表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
167/206

とんでもない間違い

いよいよ、皇帝があと一時間ほどで城に到着するという知らせがきた。


俺は、ピカピカにクリーニングされた服を着て、サーシャとともに、ドリアムの待つホールに向かっていた。


サーシャは、あいかわらず、一言も口をきかない。


さっき浴室でのサーシャの言動に、いいかげんうんざりしていた俺は、ホールまでのあいだに、サーシャの誤解をといておきたい、と思った。


「あのなぁ、さっきの『覗き』っのは、完全に誤解なんだぞ」


俺は、サーシャの背中に話しかけた。


サーシャは、振り返りもしないで、冷たく返す。


「男のくせに言い訳とは、どこまでも下衆なやつ!」


「だから! おまえが誤解してるからだよ。あれは、おまえが風呂からぜんぜん出てこないから、しかたなく風呂場に様子を見に行ったの!」


「それを覗きと言うのだ‼︎」


「あのまま眠り込んでたら、溺れ死んでたかもしれないんだぞ! だいたい、いい年して、ガキじゃあるまいし、風呂で寝るなっつーんだよ」


この言葉に、サーシャはくるりと振り向いた。


その顔は真っ赤で、唇はわなわなと震えていて、よく見ると、目もうるんでいる。


あれ?


泣いてる?


俺は、自分がとんでもない間違いをしでかしたことに、ようやく気づいた…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ