レジスタンス軍の作戦
「イスマたちが、なにしに来てると思う? 皇帝を誘拐するためだぞ!」
魔法でカラスに変身した横山は、そう叫んだ。
「ええっ⁉︎ まさか…?」
「ウソじゃねえって! レジスタンス軍は、皇帝がごく少数の護衛だけを連れて、この城に来るって情報を手に入れたんだ。それで、イスマたちの精鋭部隊が来ることになったわけさ」
「精鋭部隊に、なんで、おまえが入ってるんだよ?」
「この城の中に、おまえらがいるからだよ! おまえらの救出も、目的の一つだけど、本当の作戦は、城内のおまえらと連携して、なんとか皇帝誘拐のチャンスを作り出すことなんだ」
「ええっ⁉︎ 聞いてないよ、そんなの⁉︎」
「当たり前だ。いま話してるんだから。いいから、ちょっと落ち着けよ」
横山は、窓枠でバサバサと翼を羽ばたかせた。
どうやら、俺に風を送ってくれたつもりらしい…。
「いいか。皇帝の誘拐は、レジスタンス軍にとって、苦しい形成を一気に逆転する重大な作戦なんだ。俺たちは、すでにその作戦に、がっつり組み込まれてるんだよ!」
「そ、そんなこと…。皇帝誘拐のチャンスを作れって言われても、どうすればいいかわからないし…」
「もともとは、ウインガーレイ候も同時に救出して、候に城の内部から撹乱してもらう、という作戦だったんだ」
「言っただろ? 候はもう…」
「わかってる。だから、俺たちだけで、やるしかないんだ!」