」

 もう、キモイ……。キモすぎる!! 軽くホラーの域だろこれっ!?

 影村は完全にイッた目をして、両手をわきわきとさせながらどんどん近づいて来る。こいつ、学校の中だけでなく、プライベートな時間まで穢しやがって……もう我慢できない。

「ふんッ!!」

 怒りに身を任せた私は、影村の股座を思いっきり蹴り飛ばしてやった。

「おっほぉおお~ッ!?」と股間を押さえて蹲った影村は、また何故か嬉しそうなニヤケ顔で「あぁあ、ありがとうございますぅ! 我々の業界では、ご褒美ですよぉ~ッ!」と意味不明なことを口走った。

「ざっけんなよ、クソがァ!! お前きめぇんだよッ!! おらァア!!」

 完全に堪忍袋の緒が切れた私は、それから二度三度と影村の汚い尻を蹴り飛ばして、脇の植え込みにどっと叩き込んでやった。

「――もう、最ッ悪!!」


              ***


 盛大に捨て台詞を吐いて、大きな足音がずんずん遠ざかって行く。

(……やれやれ、行ったか――)

 俺は桜坂の姿が見えなくなったことを確認してから、体を起こした。

「イッテテ……」

 下半身に残った鈍痛が引くのを待ち、衣服についた葉っぱやら埃やらをぱんぱん叩いて払う。

「チッ、あのバカ。本気で蹴りやがってッ……!」

 しかし、焦ったな。

 まさか変装を解いた状態で、いきなりクラスメイトに出くわすとは。

 咄嗟の言い訳で上手く躱せたと思うが、しばらくは注意しておこう。

 それにしても――。

「桜坂のヤツ、こんな時間にこんな場所で何をやってたんだ?」

 いや、トイレにいたんだからやることは一つだろうが、そういう意味じゃなく……平日にこんな時間まで外出とは、さすが今時の女子高生だ。

「あいつ、まさか援交でもやってるんじゃねぇだろうな……。まぁ、どうでもいいが……」

 とにかく、今後またこういうことが起きるとも限らない。

 今度からは、着替えの場所を変えた方が懸命だな。

 俺はそんなことを考えながら、なかなか痛みの引かない股間を押さえ、ぎこちないガニ股歩きで、よたよたと帰途に着いた――。


                   To be continued...



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