スッキリしない朝
な……に…? お気に入り登録数がかなり上昇している…だと…?
読んでくださっている皆様。評価、登録してくださっている皆様。
本当、ありがとうございます!!あと同じ事しか言えなくてすみません。
今回、短いですがすみません……。
目が覚めると、愛する弟の部屋の床。
いや、今はもう妹か。……どちらでもいい。
時間は朝5時辺り。恵奈はまだ寝ている。ベッドまで歩き、顔を覗いてみる。
可愛い寝顔をしていて、昨日までは男だったとは思えない。
そっと艶々(つやつや)の長い黒髪を撫でてやる。
掛けてやった毛布は見事に足蹴にされている。
露になった肌は健康的で、肉付きもいい。
そういえば、恵奈はジャージのままだった。女性物の服を買わなければいけないな。
考えながら、ベッドから蹴り落とされた毛布をまた掛けてやり、ゆっくりと部屋を出た。
家は2階建てだ。1階はリビングや風呂で、2階はそれぞれの部屋となっている。ちなみにどの部屋にもクーラー完備だ。
両親共に働いているが、別にお金が無い訳ではないのだ。むしろありすぎている。両親共、仕事が好きな真人間だ。
恵奈と一色を家に置いたのも、一色が同意したからだ。良く両親の事を理解しており、面倒見も良い。
それに、いざという時は近所の人がいる。両親は近所付き合いが良く、知り合いもたくさんいる。
……いやそんな事よりも、弟の問題を解決しなければならない。学校へ連絡したり、生活用品などを揃えたりと、忙しくなるだろう。
…いや、待て。こんな些細な問題、両親に連絡すればどうにかなるな。
「もしもし父さん?……うん、元気にしてるよ、それで、恵奈の事なんだけど――」
<恵奈視点>
「ん………」
起きると同時に、昨日(今日?)の事を思い出した。
懐かしい兄の温もり。
思い出した途端に恥ずかしくなった。
高校生にもなって、自分は一体何をやっているんだ! と。
いつまでそうしていても仕方がないので、ベッドから立ち上がる事にする。
体格まで変わったみたいで、立ち上がるとバランスを保つのが難しい。
時計は朝の8時とちょっと。けっこう遅く起きたな…。
それより早くリビングへ行って、これからどうしたらいいかを兄に相談したい。
自分だけではどうにもならない事だ。今日は日曜日、ただの休日だ。夏休みとかだったらどれだけ良かった事か。
今日、部活に行けない事と、学校についても色々と連絡しなければならない。
正直に、いきなり女になったとか言うつもりはない。普通に平穏に暮らしたいから、注目は浴びたくない。
友達もいなかったし、問題はない。
友達が居ないというのは、俺にとって兄がいるだけで十分であったし、そもそも人見知りだから話しかける勇気がない。
とにかく、リビングへ降りることにした。
階段を下りると、リビングでは兄がソファーで寛いでいた。
優雅にコーヒーを飲んでいる姿は、とても様になっている。
いやそれどころではない。どうするかを相談しなければならないのだから。
「兄さん、おはよう、あの…」
「ああ、おはよう恵奈。父さんと母さんに連絡したら、全てなんとかしてく
れたよ」
「は…?え…?」
「いやあ、吃驚したよ。父さんと母さんに、そんな権力があったなんてねー」
唐突すぎて、何の話をしているのか分からない。
ええと、兄さんが父さんと母さんに連絡して……解決?
「恵奈は転校生として、火曜日から通う事になる。前の恵奈は父さん母さんと一緒に、外国へ行ったことになったそうだよ」
「……は?………っいや、待って兄さん!話が急すぎるよ……設定はそれでいいけど…」
「それで、今の恵奈は我が家の末っ子、という感じだよ。良かったね、解決したじゃないか。服も明日中には届くそうだし」
待ってって言ったはずなのに待ってくれない。まだ整理ついてないのに……。
「えっと……学校の問題は片付いて……服も大丈夫で…?」
「うんうん。下着の付け方は、お兄ちゃんがしっかり教えてあげるからね!」
手をワキワキさせる兄。初めてみた、こんな兄さん。普段から、優しく柔らかく堅実なので、新鮮だ。
「それはそれとして、お父さんとお母さんっていったい……」
「ははは、それは分からないなー」
凄い棒読みで怪しいが、聞いたら負けなのだろう。
まあ、問題が片付いたようで、安心できた。
「あ、そうだ!恵奈、朝食できてるよ。朝はやっぱり、納豆にごはん、味噌汁だよね!」
そう言って、黒焦げごはん、ドロドロの紫色納豆、固形の味噌汁が食卓に並べられた。
さすがにこれは食べられないと思った。
今回、できるだけわかりやすくしたつもりですが、分かり辛い所があれば教えて頂けるとありがたいです。
追記:次回長めにしてみたいので、更新は金曜か土曜になります。勝手にすみません。