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嫌な予感しかしない

金色に輝く皇帝の馬車が俺のまえを通り過ぎるとき、馬車の側面に描かれた『皇帝の目』が、ぎょろりと動いて俺を見た。


野次馬の話によれば、皇帝は馬車の中にいながらも、『皇帝の目』で常に周囲を監視しているらしい。


ということは、はやくも俺は皇帝の関心をひいた、ということなのか…。


俺は、ドリアムが言っていた、皇帝が俺を見てどんな反応をするか確認する、という言葉を思い出し、背筋が凍ったような気がした。


いまにも、皇帝自身が馬車から下りてくるのでは? とドキドキしたが、馬車はそのままゆっくりと通り過ぎて行った。


気のせいだったのか…?


いや、『皇帝の目』が動いたのは、まぎれもなく事実。


皇帝が、俺を「見た」のは、間違いない。


このあとの食事会で、それがどういうことにつながるか、まだよくはわからなかったが、なにごとも起きない、という可能性は、ほとんどなくなったような気がした。


ふとドリアムを見ると、皇帝の馬車を目で追っているような顔をして、そのじつ、俺をじっと凝視しているのがわかった。


ドリアムも、俺と同じことを考えているようだ。


やがて、皇帝の一行がすっかり城内に入ると、巨大な城門はふたたび閉じられた。


ドリアムの合図で、近衛兵たちはきびすを返し、こんどは皇帝を、城のホールで迎えるために駆け戻った。


なぜか俺とサーシャも、その隊列について、ふたたび城までの道を駆けた。


城に着いたら、いったいなにが起きるのか?


嫌な予感しかしなかった…。

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