表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
176/206

近衞隊と第一隊

「あいつは、お父様のライバル、レオンハルト公の息子なの」


サーシャは、苦々しい顔で言った。


俺たちは、晩餐会の準備が進んでいる大食堂に向かっていた。


「ライバル?」


「レオンハルト公は、帝国の西に領地をもつ公爵で、帝国軍の精鋭である近衛隊を率いているわ。同じく精鋭部隊で、帝国軍の主力である第一軍を率いるお父様とは、帝国一の将軍の座を、いつも争っているの」


「第一軍と近衞隊か…」


「実戦での実績は、お父様のほうが圧倒的に勝っているのよ。でも、レオンハルト公は、いつも皇帝のおそばに仕えているから、取りいるのが上手いのよ」


めずらしくサーシャは饒舌にしゃべった。


ほんとに、あのイケメン騎士と、その父親が嫌いらしい。


「見えてきた。あそこだ」


サーシャが指さす先を見ると、ドリアムの居館と同じくらい大きな館が建っていた。


館の煙突からは煙がでていた。


「早くいきましょう。皇帝とその取り巻きたちも、もう着く頃だ」


俺たちは大食堂に急いだ。


大食堂には、ずらりと食器が並べられていた。


ただし、その食器の数は、思ったよりずっと少なかった。


俺は、皇帝の晩餐会というものは、何百人もがずらりと並んで、めしを食べるものと思っていたが、そうではなく、席は六人分く しかなかった。


「え? 晩餐会って、こんな少人数でやるの?」


思わず、俺が聞くと、


「当たり前だ。皇帝と食卓を囲むなんて、誰にでも許されることじゃない」


とサーシャがあきれたように言った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ