時間は有限、忙しき朝
読んでくれている方が多いようで、感激の極みです!
そして短めでごめんなさい。
着替えた服は、黒いハートがプリントされたシャツに、ハーフパンツ。
風通しが良く、夏場に丁度良い。なぜ黒いハートなのか。
兄曰く「恵奈には黒も似合う!」だそうだ。
個人的には、悪役の黒よりも、正義の白の方が好きなのだが。
白が好きになったのは多分幼稚園児の頃だ。いつも優しい兄のイメージが白という、簡素な理由だが。
夕食を作り終えたので、兄を起こして食事をする。
兄の好物、肉じゃがを作った。笑顔で喜んでくれたので、作った甲斐があった。
食事を終えると、真っ先に自室へ向かう。小学生の頃からつけている日記を書いて、ベッドに座る。
室温32℃。これでは絶対に寝られないのでクーラーをつける。リモコンが近くにあってよかった。
そのまま横になり、目を閉じる。まだ8時辺りだが、今日は何もする気が起きない。
明日は否が応でも、学校の準備などで忙しいだろうが。
制服は服と一緒に明日届くそうなので、着方を練習しなければ。女子の制服なんて、着るのは初めてだ。
兄に教えてもらおうか。……やはり、やめたほうがいいかもしれない。
冷房が効いてきて、涼しい中眠ることが出来た。
朝。早く寝たはずだが、まだ全然眠い。
やはり朝には弱いみたいで、頭がよく回らない。
クーラーを消して、ゆっくりと意識を取り戻していく。
そうだ、早く自分が朝食を作らねば。兄がまた料理(毒物)を作ってしまう。
リビングへ向かうと、ダンボール箱が沢山積み上げてあった。何事だろうと思ったが、すぐに両親からのものだろうと分かった。
学校の制服らしきものがちらりと見えたからだ。
兄はダンボール箱を一つ一つ開けて、整理している。相変わらず起きるのが早い。
「にーさん、おはよー」
「ああ、お早う。洗面所で顔洗ってきなさい」
はーい、と気の抜けた返事をして洗面所へ向かう。朝から移動ばかりだ。
暑い夏でも朝は寒い。移動が億劫すぎて、だらだらと歩くかたちになってしまう。
洗面所で顔を洗い、リビングで料理を作る。
朝はやはり、ご飯に味噌汁に目玉焼き!
兄はさっきからダンボールの中を出しては区別しての繰り返し。
今日は平日。兄は大学があるというのに、苦労をかけてしまうようで悪い。
「兄さん、今日学校あるんだし、朝ぐらいゆっくりしてても…」
「何を言うんだい。恵奈の為ならば、何の苦にもならない!」
そろそろ本格的にヤバくなってきた兄。
べつに、自分で出来るからいいのに。
味噌汁が完成。目玉焼きももうすぐいいはずだ。
ご飯は昨日のあまりを冷蔵庫に入れておいたので、それを暖める。
今からご飯を炊くとなると、けっこう時間が掛かってしまうからだ。
「ご飯できたよー」
兄も一旦作業を止め、お皿をテーブルへと運ぶ。
「いただきまーす」
「いただきます」
ごちそうさまをしてからしばらくし、兄は学校へ出かけた。
食事中に、鍵は絶対に開けるなとか、外は危ないとか言われたのだが、いつもの朝食の光景だ。
小学生じゃあるまいし、俺だってもう高校生だ。
心配してくれるのはありがたいが……。
さて、このダンボールの山どうしよう。
こんな短くてごめんなさい!
そろそろ学校話に突入しないとまずいので進行は急ぎ目です。