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お出かけ

昼食を食べた後、俺は出かけることにした。


「兄さん、ちょっと出かけてくる」


「んー、どこにだい?」


「いや、外でもまわってこうかなーと……」


今日は日曜日で、雲ひとつない快晴だ。散歩にはもってこいだろう。

昨日までは男だったのに、たったの1日で世界が変わってしまった。

しかし、兄と両親が適切な対応をしてくれたおかげで、心配することもないので全然悲しくない。


むしろ楽しいぐらいだと思う。少なくとも、これは空元気ではない。


「恵奈、お兄ちゃんも付いて行っていいかい?今回だけでいいから」


「? 別にいいけど……?」


今回だけでいいから?よく分からない。別に何回着いて来てくれてもいいのだが。

返事をすると兄はすぐさま準備に部屋に行った。着替えに行ったのだろう。

俺はこの服でいいと、兄は言っていた。頭良く運動面でも完璧な兄の言う事なので従っておく。


「さて、体力とかどうなってるのかな……」


とにかく、これを把握しておきたかった。別に、鍛えたいとかじゃないが。



玄関の扉を開けると、暑い陽を一気に体に浴びる。


「暑い……」


「暑いね」


暑いとか言いながら、全然平気そうな兄だ。しかし、兄が日焼け止めを塗れと言ったのもうなずける。

こんなに白く綺麗な肌を傷めたくない。てか、自分の体なので大切にしていきたい。


「恵奈何してるんだい。走って、いい汗流してお兄ちゃんと一緒にお風呂に

入ろうじゃないか!」


「一緒には入らないよ」


「そんな!」


がっくりと項垂れている兄を無視し、さっさと走ってみる事にする。

こんな姿になる前は、1キロぐらいならば全力で走っても息も切れない。

ちなみに兄は1キロ45秒だ。いや、嘘は吐いてない。

しばらく走っていると、思う。

ワンピース超走りづらい。

そもそも、この服でいいと言ったのは兄だ。

ゆっくりと走って追いついてきた兄に言ってやろう。


「兄さん!ワンピース超走りづらいじゃないか!」


「そうだね。でも恵奈、美しい声をしているのに、そんなに声を荒げるもの

じゃないよ」


「いや、その、えと、あーもう……」


「そうだねぇ、ワンピースだと暑くて汗をかくから、いい運動になるんじゃ

ないかとね」


「え、そうだったの?ご、ごめん……」


自分に気を遣っての事だった。なんというか、また罪悪感が…。





罪悪感なんて忘れるぐらい走って、町内一周ぐらいし、自宅に戻ってきた。

途中何回か兄さんに抱きつかれた事以外は、特に問題は無い。

現在、玄関の前で汗だくになっている。


「恵奈、随分体力落ちたんじゃないかな?」


「そうだね………途中兄さんが抱きついてこなければ、こんなに汗掻かなか

ったと思う…」


「お兄ちゃんは、恵奈成分を定期的に補給していないと干からびちゃうんだ

よ?ああ、嫌々ながらも


おとなしく抱きつかれていた恵奈……はぁはぁ……っ痛い痛い、すねはやめ

なさい。やめなさい恵奈、お兄ちゃん死んじゃう」


兄が危ない世界に入りつつあるので阻止。


「ああ、それと恵奈」


「なに?」


「ごちそうさまでした。早くお風呂に入っちゃいなさい」


「……?」


満足したような表情を浮かべ、先に家へと入る兄。

……?何がごちそうさまなのか、いまいち分からない…。


「あ」


そして思考の中突然割り込んできた、今まであんまり深く考えていなかったこと。


「お風呂どうしよ……」


次回、お風呂回を入れる前に、兄視点が入ります。

ごちそうさまでしたの意味とは!?次回明らかにされるかも。

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