表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
159/206

少年の礼

「我々が出した食事を食べ終えた、あの方は、お礼がしたい、とおっしゃった」


ドリアムは、遠い目をしていた。五年前の、皇帝との出会いの日を、ありありと思い出しているようだった。


俺は、言葉をはさむこともできず、ただ驚きとともに、ドリアムの話を聞いていた。


「お礼がしたい、と言ったあの方は、私たちのアジトを出た。そのとき、私たちは、ウインガーレイの討伐隊に追われ、山の中に隠れ潜んでいた。


あの方は、眼下を見下ろす頂きに立たれた。そこからは、討伐隊が、いままさに山を登り、こちらに迫っているのが見えた。その数は、約五百。こちらの十倍以上だ。


だが、あの方は、ひとつも恐れることなく、なにか短い呪文を唱えられた。


次の瞬間、信じられないほど巨大な雷撃が、討伐隊に降り注いだ。


それが、私があの方の魔法を初めて見た瞬間だった…」


ドリアムは、言葉を切って、俺を見た。


その目は、真剣だった。


「私は、あの方がどこからやって来たのか、ずっと不思議だった。あれほどの力をお持ちなのに、あの方の噂は、この世界のどこでも聞いたことはなかった。実際、あの方は、『こちらの世界』に来たばかりだったのだ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ