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まさか、ここで処刑?
「では、ウインガーレイよ。きさまを脱獄の罪で処刑する」
ドリアムは、厳かにそう言った。
ウインガーレイ候は無表情だった。
ドリアムは、おもむろに剣をぬくと、
「放り投げろ」
と、候を掴んだまま、ひざまずいていた女に命じた。
「お、おい…」
俺は、思わす声を出していた。
まさか…?
処刑って、ここで行うのか?
ウインガーレイ候が、一瞬、こちらを見たような気がした。
候が、なにかをつぶやいた。
だが、聞き取れなかった。
女が、ドリアムに命じられたとおり、候の身体を空中高く放り投げたからだ。
そして…
次の瞬間には、ドリアムの剣が一閃し、候の身体は両断されていた。
ぼとり、と城の廊下に落ちた候の身体は、すでに上半身と下半身にわかれていた。
上半身の腹部から、内臓がはみだしていた。
大量の血が廊下に流れ…
「いや…」
美空さんが、小さくうめくと、気を失ったらしく、倒れた。
それを高田先生があわてて支えたが、その高田先生も、顔面蒼白になっていた。
「い、いやだいやだいやだ」
稲田が、涙声で繰り返していた。
そりゃそうだ、
次は俺たちが処刑される番だった。