皇帝との晩餐会
ついに、皇帝との晩餐会が始まった。
が、テーブルについた皇帝その人を見て、俺は驚いた。
どう見ても、まだ12才くらいの少年だったのだ。
皇帝は、紫色の布に、金色の刺繍がほどこされたローブのような服をまとっていた。
髪は黒く、肩まで伸びている。
そして、驚くほど美少年だった。
「さっそく食事を運ばせましょう」
ドリアムが言って、合図をした。
いつのまにか、あのレベトスがテーブルのわきに来ていて、ドリアムの合図を受けて、執事たちに指示を出しはじめた。
皇帝は、一言もしゃべらなかった。
それどころか、その顔には、なんの感情も浮かんではいなかった。
完全な無表情だ。
ドリアムの言うとおり、彼は本当に俺たちと同じ世界から来たのだろうか?
だとしたら、俺を見て、どう思っているのだろう?
俺が着ている服は、どう見てもこの世界の服ではない、現代の日本の服なのだ。
だが皇帝は、そもそも俺を見ているのかどうかも、判然とはしなかった。
料理がはこばれてきて、テーブルに並べられたところで、またドリアムが言った。
「陛下には、お初にお目にかけますが、こちらは我が娘サーシャです」
サーシャが、椅子から軽く腰をあげて、会釈をした。
皇帝は、無表情のままだ。
続いて、
「こちらは、我が城に滞在していただいている学者のアラクボ殿です」
と言った。
俺も、サーシャの真似をして、椅子から立ち上がった。
そして、日本式のお辞儀をした。
「彼は、異国からやって来ました」
ドリアムがつけ足した。
それでも、皇帝は無表情のままだった。
大変唐突ですが、作者の一です。
みなさま、いつも『修学旅行に行ったらヘタレな俺がなぜか勇者に⁉︎』を読んでいただき、本当にありがとうございます!
なにげない気持ちで書きはじめて、約半年…まさかの25万ページビューに、驚き、そして大感謝しております‼︎
いったい、どこに向かうのか、いまだに自分でもよくわかりませんが、この作品はとにかく毎日書き続けようと思っていますので、お気に召しましたら、また読んでいただければ幸いです。
そして!
自分の中で勝手に半年を記念して、なんと無謀にも、もう一作書きはじめてしまいました。
『修学旅行に行ったらヘタレな俺がなぜか幕末のサムライに⁉︎』という作品です。
もしよければ、そちらもご一読いただけましたら、幸いです。
一