俺たちの世界の入浴作法
ドリアムに「風呂で、ピカピカに磨いておけ」と言われた俺たちは、サーシャの部屋に向かった。
そこには、すでに数人の女中がいて、あわただしく風呂の準備をしていた。
俺は、すぐに隣の脱衣所に連れて行かれ、メイドのような女中たちに、次々と服を脱がされていく…。
メイドといっても、サーシャの付き人のせいか、みんな若い。ほとんど俺の同級生くらいの女子たちだ。しかも、みんなかわいい…。
そんな娘たちが、黙々と服を脱がせていくので、恥ずかしくてしかたがない。
サーシャは、少し離れたところに立って、腕組みしながらこちらを見ている。
そんな状況のなかで、ついに一人のメイドの手が、俺のパンツにかかった。
「うわわッ」
反射的に、俺はパンツを押さえた。
「なにをしている? さっさと脱げ! おまえをピカピカに磨くのが、我らの使命なのだぞ」
サーシャが冷たい声で言い放つ。
「い、いや…。風呂くらい、俺一人で入るから…」
「聞いてなかったのか? おまえをピカピカに磨きあげろというのが、公爵様のご命令だ。おまえは、黙って我らのなすがままにしておればよい」
そう言って、俺のかたわらの、ひときわかわいらしいメイドにうなずいてみせる。
メイドもまた、真剣な表情でうなずき返し、俺のパンツを脱がそうと力を込める。
「ちょ、ちょっと待って…」
俺は、必死になってパンツを押さえた。
メイドと俺で、パンツをめぐって、力比べみたいになった。
なんだかもう、コントのような有様だ。
気の短いサーシャが、
「なにをしているの⁉︎ ぼさっと見てないてわ、全員で脱がせなさい!」
と命じた。
俺はたまらず、叫んだ。
「待った! ちょっと待った! お、俺の話を聞いてくれ‼︎ お、俺たちの世界では、風呂に入るときは、パンツをはいたままなんだ‼︎」